就職活動をするうえで、理想の看護師像の説明が求められることがあります。
「理想の看護師像が見つからない、わからなくて困っている」
そんな人も多いのではないでしょうか。
本記事ではこれから就職活動をされる方向けに、理想の看護師像の見つけ方をはじめレポートやESの書き方を紹介します。
この記事を読んで、説得力のあるレポートを作成するための参考にしてください。
目次
なりたい看護師像の見つけ方
看護観という言葉を耳にしたことがある方もいると思いますが、看護観は患者さんにどのような看護がしたいのかといった理想の姿、いわゆるなりたい看護師像のことを指します。
ここでは、なりたい看護師像の見つけ方について紹介していきます。
見つけ方は以下の3つです。
- どのような看護師にケアをされたいか患者さん目線で考える
- 看護師として実際に働いている自分を想像して考える
- 看護師として働いている人の話を聞く
どのような看護師にケアをされたいか患者さん目線で考える
自分が患者さんだとして、どのような看護師にケアをされたいか考えると、理想の看護師像が自然と思い浮かぶことがあります。
自分の体調が悪いときにどのようにされるとうれしいかなど、シチュエーションを具体的に想像すると良いでしょう。
また、自分の家族もしくは自分が入院や受診をしたときの、患者さんとしての経験を踏まえて考えてみるという方法もあります。
看護師として実際に働いている自分を想像して考える
自分が看護師として働いた場合のことを想像して考えるという方法もあります。
これまでの実習経験や体験談をもとに、自分の良いところやもっと伸ばしたいところに着目し、想像してみましょう。
また、希望の病院など医療施設について、診療科の対象疾患や必要になると予測される看護ケアの具体的知識をつけて考えるのも良いでしょう。
看護師として働いている人の話を聞く
看護師として働いている、もしくは働いていた人の話を聞いて、理想の看護師像を思い描くという方法もおすすめです。
看護現場未経験の人が、自分の想像のみで考えることには限界があります。
現場のリアルを知る人から良い話、楽しい話、つらい話などをきくことで、現場の雰囲気がわかり具体的に考えられるようになるでしょう。
理想の看護師像の例
ここからは理想となるような看護師像をいくつか紹介します。
紹介するのは以下6つの看護師像です。
- 患者さんに寄り添うことのできる看護師
- いつでも声をかけやすい看護師
- いつも笑顔で患者さんに接することのできる看護師
- 患者さんの個別性に応じた看護を提供できる看護師
- 患者さん・同業者に頼りにされる看護師
- いざというときに瞬時に判断・決断のできる看護師
患者さんに寄り添うことのできる看護師
患者さんに寄り添う力は看護師としてとても大切になってきます。
病院は体を治すところですが、看護師の役目としては、治療を受ける患者さんの体のケアを行うだけでなく、心のケアも意識しながら働くのが良いでしょう。
治療のなかには苦痛や恐怖をともなうものもあるため、看護師が患者さんの気持ちを受けとめ、寄り添いながら必要なケアを提供できるのが理想的です。
いつでも声をかけやすい看護師
いつでも声をかけやすい看護師を理想に掲げることもできます。
気を遣う患者さんの場合、「忙しそうだから今はやめておこう」と自ら看護師に声をかけるのを控えてしまうこともあるでしょう。
普段からコミュニケーションをしっかり取って、患者さんと信頼関係を構築できるよう、意識して患者さんと関わる必要があります。
いつも笑顔で患者さんに接することのできる看護師
いつでも笑顔で接することができる看護師も理想として良いでしょう。
看護師は常に時間に追われており、何かミスをすると場合によっては患者さんの生命や予後に関わることもある職業です。
そのため、心の余裕が失われてしまうときがあります。
そういった厳しい状況のなかでも、いつでも笑顔で患者さん・ご家族の対応を行うことができる看護師は、一つの理想の形となるでしょう。
患者さんの個別性に応じた看護を提供できる看護師
診療科や働く施設によって偏りはありますが、看護師は老若男女を問わず患者さんと関わります。
そのため、患者さんの個別性に応じた看護を提供することが必要です。
