鍼灸師は、はりやお灸で身体のツボへ働きかけ、体調を整え、健康維持を助ける仕事です。
鍼灸師という国家資格はなく、はり師・きゅう師の2つの国家資格を持つ人が鍼灸師と呼ばれます。
本記事には、はり師・きゅう師それぞれの国家試験について、試験日程や合格発表日、受験資格、試験科目などを掲載しています。
目次
鍼灸師の国家試験情報
鍼灸師になるには、はり師ときゅう師、それぞれ独立した国家試験を受け合格する必要があります。
各試験の詳細を以下で解説します。
はり師の国家試験情報
まずは、はり師の国家試験について、日程や受験資格、試験科目などの詳細を見ていきましょう。
試験日程
はり師の国家試験は年に1回で、毎年2月下旬頃に行われます。
ちなみに、2022年の試験日程は2月27日、2021年は2月28日でした。
受験の申し込み時期は、前年の12月前半頃です。
2022年の場合は、2021年12月1日~17日の間に受験手続きをして、年明け2月27日に国家試験を受ける流れでした。
試験日程の時期と合わせて、申し込み時期も覚えておくと良いでしょう。
合格発表日
はり師国家試験の合格発表は、試験日から約1ヵ月後に行われます。
2022年2月27日に行われた試験では、2022年3月25日の午後2時に発表されました。
合格者発表は、厚生労働省ホームページ、または公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページで確認できます。
受験資格
はり師の国家試験は、次の条件を満たしている人が受験できます。
- 文部科学大臣が認定した学校で3年以上学び、知識と技術を習得した人。
- 厚生労働大臣または都道府県知事が認定する養成施設で3年以上学び、知識と技術を習得した人。
- 視覚障害があり、高校に入学できる人で、文部科学大臣が認定した学校または厚生労働大臣が認定した養成施設で5年以上学び、知識と技術を習得した人。
学校を卒業していなくても、すでに3年以上学んでいて、受験する年の3月に卒業見込みであれば受験可能です。
試験科目
はり師国家試験で受験する科目は、次の14項目です。
- 医学史をのぞく医療概論
- 衛生学・公衆衛生学
- 関係法規
- 解剖学
- 生理学
- 病理学概論
- 臨床医学総論
- 臨床医学各
- リハビリテーション医学
- 東洋医学概論
- 経絡経穴概論
- はり理論
- 東洋医学臨床論
上記の科目のうち、はり理論をのぞく12項目がきゅう師の試験と共通しています。
そのため、鍼灸師をめざす人のなかには、はり師ときゅう師の国家試験を同時に受験する人も珍しくありません。
試験はマークシート方式となっており、午前と午後で90問ずつ出題されますが、はり師ときゅう師を同時に受験する人は、午後の問題数が10問少なくなります。
はり師ときゅう師の試験を同時に受けるのなら、受験願書で共通科目の試験免除を申請してください。
対策としては、できるだけ多くの過去問を解くのがおすすめです。
きゅう師の国家試験情報
次に、きゅう師の国家試験についても日程や受験資格、試験科目などの詳細を確認していきましょう。
試験日程
きゅう師の国家試験は年に1回で、毎年2月下旬、はり師と同じ日に実施されます。
2022年は2月27日、2021年は2月28日と、やはりはり師の試験と同日に行われました。
受験願書の受付期間は、毎年12月の上旬から中旬にかけてです。
2022年2月27日に行われたきゅう師の国家試験を例に挙げると、願書の受付期間は2021年12月1日〜17日まででした。
願書の提出時期と試験の実施時期は、毎年ほとんど変わらないので、12月上旬に願書、年明け2月下旬に試験と覚えておきましょう。
合格発表日
きゅう師国家試験の合格発表日は、はり師と同じく試験日から約1ヵ月後です。
2022年の国家試験を例に挙げると、試験が行われた2月27日の約1ヵ月後、3月25日の午後2時に合格発表が行われました。
合格者には後日、試験成績等通知書と合格証書が郵送されますが、最短で合否を知りたい人は、厚生労働省か公益財団法人東洋療法研修試験財団のホームページを確認してください。
受験資格
きゅう師の国家試験は、次の条件を満たしている人が受験できます。
- 文部科学大臣が認定した学校で3年以上学び、知識や技術を身につけた人。
- 厚生労働大臣や都道府県知事が認定した養成施設で3年以上学び、知識や技術を身につけた人。
- 視覚障害があり、高校に入学できる人で、文部科学大臣が認定した学校もしくは厚生労働大臣が認定した養成施設で5年以上学び、知識や技術を身につけた人。
きゅう師の国家試験もはり師と同じく、受験する年の3月に卒業見込みであれば、学生でも受験可能です。
2022年のきゅう師試験では、2022年3月14日までに修業または卒業見込みの人と定められていました。
試験科目
きゅう師の国家試験科目は、ほとんどがはり師と共通しています。
くわしい試験科目は次のとおりです。
- 医学史をのぞく医療概論
- 衛生学・公衆衛生学
- 関係法規
- 解剖学
- 生理学
- 病理学概論
- 臨床医学総論
- 臨床医学各論
- リハビリテーション医学
- 東洋医学概論
- 経絡経穴概論
- きゅう理論
- 東洋医学臨床論
はり師の試験科目と比較すると、きゅう理論以外ほとんど変わりません。
勉強する内容が重なっているので、はり師ときゅう師の試験は同時に受験しやすくなっています。
鍼灸師になるには、はり師ときゅう師、両方の資格が必要なので、可能であれば同時受験をめざすのがおすすめです。
鍼灸師の国家試験に落ちないために早めに準備しよう
鍼灸師になるためには、はり師ときゅう師、両方の国家資格が必要です。
はり師もきゅう師も毎年1回、2月下旬頃に国家試験が行われ、同時に受験すればどちらか片方の試験科目が一部免除されます。
国家試験の時期と、同時受験による試験科目の一部免除、この2つを頭に入れておくと、試験対策もスムーズに行えます。
試験科目の内容も毎年ほぼ同じなので、効率よく勉強して、同時受験、同時合格をめざすと良いでしょう。
鍼灸師の国家試験をもっとくわしく知りたい人は、以下のページもご参照ください。