officeたまこぶ 代表
・国家資格キャリアコンサルタント
・2級キャリアコンサルティング技能士
・産業カウンセラー
【プロフィール】
大学卒業後、地方新聞社のスポーツ記者などを経て、キャリアコンサルタントに転身。
公共機関や都内私立大学で学生や既卒者の就職支援に当たった後、フリーランスとして独立。現在は、「その人のありのままを受け止める」を大切に、複数の大学で学生のキャリア支援に従事。また、氷河期世代や高校生向けの講座へ講師として登壇、ライティングと幅広い活動を展開している。
新聞記者経験で積み上げた文章力が強み。エントリーシートや履歴書、職務経歴書など応募書類の作成のサポートを得意としている。
「今の職場から転職したいけど、30代だと難しい？」
「転職するならやっぱりスキルが必要？」
30代の男性でスキルが不足していると、転職が難しいのではないかと思っている方もいるのではないでしょうか？
30代でスキルがないと転職活動が長引いたり、自分の理想とする企業から内定を受けられなかったりする可能性があります。
この記事では、30代スキルなしだと転職が難しい理由や、転職するために必要なアクションを紹介しています。
30代で転職したいと考えている方や、自分にはスキルがないと思っている方は参考にしてください。
記事の内容を参考にし、転職を成功させましょう。
目次
30代スキルなしの男性は転職が難しい理由
30代スキルなしの男性にとって、転職が難しい3つの理由があります。
- 企業は若い人材を集めている
- 30代なら即戦力があたり前
- ライバルが増加傾向にある
順番に紹介します。
企業は若い人材を求めている
企業は、30代の中途入社社員よりも20代や新卒の若い人材を求めています。
若い人材を求める理由は以下のとおりです。
- 社内の年齢構成のバランスがよくなる
- 自社で1から教育できる
- 定着率が高い
- 社員や社内の雰囲気が活性化する
時間の経過とともに、企業に所属する社員の平均年齢は高くなり、高年齢化が進行します。
それに対して、毎年新卒を採用したり、20代の若手を中途採用したりすると、社内の年齢構成のバランスが良くなるでしょう。
新卒で入社した社員は自社で1から教育するため、仕事のやり方やルールに対する不満が少なく、定着率も高まることが期待できます。
また、仕事に対するやる気が高い若い社員は社内の雰囲気を明るくし、組織の活性化を図れます。
上記の理由で20代の中途入社や新卒入社を優遇している企業には、30代の中途入社では採用されにくい可能性があります。
30代なら即戦力として活躍できるスキルが求められる
30代の中途採用で企業が転職者に求めるのは、即戦力になれるかどうかです。
企業がミドル人材に求めるものは何かを聞いた調査では、以下のような強みや能力が挙がりました。
- 専門性
- 自社にない能力・経験
- マネジメント力
- 問題解決力
企業は30代の転職者に対し、将来性や入社後の成長を求めるよりも、入社後は即戦力として活躍し、自社に貢献できる人材を欲しがっています。
スキルがなく、「すぐに自社に貢献できなさそうだ」と判断された場合、採用を見送られる可能性が高いでしょう。
ライバルが増加傾向にある
近年は30代の転職者が増えており、2016年からの5年間で約5％から約9ポイントほどアップした結果が出た調査もあります。
コロナの影響で企業の採用活動が縮小された2020年は、30代男性に限らず全体的に数値が低下しました。しかしそれ以外で見ると、年々転職者が増加している傾向にあります。
つまり同年代のライバルが増えているといえます。
スキルがある人は転職先で即戦力としての働きが期待できるため、スキルがない人はほかに強烈にアピールできる何かがないと採用を勝ち取るのは難しいものです。
選考を通過しないと転職活動が長期化しやすくなるので、自分のアピールポイントをしっかり探すようにしましょう。
30代の転職について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
30代でスキル不足の男性が転職するために必要なアクション
30代でスキル不測の男性が、転職するために必要なアクションは以下の3つです。
- 自分で気付いていないスキル・経験・強みを発掘する
- 現職でスキルを身につける
- 転職で活かせる資格を取得する
順番に解説していきます。
自分で気付いていないスキル・経験・強みを発掘する
30代で転職する方は、大卒であれば10年程度、高卒であれば15年程度の社会人経験があるはずです。
社会人として10年、15年働けばさまざまな経験をしており、自分で気付いていない何らかのスキルや経験・強みを転職でアピールできのではないでしょうか。
