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総合病院とはどういう病院なのか|具体的な役割も合わせて解説

総合病院とはどのようなものでしょうか。

「複数の科がありどのような症状でも対応してくれる病院」「大学病院とは違う」など、漠然としたイメージはあるものの、具体的な定義は知らないという方も少なくないでしょう。

本記事では総合病院の定義や、地域医療支援病院の役割などについて解説していきます。

総合病院とは

総合病院とは

総合病院の定義は、過去には医療法によって定められていました。
1996年の医療法改正によって現在は廃止されています。
代わって導入されたのが、地域医療支援病院です。

ここでは、総合病院の規定が廃止された経緯と、地域医療支援病院の詳細について解説していきます。

総合病院は、法律の改正にともなって規定がなくなった

総合病院の法律上の規定は、1996年の医療法改正によって廃止されました。
総合病院が廃止された背景には、同じく1996年の法改正により、地域医療支援病院が創設されたことがあります。

なお、1996年6月までの総合病院の条件規定は以下のとおりです。

  • 病床数100床以上
  • 診療科目に内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科を含む
  • 設備の諸規定を満たす
  • 都道府県知事の承認を得ている

ただし、法律上の規定は廃止されたものも、現在も多くの科を持つ病院や、病床数の多い病院が、固有名詞として「〇〇総合病院」を名乗っているケースは少なくありません。

他の病院の種類については、下記のURLに詳細があるため、参照してください。

地域医療支援病院

地域医療支援病院は、1996年の医療法改正により、総合病院と入れ替わる形で創設されました。 
地域医療支援病院の定義は、医療法により、以下のように規定されています。

  • 原則として、国、都道府県、市町村、社会医療法人、医療法人などによる開設
  • 紹介患者中心の医療を提供
  • 救急医療の提供が可能
  • 建物、設備、機器などの要件を満たす
  • 地域医療従事者に対する研修を行っている
  • 病床数200床以上 など

総合病院と一般病院の違い

総合病院は、一般病院と混同されることもありますが、実際には異なるものです。
ここでは、一般病院の概要について触れたうえで、総合病院との違いを解説します。

一般病院とは

一般病院の定義について確認したところで、総合病院や、総合病院に代わって創設された地域医療支援病院との違いを見ていきましょう。

一般病院とは、医療法人や社会福祉法人、公益法人などが運営する病院です。
運営元が、国、自治体、教育機関などでない病院は、一般病院に区分されます。

一般病院は、国立病院や公立病院、大学病院などと比べて、地域密着型の病院が多いことが特徴です。
急性期だけではなく、慢性期や在宅医療など幅広くカバーしており、民間病院と呼ばれることもあります。

なお、「病院」を名乗るためには病床数が20以上であることが条件で、20床未満の場合は「診療所(クリニック)」の扱いです。
病院とクリニックでは、満たさなければならない人員配置や施設などの要件が異なります。

より詳しい一般病院の解説については、下記URLを参照してください。

病院の類型が違う

総合病院は、1996年6月の医療法改正以降、法律による規定はありません。
また、1996年6月以前の規定に照らし合わせてみても、病床が100床以上かつ、所定の5つの診療科目を含むことなどを要件としていました。

一般病院は、現在も医療法において規定されており、前述のとおり20床以上の病床を持つ医療機関を指します。
診療科目についての規定は特にありません。

これらのことから、総合病院と一般病院は、明確に異なるものであることがわかります。

地域医療支援病院の役割

続いて、総合病院と入れ替わる形で創設された、地域医療支援病院の役割を見ていきましょう。
地域医療支援病院の主な役割は、以下の4つです。

  • 紹介患者に対する医療の提供
  • 救急患者の受け入れ
  • 地域の医療機関との医療設備の共有
  • 地域の医療従事者への研修・教育活動

順番に見ていきましょう。

紹介患者に対する医療の提供

地域医療支援病院の1つ目の役割は、地域のかかりつけ医や往診医などから紹介状をもらった患者さんへの医療の提供です。
また、治療が終了し、症状が安定した患者さんに対しては、はじめに紹介したかかりつけ医への逆紹介も行います。

この紹介と逆紹介の仕組みにより、患者さんは再び症状が悪化しない限り、身近なかかりつけ医の元で継続して医療を受けることができ、地域医療支援病院はより症状の重い患者さんを優先的に対応することが可能です。
結果的に、地域の医療が滞らず、適切に循環できるシステムになっています。

救急患者の受け入れ

地域医療支援病院の2つ目の役割は、救急搬送される患者さんの受け入れです。

救急患者はいつ、どのような状態で運ばれてくるか予想できないため、地域医療支援病院は、24時間の受け入れられる体制や、ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)といった設備を備えている必要があります。

地域の医療機関との医療設備の共有

地域医療支援病院の3つ目の役割は、病院内の医療設備や医療機器を、近医のかかりつけ医や往診医と共有することです。
病院によっては、医療設備や医療機器だけでなく、診療やカンファレンスも共同で行い、患者さんに対して最善の医療を提供できるようなシステムを取り入れている場合もあります。

地域の医療従事者への研修・教育活動

地域医療支援病院の4つ目の役割は、地域の医療従事者に対して、研修や教育を行うことです。

地域で働く、医師や看護師をはじめとする医療従事者全体の底上げを図ることで、患者さんに対し、より質の良い安全な医療の提供を行うことができます。
興味のある方は、自分の身近な地域医療支援病院の研修などを調べてみても良いでしょう。

総合病院などの病院の種類を知り、自分に合った病院を探そう

総合病院は、1996年の医療法改正により、法律上の規定は廃止されています。
しかし、現在も固有名詞として「○○総合病院」という名称を使用している医療機関は少なくありません。

廃止された総合病院に代わり、1996年に新たに設立された病院の形態が、地域医療支援病院です。
地域医療支援病院は、紹介・逆紹介によるかかりつけ医との連携や、救急患者への対応、研修による地域の医療従事者の底上げなど、地域医療の根幹を担っています。

執筆者について

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