
理学療法士をめざすために高校生に必要な科目は、受験する養成校によって異なります。
例えば、国公立大学では、共通テストや2次試験の受験科目を考慮しなければいけません。
本記事では、養成校を受験するために必要な科目の選び方を紹介します。
また、養成校に入学後に役立つ科目は、物理や生物、英語、国語が挙げられます。
それぞれの科目が必要な理由を解説するので、高校生で選択する場合の参考にしましょう。
目次
高校生が理学療法士養成校を受験をするために必要な科目
理学療法士の養成校を受験するために必要な科目は、どの養成校を受験するかによって異なります。
ここでは、高校生が理学療法士の養成校を受験する場合に必要な科目を紹介します。
国公立大学の受験にはどの科目もバランスよく学ぶ必要がある
理学療法士の資格が取得できる国公立大学を受験するためには、共通テストを受ける必要があります。
共通テストには英語、国語、数学だけでなく、大学によって理科の複数科目や地理歴史、公民が受験科目に含まれるため、偏りのない学習が必要です。
例えば、群馬大学の医学部保健学科では、共通テストで外国語(英語・ドイツ語など)を1科目と国語、理科(生物・物理・化学)のうち2科目、数学を2科目、地理歴史・公民のうち1科目を受験する必要があります。
一方、神奈川県立保健福祉大学では、理科は生物・物理・化学から1科目選択、数学はIAのみと共通テストで必要な科目数が少ない学校もあります。
国公立大学でも大学によって共通テストで受験すべき科目が異なるので、目標の大学がある場合は事前に確認し、高校での選択科目に注意しましょう。
養成校によっては理系科目が不要な場合もある
私立大学や専門学校は、国公立大学に比べて受験に必要な科目数が少ない場合があります。
文系の科目のみの受験が可能な養成校を受験する場合は、理系科目を選択する必要はありません。
例えば日本リハビリテーション専門学校の一般入試では、国語が必須科目で、数学か英語のいずれかを選択可能です。
また、小論文や面接に文系科目を組み合わせた受験方法や、書類選考や面談のみで受験方法を設ける養成校もあります。
以上のように、養成校によっては受験に理系科目が不要なので、受験だけを考えると理系科目を重視しない選択も可能です。
受験校の選択肢を広げるためには数学Ⅲや理科の複数科目も必要
理学療法士の資格が取得できる国公立大学の受験は、共通テストや2次試験で数学Ⅲや理科の複数科目が必要になる場合があります。
行きたい大学で上記科目が必要な場合は、高校で理系に所属して数学Ⅲや理学の複数科目を学ぶことが大切です。
北海道大学や京都大学を例に挙げると、共通テスト・2次試験ともに理科を2科目選択する必要があります。
また2次試験では、数学Ⅲが必要です。
受験校の選択肢をできる限り広げたい場合は、数学Ⅲや理科の複数科目が選択できるよう科目を考慮しましょう。
理学療法士の養成校入学後に必要な科目
理学療法士の養成校入学後に必要な科目として、以下の科目が挙げられます。
- 生物
- 物理
- 英語
- 国語
それぞれの科目がなぜ必要になるか紹介します。
生物・物理|理科の選択科目におすすめ
入学後の学習を考えると、理科の選択科目では、物理と生物がおすすめです。
理学療法士の専門知識を身につけるために、両科目が必要な理由を解説します。
生物は人体の解剖学や生理学の理解に役立つ
理学療法士は筋肉や骨、内臓など人体の構造を理解するために、解剖学の知識が必要になります。
また、筋肉や心臓などの機能を学ぶ生理学の知識も大切です。
理学療法士の国家試験でも、解剖学や生理学の知識が必要になります。
高校で生物を選択して、解剖学や生理学の基本となる知識があれば、入学後の学習がスムーズに進められるでしょう。
物理は運動学や物理学の理解に役立つ
物理の知識があれば、養成校で学ぶ運動学や物理学の授業を理解しやすくなります。
理学療法士は身体の動く仕組みを理解するために、運動学を学ぶ必要があります。
また、理学療法士の治療の一つに物理的な刺激を利用する物理療法があり、物理学の理解が重要です。
高校で学ぶ物理では、運動学や物理学の土台になる知識を学ぶことができます。
養成校での専門的な授業を理解しやすくするために、高校の理科は生物と物理を選択しましょう。
英語・国語|文献閲覧に役立つ
養成校の授業や実習では、医学の専門書や文献で学ぶ機会があります。
レポートや論文を作成する場合も少なくありません。
国語力があれば文献閲覧やレポート・論文の作成に役立ちます。
コミュニケーション力も理学療法士には必要なので、国語力を高めるのは良いことです。
また、文献には英語のものがあるため、英語の知識も有効です。
理学療法士としての専門知識を世界の文献から幅広く学ぶために、英語や国語の知識を深めましょう。
理学療法士になるために高校生が必要な科目は受験する養成校によって異なる
理学療法士の養成校を受験したり、養成校入学後に学習したりするうえで、高校で学ばなければいけない科目が決まっているわけではありません。
しかし受験する養成校によっては、必要な科目が決まっている学校もあります。
自分がめざす養成校を事前にしっかり調べて、必要に応じて必要な科目を選択するようにしましょう。
また、養成校では生物や物理を応用した専門的な授業があったり、国語や英語を生かした論文閲覧や文章作成をしたりします。
入学後を見据えて、上記の科目に力を入れることも検討してみましょう。