スキルには、業務を推し進めるうえでの「テクニカルスキル」のほか、持ち運び可能で汎用性の高い「ポータブルスキル」などもあります。
特に以下の例は、どこの職場でも必要なポータブルスキルです。
【転職でアピールできるスキル一例】
- 課題解決力
- マネジメント力
- 適応力
- 対人能力
また、転職でアピールできる経験の一例はこちらです。
- 業務を通じて英語でのプレゼンテーション経験がある
- 定型的な作業や工程の効率化を考え、業務改善した経験がある
- 10社以上の企業ホームページを1から作成した経験がある
転職活動を始める前にキャリアの棚卸しや自己分析を行い、応募書類や面接でアピールできるスキルや経験がないか振り返りましょう。
現職でスキルを身につける
自己分析でアピールできるスキルや経験が見つけられないという方は、現職でスキルを身につけ、実績をつくってから転職活動をスタートさせましょう。
30代男性がスキルなしで転職活動を始めても、企業の即戦力にはなれないため、内定を勝ち取ることは難しいです。
おすすめはリーダーシップとマネジメントでの経験です。
上記2つはどのような組織でも求められるスキルであるため、規模の大小にこだわらず経験しておけば、転職活動をする際のアピールにつながります。
「即戦力で働ける」と口だけのアピールよりも、実績を背景に自分の強みを伝えれば、説得力が強まります。
スキルがないならば、現職でリーダーかマネージャー業務が経験できないかを調べてみましょう。
転職で活かせる資格を取得する
実務経験以外でアピールするには、資格の取得がおすすめです。
資格が転職する予定の業界や仕事の内容に沿った種類であれば、即戦力であるとアピールできます。
業界・仕事内容別のおすすめ資格はこちらです。
| 業界・仕事内容 | 資格 |
| 医療・介護・福祉業界 | 社会福祉士 介護福祉士 介護職員初任者 福祉用具専門相談員 医療事務 |
| 建設関連業界 | 土地家屋調査士 電気主任技術者 ショベルローダー等運転技能者 防災管理者 インテリアコーディネーター |
| 法律関連業界 | 社会保険労務士 ビジネス実務法務検定試験 |
| 栄養・調理関連業界 | 調理師 食品衛生責任者 ワインエキスパート フードコーディネーター |
| IT業界 | 基本情報技術者 マイクロソフト認定資格プログラム（MCP） CCNA認定 SAP認定コンサルタント XMLマスター Linux技術者認定試験 |
| 金融業界 | 税理士 DCプランナー ファイナンシャルプランナー |
| 流通・サービス業界 | 旅行業務取扱管理者 通関士 登録販売者 |
| 営業 | ビジネス・キャリア検定 リテールマーケティング検定 中小企業診断士 |
| 事務 | 秘書検定 MOS TOEIC 日商簿記検定 |
上記を参考にして、自分の希望する業界で役立ちそうな資格取得をめざしましょう。
30代男性スキルなしで転職する際の注意点
30代男性がスキルなしで転職する際の、注意点は以下の3点です。
- 辞める前に転職活動を開始する
- 転職後に年収が下がる可能性がある
- 転職先の雰囲気は入ってみないとわからない
転職活動を始める前によく読んで、後悔しないようにしてください。
辞める前に転職活動を開始する
転職活動は、在職中から始めるのが望ましいでしょう。
理由は以下のとおりです。
- 転職活動が長引けば収入がないため、生活に困る
- 早く転職活動を終わらせたくて焦ってしまう
- 企業の見定めが甘くなってしまい、自分とミスマッチな企業に入社するリスクがある
上記3点はいずれも退職後に転職活動を行うデメリットです。裏を返せば在職中に転職活動をすることをおすすめする理由になりますが、退職後に転職活動を行うメリットもあります。
退職してから転職活動を始めるメリットはこちらです。
- 平日でも面接や企業見学が可能
- 転職の準備に使用できる時間が多い
- 企業側が指定する入社日に入社できる
退職後1、2ヵ月以内に転職できる確証があれば、退職後に転職活動を始めても大丈夫です。
しかし、絶対に転職できる保証はありません。やはり在職中から転職活動を行うのがおすすめです。
転職後に年収が下がる可能性を覚悟しておく
転職すると年収が下がる可能性があります。
令和4年雇用動向調査の結果によると、1年間の転職者の賃金変動は以下となっています。
| 年齢 | 増加 | 減少 |
| 30～34歳 | 39.4％ | 32.3％ |
| 35～39歳 | 44.9％ | 23.3％ |
30～34歳の転職者のうち約3人に1人で転職後の賃金が減少しています。
35～39歳の転職者は約4人に1人で転職後の賃金が減少しており、転職後に年収が下がる可能性があります。
例えば、住宅ローンを抱えており、毎月一定の返済が必要な方などは、転職後に年収が下がらないかボーナスや昇給などを含めて採用担当者に確認しておくと良いでしょう。
