
正看護師の手取り給料について、「年齢や経験年数によってどれくらい差があるのだろう」と悩んでいませんか。
本記事では、厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査に基づき、正看護師の手取り給料を解説します。
男女別・勤務先規模別・年齢別・経験年数別に手取り給与額の目安を紹介しますので、正看護師の手取りの実態を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
正看護師の平均手取り給料はいくら?
正看護師の平均手取り給与額は、次のとおりです。
平均手取り年収 | 平均手取り月収 | 平均手取り賞与 | |
正看護師 | 413万円 | 29万円 | 69万円 |
正看護師の手取り給料の簡単な計算方法
給料の手取り額を計算するには、支給額から社会保険料や源泉徴収税(所得税)などを差し引く必要があります。
しかし、実際に正確な金額を計算するのは簡単ではありません。
そのため、手取りを「総支給額×0.8」で計算する簡易的な方法がおすすめです。
計算方法の一例は次のとおりです。
- 月収:額面34万円×0.8=手取り27万円
- 賞与:額面85万円×0.8=手取り68万円
扶養家族の有無などによっても手取り額は変わるため、あくまで目安としてとらえましょう。
【条件別】正看護師の平均手取り給料
ここでは、厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査を参考にして、「男女別・規模別・年齢別・経験年数別」の正看護師の平均手取り給与額を解説します。
なお、次の条件で手取り額を計算します。
- 社会保険料・源泉徴収税(所得税)・雇用保険を差し引く
- 住民税は都道府県により異なるため差引額に含まない
- 扶養親族なし
【男女別】平均手取り年収・月収・賞与
男女別の平均手取り年収・月収・賞与の額は、それぞれ次のとおりです。
性別 | 平均手取り年収 | 平均手取り月収 | 平均手取り賞与 |
男性 | 425万円 | 29万円 | 72万円 |
女性 | 410万円 | 29万円 | 68万円 |
【規模別】平均手取り年収・月収・賞与
規模別の平均手取り年収・月収・賞与は、次のとおりです。
規模 | 平均手取り年収 | 平均手取り月収 | 平均手取り賞与 |
10~99人 | 363万円 | 26万円 | 51万円 |
100~999人 | 399万円 | 28万円 | 64万円 |
1,000人以上 | 445万円 | 30万円 | 79万円 |
【年齢別】平均手取り年収・月収・賞与
年齢別の平均手取り年収・月収・賞与の額は、それぞれ次のとおりです。
年齢別 | 平均手取り年収 | 平均手取り月収 | 平均手取り賞与 |
20歳~24歳 | 323万円 | 24万円 | 36万円 |
25歳~29歳 | 381万円 | 27万円 | 60万円 |
30歳~34歳 | 394万円 | 28万円 | 64万円 |
35歳~39歳 | 411万円 | 28万円 | 70万円 |
40歳~44歳 | 435万円 | 30万円 | 76万円 |
45歳〜49歳 | 441万円 | 30万円 | 77万円 |
50歳〜54歳 | 449万円 | 31万円 | 81万円 |
55歳~59歳 | 457万円 | 31万円 | 84万円 |
60歳〜64歳 | 382万円 | 27万円 | 60万円 |
65歳〜69歳 | 345万円 | 25万円 | 41万円 |
70歳〜 | 306万円 | 23万円 | 30万円 |
出典:職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和3年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
【経験年数別】平均手取り年収・月収・賞与
経験年数別の平均手取り年収・月収・賞与の額は、それぞれ次のとおりです。
経験年数 | 平均手取り年収 | 平均手取り月収 | 平均手取り賞与 |
0年 | 259万円 | 21万円 | 7万円 |
1~4年 | 332万円 | 23万円 | 57万円 |
5~9年 | 359万円 | 24万円 | 65万円 |
10~14年 | 383万円 | 26万円 | 73万円 |
15年以上 | 423万円 | 28万円 | 82万円 |
出典:職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|令和3年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
正看護師の手取り給料を増やす方法
ここからは、次の項目に沿って正看護師が手取り給料を増やす方法を解説します。
- 夜勤を増やす
- 資格を取得する
- 昇進をめざす
- 転職をする
自分にあった手取り額アップ方法を見つけましょう。
1.夜勤を増やす
夜勤を増やせば額面が増えて、手取り額も上がります。
夜勤手当は、看護師の給料のなかで大きな割合を占めるためです。
実際に、日本看護協会が行った2020年病院看護実態調査報告書を参考にすると、一回の夜勤につき大体以下の額の手当がつくとされています。
- 三交代制夜勤:1回約5,000円
- 二交代制夜勤:1回約11,000円
しかし、夜勤は身体への負担も大きいです。
上司と相談して、無理のない範囲で夜勤を増やしてみましょう。
2.資格を取得する
認定看護師や専門看護師など、専門性を高める資格を取得すれば、資格手当などが受け取れて手取り額も上がる可能性があります。
しかし、認定看護師・専門看護師を取得するためには、例として以下のような要件が求められ、さまざまな知識や経験が必要です。
- 通算5年以上の実務研修
- 3年以上の実務研修
これらの上位資格は簡単に取得できるものではないため、手取り額アップのみを目的とする方にはあまりおすすめではありません。
あくまでも、看護師としてのキャリアアップを目的としている人におすすめです。
3.昇進をめざす
経験を重ねて役職に昇進すれば役職手当がつくため、手取り額が上がります。
前項で紹介した年齢別や経験年数別の手取り給与額を見てみると、年齢や経験年数を重ねるにつれて金額が上がっているのがわかります。
これは、キャリアの継続とともに昇進し、給与アップするケースが多いためと考えられるでしょう。
しかし、主任看護師や看護師長、看護部長になるには、勤続年数や経験などを積む一定の期間が必要です。
すぐに手取り額を上げたいわけではなく、看護師として着実にステップアップしながら、同時に収入も上げていきたいという方におすすめします。
4.転職をする
環境を変えてでも、今すぐ確実に手取り額を上げたい方には、転職がおすすめです。
待遇の良い職場に転職すれば、額面が増え手取り額も上がるためです。
転職には、事前に給与や待遇を確認できるメリットもあります。
退職前に転職先を見つけておくなど、効率良く転職活動をしましょう。
正看護師の手取り給料の実態を知ろう
看護師の手取り給与額の平均は月収29万円、年収413万円という結果になりました。
しかし、看護師の手取りは勤めている病院や経験年数、年齢などにより大きく変わります。
いち早く手取り額を上げたいのであれば、夜勤を増やしたり転職したりすることをおすすめします。
キャリアアップとともに着実に手取りを上げたいのであれば、昇進や資格取得をめざしましょう。