処方箋の期限切れや紛失は、必要な薬の処方が受けられなくなるので注意が必要です。
受け取った薬を紛失した場合も、再度処方箋を発行してもらわなければ薬を手に入れられません。
実際に、処方箋の期限が切れたため調剤薬局で受け付けてもらえず、どうすれば良いか悩む方もいることでしょう。
処方箋を紛失したときや、処方箋の期限が切れて使用できないときは、正しい対処が必要です。
今回は、処方箋の期限が切れたり紛失したりしたときの対処法を、ケース別に解説します。
目次
処方箋は再発行できる?
処方箋の有効期限が切れたり紛失したりした場合、診察を受けた病院に申請すれば再発行は可能です。
ただし、1度目の診察ですでに健康保険が適用されているので、再発行は自費で行われます。
自費での再発行は、処方箋の有効期限内であっても同じなので注意してください。
処方された薬を紛失した場合も、相談するのは調剤薬局ではなく処方箋を発行した病院です。
調剤薬局に処方箋の原本があるからといって、再度受け取ることはできません。
保険の適用は、1度の処方に1回のみです。
調剤薬局が勝手な判断で複数回の調剤を行うことはできないので、病院に処方箋の再発行を申し入れましょう。
処方箋の再発行が必要なケースと対処法
処方箋の再発行が必要なケースには、次の例が挙げられます。
- 処方箋をなくした
- 処方箋の有効期限が切れた
- 処方された薬をなくした
どのケースでも手元に薬がありませんから、処方箋の再発行を申請して必要な薬を受け取らなければなりません。
ただし、それぞれの対処法が異なるため、状況にあった判断が必要です。
以下で詳しく解説します。
処方箋をなくした
処方箋そのものを紛失した人は、診察した医療機関へ申し出て再発行を申請しましょう。
この場合、紛失に気がつくまでどのくらい時間が経っているかによって、医療機関の対応や自己負担金額が変わってきます。
例えば、処方箋を有効期限内に紛失した場合は、診察日からさほど日数が経っていないので、診察なしで処方箋のみ再発行できる可能性があります。
しかし、処方箋を紛失したまま有効期限を過ぎた場合は、あらためて診察を受けなければならないので要注意です。
処方箋の有効期限が切れた
処方箋を紛失していなくても、有効期限が切れてしまった場合は、診察した医療機関で再発行を申請してください。
処方箋の有効期限は、診察を受けた日から4日間で、土日や祝日も含みます。
すでに一度現在の症状を診察して処方を受けていても、再発行のための診察は実費です。
以前は、医師からの許可により再発行したケースもありましたが、近年では厚生労働省からの通達もあり、対応が厳しくなりました。
処方箋の有効期限が切れたら、全額自己負担で診察を受け、処方箋の再発行を受けることになります。
処方された薬をなくした
処方された薬を紛失した場合は、診察した医療機関で再診を受けたあと、あらためて処方箋を出してもらい薬を受け取ります。
紛失したとはいえ、一度薬を手にしており、受診から処方までの流れが完結しているため、再診も処方箋の再発行も全額自己負担です。
ただし、薬の紛失は単に置き忘れているケースもあります。
再診と再発行を検討する前に、処方した調剤薬局や帰宅までに立ち寄った場所など、思いあたる場所を探してみましょう。
処方箋の再発行はいくらかかる?
処方箋の再発行にかかる費用は全額自己負担ですが、金額が気になる方もいることでしょう。
実は、処方箋発行にかかる費用は処方される薬の種類や量によって変わるため、金額を明示することはできません。
あえて目安の金額を示すなら、680円程度と考えれば良いでしょう。
確実な金額を知りたい場合は、診察を受けた医療機関の受付でたずねるのがおすすめです。
病院によっては、ホームページで再発行料を記載していることもありますので、気になる方は調べてみましょう。
処方箋の再発行が自費になる理由
「処方箋の再発行費用は全額自己負担」と聞くと、「すでに一度出してくれているのになぜ?」と思う方もいるでしょう。
しかし、処方箋の再発行を無料にすると、「紛失した」と嘘をついて何度も薬を受け取る人が出る可能性があります。
保険適用による再発行を悪用されないために、厚生労働省から全額自己負担での再発行が通達されています。
違法行為防止のほかにも、薬の過剰摂取を防ぐ意味合いもありますので、よく理解して全額自己負担での再発行を申請しましょう。
処方箋再発行は時間・お金の負担が生じるので紛失・期限切れに注意
処方箋を捨てたり紛失したりした場合、診察を受けた医療機関へ申請すれば、お金はかかりますが再発行は可能です。
受け取り完了した薬を紛失したときも、医療機関へ申し出れば全額自己負担で処方箋を再発行してもらえます。
処方箋の有効期限は診察を受けた日を含めて4日間で、期限が切れた処方箋の再発行を受けるためには、診察も全額自己負担で受けなければなりません。
再発行には時間もお金もかかるため、処方箋や受け取った薬の紛失・期限切れに注意しましょう。