転職先の雰囲気は入ってみないとわからない
転職先の雰囲気は、求人票などの募集要項だけでは読み取れません。入社後に社内の雰囲気が悪く働きにくいと感じるかもしれないでしょう。
実際、「入社後に思い描いていた会社のイメージと違った」と答えた人が約半数に上るといった調査結果もあります。
特に、人間関係や職場の雰囲気などは実際に働かないとわかりづらいものです。
転職先のカルチャーや社風になじめなかったり、年下の上司にとまどったりと、入社後にギャップを感じるケースもあります。
新しい職場に理想を抱きすぎると、現実との乖離でショックを受けてしまうので、ハードルをあげすぎないようにすると良いでしょう。
スキルがない30代男性が希望の転職先に入社するためのコツ
スキルがない30代男性が希望どおりに入社するためのコツを紹介します。
- 年収にこだわらない
- スキル不要な業界も視野に入れてリサーチする
- 現職と近い業界へ転職する
- 転職先の企業が求める人物像とマッチさせる
- 契約社員での採用も考慮する
順番に解説します。
年収にこだわらない
転職後の年収にこだわりすぎると、なかなか転職先が決まらない可能性があります。
30代でスキルがないと企業からの評価を得られず、現職よりも高い年収を獲得するのは難しいです。
実際に令和4年雇用動向調査の結果では、30代前半の転職者では3人に1人、30代後半では4人に1人の割合で、それぞれ年収が下がっています。
転職先の企業に入社後、働きぶりが評価されれば年収が上がり、前職の年収を超えられる可能性も十分にあります。
入社時の年収だけにこだわらず、仕事のやりがいや評価制度の有無など総合的に検討しながら転職活動を行うことで、早めの内定につながるでしょう。
スキル不要な業界も視野に入れてリサーチする
リクルートワークス研究所の中途採用実態調査では、2022年度の業界別の未経験者採用人数が発表されており、スキルがない方でも転職しやすい業界がわかります。
未経験者採用人数の多い業界は以下のとおりです。
| 業界 | 中途採用における未経験者の割合 |
| 小売業 | 約62％ |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 約53％ |
| サービス業 | 約51% |
| 製造業（機械以外） | 約48％ |
上記の業種はスキルがない方でも比較的転職しやすいといえます。小売業、電気ガス・水道業、サービス業、製造業の中から気になる求人情報をチェックし、良い条件の企業へ応募してみましょう。
転職先の企業が求める人物像とマッチさせる
転職先の企業が求める人物像と、自分がアピールするスキル・強み・資格をマッチさせると転職を成功させやすいでしょう。
企業が求める人物像は、自社にマッチし、活躍・貢献してくれる人材です。
応募書類や面接で、人物像とマッチしていない個性や強み、スキルをアピールしても、採用担当者に興味を持ってもらえません。
応募書類を提出する前に、しっかりと応募先企業の求める人物像を調べ、自己の強みとすり合わせておきましょう。
企業が求める人物像は、求人票、企業のホームページやSNS、経営者のインタビュー記事や著書から調べられます。
契約社員での採用も考慮する
30代男性でスキルなしの方が転職する場合、契約社員での求人応募も考慮しましょう。
転職活動中に魅力的な企業が見つかったが、契約社員での採用枠しか設けられていない場合は、条件にこだわりすぎず契約社員で入社するのも1つの方法です。
自分にとって条件がすべてそろった企業を見つけるのは大変で、スキルなしの状況で正社員として採用されることは難しいかもしれません。
契約社員だからといって最初から転職先候補から除外してしまうと、転職活動が長期化する恐れもあります。
契約社員でも入社後の働き次第で正社員として登用される可能性もあるため、契約社員での採用も考慮に入れて転職活動を行いましょう。
30代男性はスキルなしでも転職は可能
30代の男性でスキルがないと転職は難しい理由は、以下の3点です。
- 企業は若い人材を集めている
- 30代なら即戦力があたり前
- ライバルが増加傾向にある
しかし、スキルなしでも以下の対応をとることで、転職を成功させることは可能です。
- 自分で気付いていないスキルを発掘する
- 現職でスキルを身につける
- 転職で活かせる資格を取得する
上記を参考に行動すれば、転職後に活かせるスキルを見つけられ、自分が希望する転職ができます。
30代でスキルがないからといってあきらめず、転職活動に挑戦しましょう。
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