介護福祉士として就職・転職をする際、応募書類として履歴書の準備が必要になります。
介護職は資格や研修など免許や資格欄に書くことも多く、経歴や志望動機だけでなく資格の書き方に困ってしまう方も少なくありません。
そこで本記事では、介護福祉士の履歴書の書き方を項目別に解説します。
志望動機の例文も紹介しているため、参考にしながら印象の良い履歴書を作成しましょう。
目次
介護福祉士の履歴書で応募先が注視するところ
履歴書を書くときは、応募先の視点に立って考えることが大切です。
介護福祉士の履歴書では、応募者の人間性はもちろん企業との相性も見られています。
応募先が履歴書のなかで特に注視するポイントを確認しましょう。
人間性
応募先は履歴書を見ることで、応募者の人間性に問題がないかをチェックしています。
介護職は利用者さんとの距離が近いため、人間性に問題がある人材を採用すると、企業や施設のイメージ・評価を下げることにつながりかねません。
履歴書の書き方が間違っている、誤字脱字がある、志望動機が浅いなど、雑な履歴書はそのまま応募者の人間性として悪い印象を与えてしまいます。
信頼に値する人間であることが伝わるよう、誠意ある履歴書をめざしましょう。
双方の相性
履歴書の内容から、企業と応募者にミスマッチがないか双方の相性を確認されます。
企業が求めている人材であることを確認するのはもちろん、応募者側のミスマッチによる早期離職などを防ぐためにも相性の良し悪しは大切です。
介護職の資格やスキルだけでなく、応募者の希望や入社後の抱負が自社で叶えられるか、また自社への通勤は困難ではないかなどの細かい部分も見定められます。
【項目別】介護福祉士の履歴書の書き方
介護福祉士の履歴書では、一般的な項目に加えて資格や研修など記載することも多いため、「どのように書くべきか迷う」という箇所もあるでしょう。
ここからは履歴書の項目別に正しい書き方を紹介します。
基本記入項目
【日付】
履歴書の上部にある日付の書き方は、履歴書の提出方法によって異なります。
作成日ではないため注意してください。
手渡し | 郵送 | メール |
提出日 | 投函日 | 送信日 |
面接時に提出する場合などは、何月何日になるか予定を確認したうえで記入しましょう。
また履歴書全体で和暦・西暦などの年号を統一するようにします。
【氏名・住所など】
氏名は戸籍どおりに書く必要があり、難しい字や旧字体なども戸籍の表記にならって記載しなければなりません。
住所も略さず、都道府県から正確に書きましょう。
またふりがな欄を埋めるときは、履歴書にある「ふりがな/フリガナ」の表記どおりに平仮名または片仮名で記入してください。
電話番号は携帯か固定電話のどちらでも問題ありませんが、つながりやすいものにします。
【証明写真】
証明写真は直近3ヵ月以内に撮影したものが望ましく、最長でも6ヵ月以内のものを使いましょう。
大きさは縦40mm×横30mmが一般的です。
剥がれたときのために裏面に氏名を書いて、両面テープやスティックのりで貼り付けます。
履歴書を書き直す可能性も考慮すると、証明写真は最後に貼るのがおすすめです。
経歴欄
履歴書の経歴欄では、学歴と職歴を記載します。
記入欄が学歴と職歴で一緒になっている場合、書き始めの行の中央に「学歴・職歴」と見出しを記載して、次の行から書き出しましょう。
学歴は中学校卒業から「〇〇大学〇〇学部〇〇学科 卒業」のように正式名称を省略せずに書きます。
職歴も学歴と同じく(株)のように省略せず、所属していた部署や担当業務まで記載すると丁寧です。
基本的には正社員・契約社員・派遣だけで問題ないものの、介護福祉士に関する経歴があればパート・アルバイトでも書いておくと良いでしょう。
免許・資格欄
免許や資格欄に記載するのは基本的に資格のみですが、介護職では研修も資格のように扱うことがあるため、初任者研修なども記載するのがベターです。
国家資格である介護福祉士はそのまま「介護福祉士」、初任者研修の場合は「介護職員初任者研修課程 修了」とします。
実務者研修が済んでいる方は「介護福祉士実務者研修課程 修了」と記載しましょう。
記入例は以下のようになります。
年 | 月 | 免許・資格 |
平成30 | 5 | 介護職員初任者研修課程 終了 |
令和3 | 12 | 介護福祉士実務者研修課程 修了 |
令和5 | 3 | 介護福祉士 取得 |
免許や資格は、正式名称で取得順に書きましょう。
所持資格が多く入り切らない場合は、応募先の業務に関係がある優先度の高いものから記載します。
また、資格の記入欄にある日付は登録日ではなく、合格証書や登録証にある取得日(合格日)を記入する点に注意してください。
本人希望欄
履歴書の本人希望欄には、働き方や勤務地について企業に伝えておきたいことがある場合に記載します。
ただし、待遇面の要望を履歴書でアピールするのは印象が良くないため、選考が進んでから交渉すると良いでしょう。
例えば、在職しながらの転職活動で電話に出られない時間帯がある方などは、連絡が取りやすい時間帯を書いておくと安心です。
書くことがない場合でも「特になし」とはせずに、「貴社規定に従います」と記入します。
【介護福祉士向け】履歴書の志望動機・自己PRの書き方
履歴書の志望動機と自己PRを書くときは、結論が始めにわかるように「志望理由+エピソード+入社後のビジョン」の流れで構成するのが基本です。
私が貴社を志望したのは、介護福祉士としてより幅広い業務に携わりたいと考えたからです。
介護福祉士の資格取得を機に、より専門性を高めたいと考えていたところ、貴社にめぐり合いました。
貴社では介護福祉士としての業務が多岐にわたるほか、研修制度も充実しており、知識と技術を磨きながら自分を高められると感じました。
入社後は、私の強みである常に学び続ける姿勢を活かし、スキルアップしながら多くの人の役に立つ仕事ができるよう精進していきたいと考えています。
志望動機と自己PR欄が別の場合は、一貫性のある内容で情報量を変えるなどして差別化しましょう。
介護福祉士ならではの履歴書は書き方に注意して自信を持って書こう
介護福祉士の履歴書では、応募者の人間性や自社との相性が確認されます。
特に介護職は利用者さんとの距離が近いため、人柄を重視されやすいのが特徴です。
面接でアピールする以前に、履歴書で印象が決まってしまう可能性もゼロではありません。
重要な選考要素の一つであることを認識したうえで作成に取りかかりましょう。
履歴書の基本項目はもちろん経歴や資格欄、また本人の希望欄においても適切な書き方があるため、それらを念頭に置いて誠意が感じられる履歴書をめざしてください。