医師や歯科医師の指示のもと、患者さんの血液や尿などの検体や身体組織の分析・評価を行う臨床検査技師。
医療現場で重要な役割を担う専門職です。
今回は、臨床検査技師になるために必要な国家試験の受験資格を詳しく解説します。
臨床検査技師に興味がある人、進路に迷っている方もぜひご覧ください。
目次
臨床検査技師の国家試験の受験資格について
臨床検査技師になるには、臨床検査技師国家試験の合格が必要です。
臨床検査技師国家試験の受験資格は、高校卒業後に以下のルートから進路を選ぶ必要があります。
- 大学(医療系の学部あるいは獣医学系・薬学系学部でも可)
- 臨床検査技師養成所
それぞれのルートを選択した際のメリット・デメリットも含め、次の項目で詳しく解説していきます。
また、厚生労働省による臨床検査技師国家試験の概要は、下記サイトをご参照ください。
臨床検査技師の受験資格を得る3つのルートについて
臨床検査技師国家試験の受験資格を得られる3つのルートを、それぞれ詳しく解説します。
大学を卒業して受験資格を得る
大学に進学して臨床検査技師国家試験の受験資格を得るための進路は、以下の2通りあります。
- 大学の医学部・歯学部の正規課程を修了し卒業する
- 大学の獣医学部・薬学部で厚生労働省指定の科目を修了する
臨床検査技師をめざせる大学に関しては、以下の記事をご参照ください。
メリット
大学へ進んで臨床検査技師をめざすメリットは、以下のとおりです。
- 附属病院や連携病院がある場合が多く、実習の機会が多い
- 健康食品管理士や遺伝子分析科学認定士など、他の認定資格取得もめざせる
- 医療機関だけでなく企業の研究職などもめざせ、キャリアの選択肢が広がる
- 学士を修得できる
- 専門的で高度な知識・技術を学ぶことができる
大学ではより専門的な知識や技術を扱うため、認定資格や研究職など将来のキャリアアップを見据えた学習ができることが一番のメリットだといえるでしょう。
臨床実習でも、専門的な学習ができる可能性が高まります。
デメリット
一方、大学へ進むデメリットは以下のとおりです。
- 卒業までに4年間を要し、働き始めるのが短大・専門学校より1年遅くなってしまう
- 一般教養科目など、専門外の科目も履修する必要がある
専門学校と比較すると現場に出るのが1年遅れてしまうため、「なるべく早く実務経験を積みたい」という方にはハンディキャップになってしまうでしょう。
また、専門的な知識を集中して学びたい場合には、専門外の科目の履修は負担に感じる可能性もあります。
専門学校・短大を卒業して受験資格を得る
専門学校や短大を経由して臨床検査技師国家試験の受験資格を得るには、いずれも学校に3年以上通って必要単位を取得 する必要があります。
メリット
専門学校や短大を経る場合のメリットは以下のとおりです。
- 国家試験のための専門的な勉強に集中できる
- 大学へ進学した場合と比較して1年早く現場で働くことができる
- 比較的入学しやすい
大学と比較すると入学のハードルが低い傾向にあること、1年早く働き出せることがメリットとなります。
デメリット
専門学校や短大に進む場合のデメリットは以下のとおりです。
- カリキュラムがタイトで自由度が低い
- 入学後の進路変更が難しい
- 学士の修得ができないため、就職先の選択肢が限られる
最短3年間で必要科目を履修しなければならないため、必然的に時間割がタイトになります。
友人と遊んだりアルバイトをしたりといった、自由な時間が少なくなってしまうこともあるでしょう。
また、入学後に進路を変更したい場合にはあらためて他の学校に入学し直さなければならないので、進路変更には時間やお金がかかります。
さらに学士が取得できない分、大学に比べて就職先の選択肢が限られるかもしれません。
その他の場合の受験資格
外国の学校で臨床検査技師になるための勉強をした人、あるいは臨床検査技師に相当する免許を受けた人で、日本で学んだ人と同等以上の知識・技術を有すると厚生労働大臣に認められた人も、臨床検査技師国家試験の受験が可能です。
希望者による申請書類の提出をもって、認定基準に基づいた書類審査が行われます。
認定基準の詳細は以下のリンクをご参照ください。
受験資格を確認して、臨床検査技師をめざそう
臨床検査技師国家試験の受験資格は、大学や短大・専門学校で必要科目を履修し、定められた課程を修了することにより得られます。
また、外国で同等の課程を修了し、日本の厚生労働省により認められた人も受験が可能です。
進路により受験資格を得るまでに必要な年数や将来の就職先の幅が異なります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分に合った進路を探してみましょう。