具体的には発達段階、既往歴、職歴、家族構成、体格などが挙げられます。
個別性に応じた完璧な看護を実際に考え、提供することはとても難しいものです。
しかし、理想としてこれを掲げておくことは、良い目標になるでしょう。
患者さん・同業者に頼りにされる看護師
患者さん・同業者に頼られる看護師も理想的な看護師像の一つです。
医療は患者さんを中心として繰り広げられるため、患者さん・ご家族との信頼関係の構築も大切です。
それと同等に、同業者との信頼関係の構築も大事になってきます。
患者さんに質の高い医療を提供するには、同業者間で綿密にコミュニケーションを取り、困ったことがあればなんでも言いやすい環境が必要です。
そのため、周りと協力しながら正しい知識を活用し頼られる存在になることをめざしましょう。
いざというときに瞬時に判断・決断のできる看護師
命に関わる現場で働くことも多いため、緊急時には瞬時に判断・決断のできる看護師を目標として努力するのも良いでしょう。
いざというときに何をすべきか、医師が来るまでに何を用意しておけば良いかなどを、頭のなかで考えながら行動できるようになると、周囲からも頼られる看護師になります。
一手先を見据えた判断ができる看護師をめざすことも、選択肢の一つとして良いでしょう。
レポートやエントリーシートへの看護師像の書き方
理想の看護師像について、レポートやエントリーシートへの書き方を紹介します。
文章の大まかな流れとしては、以下のような構成が理想です。
- 理想の看護師像を書く
- 具体的なエピソードを書く
- 自分の看護師像と病院の求める看護師像が一致することを書く
- 今後のことについて書く
まずは理想の看護師像を書く
まず、自分が理想とする看護師像を簡潔に一文書きます。
最初に結論を伝えることで、相手は結論がわかったうえで先を読み進めていけます。
結論がないまま内容を書くと、結局何を伝えようとしているのかを考えながら読み進める必要があるため、結論は冒頭で一言にまとめておくのがおすすめです。
例文として、以下のように簡潔にまとめると良いでしょう。
具体的なエピソードを書く
2文目以降には、具体的なエピソードを書いていきます。
どうして結論で述べたような看護師像をめざすようになったのか、何かきっかけはあるのか、具体的なエピソードを交えて書きましょう。
もし理想とする看護師が実際にいる場合は、その人がどのようなことをしていたのかなどを具体的に書くと良いです。
例文として以下のようにエピソードを交え、一貫性を持たせてまとめるのがおすすめです。
特別たくさん話をしたわけではありませんが、気にかけてくれてるという安心感が生まれ、無事に入院生活を終えることができました。
自分の思う看護師像と病院の求める看護師が一致することを書く
自分の看護観が生まれるきっかけとなったエピソードを書いたあとは、自分の理想とする看護師像と就職先の求める看護師が、一致するということをアピールする必要があります。
事前に就職先の求める看護師や理念を確認しておきましょう。
例文として、以下のような文章で病院の姿勢と自身の思いが一致することをアピールします。
貴院に就職後、安心・安全を考えながら看護の提供ができるよう努力したいと思います。
今後どうしたいかを書く
就職したあと、自分は今後どうしたいかを書きます。
このときに意欲的な姿勢をみせることが大切です。
自分の気になる診療科や勉強したいこと、また資格取得をめざしていることなどを伝えるのがおすすめです。
例文として、以下のような文章でこれからも自分は努力を継続するという意思表示をしましょう。
入職後は教育プログラムをうまく活用しながら自己練習を行い、技術に磨きをかけていきたいと思います。
目標とする看護師像を明確にし、思いをしっかり伝えよう
理想の看護師像を見つけるための方法、理想の看護師の例、レポートやESで理想の看護師像について記載を求められたときの書き方について紹介しました。
理想の看護師像を決めないまま就職しても、目標が持てずうまくいかなくなる可能性があります。
今は理想の看護師像を見つけることが大変かもしれませんが、就職後の自分のためと思って理想の看護師像は明確にしておきましょう。
本記事内で紹介した書き方を参考にして、思いをしっかり伝えてください。