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処方箋の薬をもらわなくても大丈夫?病院に行かず薬だけ買う方法も紹介

処方箋をもらったものの、何らかの事情で薬を受け取れなかった経験はありませんか?
反対に、薬がほしくても病院に行く時間が作れず、処方箋をもらえなくて困っている方もいるでしょう。

本記事では、処方箋をもらったのに薬を受け取らない場合と、病院に行かずに薬をもらいたい場合について、起こりうる事態と解決策を解説します。
処方箋や薬の扱い方を理解し、都合に合わせて病院と調剤薬局を活用してみてください。

処方箋をもらったのに薬をもらわないと問題になる?

処方箋をもらったのに薬をもらわないと問題になる?

病院を受診して処方箋をもらったのにも関わらず、薬を受け取れなかったとき、あとから問題にならないかどうかが気になります。

処方した医師にバレてしまわないか心配になる方もいるでしょう。
処方箋が出たのに薬をもらわなかったとき、どのようなことが起こるか、また薬をもらわない、もらえなくなってしまう理由について解説します。

処方箋をもらって薬をもらわなくてもバレない

処方箋をもらった患者さんが薬を受け取ったかどうか、医者は基本的に確認できません。
処方箋をどこの調剤薬局に持っていくかは患者さんの自由であるため、薬を受け取った事実まで医療施設が確かめることはないでしょう。

ただし、レセプト(診療報酬)審査という健康保険に関する書類の照合の際、病院側のレセプトと調剤薬局側のレセプトに相違があることが発覚します。
1、2回であれば問題にならなくても、処方箋の未提出を何度も繰り返したり、悪質だと考えられたりした場合には、病院に報告される可能性もゼロではありません。

薬をもらわないケース

処方箋が出たのに薬をもらわない状況は、どのようなときに起こるのでしょうか。
場合によっては処方期間の延長が認められることもあります。

処方箋の有効期限が切れてしまった

処方箋の有効期限は、発行日を含めて4日間です。
期限を過ぎると処方箋は無効になってしまうため、注意しましょう。

期限を過ぎて薬を受け取るためには、処方箋の再発行が必要です

この場合、医師の診察があらためて必要になり、受診に関する費用がかかります。

ただし長期の旅行などやむを得ない予定があるときには、医師が処方箋に別途使用期限を記載することで期限の延長も可能ですので、診察の際に伝えましょう。

処方箋を紛失した

もらった処方箋を紛失した場合、原本がなければ調剤薬局で薬をもらうことはできません
この場合、受診した病院に連絡して再発行してもらう必要があり、追加で費用が発生します。

処方箋の発行から時間が経っていなければ、再発行の費用だけで済む可能性もあるでしょう。
しかし、時間が経って紛失に気付いた場合は再度診察が必要になり、その分の費用もすべて支払うことになります。

そもそも必要ないと感じる薬剤を処方された

以前に処方された薬が余っている、薬が体に合わないなどの理由で、患者さん本人が薬を必要ないと感じている状況もあります。
このような場合、処方箋を発行してもらう前に医師に相談するのがベストです

もし医師に言いにくいときには、調剤薬局で薬剤師に話すのも良いでしょう。
ただし薬剤師法の規定により、薬剤師のみの判断で処方内容を変えることはできません。
疑義照会(医師への確認)が必要になるため、多少時間がかかります。

また残薬がある場合などは、一部の薬だけ必要ないといった要望を調剤薬局で伝えることもあるでしょう。
処方箋に「残薬調整後の報告可」などの記載があれば、疑義照会なしに減数調剤が認められています。

しかし、こうした記載がないまま、薬剤師の独断で減薬して処方することはできません。
こちらも医師の同意が必要になるため、確認がとれるまでの待ち時間が発生します。

処方箋が出た当日に薬をもらわず翌日以降にもらう方法

処方箋が出た当日に薬をもらわず翌日以降にもらう方法

処方箋をもらったものの、以下のような理由から薬を翌日以降に受け取りたい場合もあります。

  • 診療に時間がかかり、当日は調剤薬局に行く時間がなかった
  • 受診した病院が自宅から遠く、薬は行きつけの調剤薬局で受け取りたい
  • 調剤薬局が混んでいて当日は待っている時間がなかった

先述のとおり、処方箋の有効期限は4日です。
期限内に調剤薬局へ処方箋を持参する必要があります。

ただし、なかなか時間を作れない方は、期限内に処方箋だけ提出しておいて薬は後日もらうという方法もあります
処方箋を調剤薬局に出してから薬を受け取りに行くまでの期間は法的には決められておらず、調剤薬局ごとに確認が必要です。

さらに本人の病院受診が済んでいれば、処方箋を持参した代理人が薬を受け取ることもできます。
その際には、処方箋の原本と処方された本人の保険証を持参しましょう。

また、処方箋の薬の在庫がない場合、薬を取り寄せることもあります。
その際には届くまでに時間がかかる可能性があるため、事前に処方箋を渡しておいたり問い合わせたりして、取り寄せておいてもらうとスムーズです。

【解決策】処方箋をもらわずに同じ薬をもらいたいときはどうする?

【解決策】処方箋をもらわずに同じ薬をもらいたいときはどうする?

なかなか時間を作れないとき、病院を受診せずに薬だけをもらいたいと考えるかもしれません。
「受診はせず前回と同じ薬をもらいたい」「おくすり手帳で薬を処方してほしい」といった場合の解決策を解説します。

処方箋をもらわずに薬だけもらえるのか?

病院で処方箋をもらわなくとも、薬を受け取ることはできるのでしょうか?
前回と同じ薬なら、おくすり手帳をもとに処方してもらえるようにも感じるでしょう。
実際に、処方箋なしで薬だけ受け取ることは可能なのかご説明します。

薬だけもらうことはできない(一部医薬品を除く)

医薬品は、安全性や作用の強さにより、医療用医薬品と要指導医薬品、一般用医薬品に分けられます。
処方箋によって患者さんに渡される薬は医療用医薬品です。
医療用医薬品は「医師が診断したうえで発行した処方箋に基づき、薬剤師が調剤する薬」と決められているため、薬だけをもらうことはできません

この種類の薬剤は、基本的に医師から処方箋をもらうことが必須となります。
したがって以前に使ったことがある薬であっても、処方箋なしで薬だけもらうことは不可能です。

処方箋不要の薬を調剤薬局で購入するのも手

医療用医薬品以外の一部の医薬品は、調剤薬局やドラッグストア、インターネットで購入できます。
ただし、そのすべてが自由に購入できるわけではありません。

上述のとおり、医療用医薬品の他には要指導医薬品と一般用医薬品があります。
要指導医薬品と一部の一般用医薬品は、薬剤師から薬の使い方の指導と情報提供を受けたうえで購入が可能です
例えば痛み止めや目薬、塗り薬などがあり、ドラッグストア・調剤薬局にて薬剤師から買えます。

例外として、やむを得ず医療用医薬品を薬剤師から購入する方法が零売です。
零売が認められるには一定の条件があります。

  • 必要最低限の数量を販売する
  • 薬剤師が対面で販売する
  • 必要に応じて一般用医薬品の使用を勧める
  • 必要に応じて病院受診を勧める など

こうした販売方法を行っているのは、零売薬局といわれる店舗です。
保険適用外にはなりますが、病院を受診する時間がない方は利用を検討するのも手でしょう。

病院受診を減らして薬だけもらう方法は?

病院受診を減らして薬だけもらう方法は?

処方箋医薬品が必要なのにどうしても多忙な場合、病状が安定していれば、病院受診を少なくする方法もあります。
医師の判断で同じ薬を続けて処方してもらう、あるいは病院に出向かずに処方箋を受け取る方法をチェックしてみましょう。

リフィル処方箋

患者さんが病院を受診しなくても、リフィル処方箋を複数回(3回まで)使える制度が2022年4月から始まりました
ただし、医師の設定した一定の期間内で、病状が安定している場合に限られます。

メリットとしては移動や受診にかかる時間、費用の軽減が挙げられるでしょう。
多忙で通院時間をとれない方にとっては、服薬中断のリスクを減らすほか、医療費の負担軽減の効果が見込めます。
対して、受診の機会が減ることによる安心感の低減はデメリットです。

2022年6月に行われたアンケート調査によると、耳鼻咽喉科、内科、皮膚科、小児科などでリフィル処方箋の発行が多いことがわかっています。

オンライン診療

オンライン診察とは、医師がパソコンやタブレット端末などの情報通信機器を使用して診察と診断結果の伝達・処方を行うことです
自宅や外出先にいてもオンラインで医師の診察を受け、処方箋を発行してもらえます。

原則としてかかりつけの医師によって行われること、医師と患者さん双方の同意があることなどの条件がありますが、患者さん側の受診の負担を軽減する効果が期待されるでしょう。
2020年以降オンライン診療を導入する病院は増えたため、かかりつけ医に確認してみるのも一案です。
病院によっては、初診でのオンライン診療の利用も認められています。

処方箋の扱いや薬のもらい方について正しく理解しよう

処方箋に関するルールや、受診の回数を減らして薬を受け取るための方法を解説しました。
処方箋の扱い方を正しく理解していないと、再発行が必要になったり再度受診しなければならなかったりと、余計な時間と費用を使うことになりかねません。
症状がひどく病院に行けない場合や多忙で受診が難しいときは、オンライン診療のほか零売薬局の利用も検討してみてください。

執筆者について

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