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看護師に必要な能力とは?働くうえで大切なこと・必要なスキル

この記事の監修者
川俣貴子
【資格】
看護師

【プロフィール】
東北福祉大学卒業後、看護師として循環器を含む総合病院で働いています。医療系ライターと看護師を励行中です。

看護師として働きはじめた人や、看護学校で実習をしている人のなかには、そもそも自分は看護師に向いているのかと不安になっている人がいることと思います。
もしかすると、看護師が向いていないのではなく、今の職場や実習先が向いていないだけかもしれません。

そこで、自分が看護師に向いているか不安に感じている方へ、必要な能力を解説します。
どのような能力が必要かわかれば、自分がどうすれば良いかが明確になるでしょう。

看護師にはさまざまな職場があるため、自分が持っている能力を活かせる職場を選べます。
自分に合った職場を見つけるために参考にしてみてください。

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看護師として大切なこと・必要な能力7選

看護師として大切なこと・必要な能力7選

看護師に必要な能力を挙げていきます。
すべて兼ね備えている人は少ないと思われますが、仕事をしていくうえで必要となる能力です。
自分の得手不得手を明確にして、得意な部分は伸ばし、不得意な部分は補えるようにしましょう。

コミュニケーション能力

看護師間はもちろん、患者さんやそのご家族、チーム医療による他職種連携など、さまざまな場面でコミュニケーションが求められます。
円滑にコミュニケーションがとれる人は、スムーズに業務ができるようになり、信頼される看護師になれるでしょう。

患者さんとのコミュニケーション

医療従事者のなかで特に看護師は、長く患者さんと接し、会話をする機会も多くあります。
患者さんの情報収集の際にも、患者さんとのコミュニケーション能力が求められます。

患者さんとうまくコミュニケーションを取るためには、信頼してもらうことが大事です。
だれも信頼していない人に心を開いて話そうとは思わないでしょう。

信頼してもらうためには、医療や看護を的確に行うことはもちろんですが、患者さんに寄り添うことが大切です。
患者さんの思いを汲み取る姿勢で、笑顔で話しやすい雰囲気を作って接するよう心がけてみてください。
患者さんが寄り添ってもらえていると感じれば安心して心を開いてもらえるでしょう。

医療チームや同僚とのコミュニケーション

看護師は看護師同士、医師、管理栄養士、検査技師など、さまざまな医療従事者や他職種と関わる機会があります。
他職種とカンファレンスする際は、看護師が情報共有・情報交換の要になり、調整役を務めることもあるでしょう。

また看護師同士のコミュニケーションは、業務をミスなく安全にこなすためのキーポイントです。
例えば病棟勤務でチーム制の場合、リーダーへの報連相やメンバー同士で声をかけ合って業務を進めます。

コミュニケーションがうまくいかないと、連携が取れずスムーズに業務が進まなくなるでしょう。
さまざまな人とうまくコミュニケーションを取り連携して、患者さんの回復に努めていくことが求められます。

観察眼

看護師には的確に観察できる力が必要です。

看護師は患者さんのわずかな体調の変化に気付き、状態観察を行いアセスメントし、医師に報告します。

変化に気付くためには、バイタルサインの正常値や異常値、患者さんが使用している薬の副作用や、疾患の症状を知っていなくてはなりません。
患者さんの全身を観察し、知識をもとに今報告が必要かあとでも大丈夫なのかを判断します。
観察力を養っていくことで、より安全に患者さんの健康管理ができ、状態悪化を免れます。

新人の頃は症状を見逃してしまい落ち込むこともありますが、たくさんの症例を経験していくうちに、徐々に観察力がついてくるでしょう。
観察力は知識と経験を積むことで伸ばせます。

判断力

看護師には患者さんの状態と状況を判断し、優先順位を考えられる能力が必要です。
例えば病棟の場合、日勤は7人、夜勤は十数人の患者さんを一人で受け持ちます。
一人ひとり違う疾患や治療経過の患者さんたちの状態を判断し、優先順位をつけて行動しなくてはいけません。

業務開始前に大体の流れを決めますが、予定どおりにいかないのが医療現場です。
臨機応変に優先順位を変え、他のメンバーに助けを求めながら業務を進めましょう。

判断を誤ると、患者さんの状態変化に気付けず、症状の悪化を引き起こす危険があります。
最初は対応できないことも多いと思いますが、先輩ナースの助言を聞きながら、少しずつ知識や経験を身につけ、対応できるようになっていくでしょう。

責任感

医療現場は患者さんの命を預かる仕事のため、少しのミスも許されません。
患者さんの治療方針を考えるのは医師ですが、点滴や投薬、輸血を実際に患者さんに行うのは看護師です。
間違えないよう厳重にチェックし、ヒューマンエラーを防ぎます。

それでも責任感や緊張感を持っていないと、ふとしたときにミスし、重大な医療事故につながることがあります。
患者さんの命を預かっている責任を忘れないことが必要です。

また患者さんや患者さんのご家族は、病気や治療で精神的につらい状況にあります。
看護師の何気ないひとことで元気づけられることもあれば、逆に深く傷つけてしまうこともあるため、自分の行動や言葉には常に責任を持ちましょう。

向上心

看護師は常にアンテナを張り、医療の最新情報を仕入れ学び続ける姿勢が大事です。
医療は治療法や薬などが日々更新されます。
看護協会の勉強会や、セミナーに参加して新しい情報を取り入れていきましょう。
向上心を持っていれば、いつまでもスキルアップでき、より患者さんに寄り添った看護ができるようになります。

リーダーとしてチームをまとめられるよう意識・行動専門看護師として専門性を極める道を目指すことも向上心の一つです。

体力

体位変換、清拭、入浴、移乗など、仕事内容に体力を使う場面が多くあります。
2交代の夜勤は16時間勤務のため、16時間働き続ける体力が必要です。
患者さんが寝ている時間でも、ナースコールが鳴り止まないことや、急変があったり、緊急入院があったりで仮眠に入れないこともあります。

体力的なタフさは看護師として長く働くために必要不可欠です。
疲れたときのために、自分なりのリラックス方法を持っておくと良いでしょう。

体力に自信がない人は、夜勤がない職場を選んだり、ケアやリハビリが少ない施設を希望するなど、はじめから体力をなるべく使わない職場で働く選択肢もあります。

メンタルの強さ

仕事や人間関係が大変で精神的に追い詰められてしまう看護師がいるのも事実です。
特に1年目は、看護学生時代とのギャップについていけなかったり、先輩看護師に注意されたりして、気に病んでしまうこともあります。
それでも落ち込み過ぎず、切り替えて次に活かせなければ仕事を続けていくことはできません。

看護師をしていると、患者さんが終末期や急変で亡くなるといった場面に立ち会う日がくるでしょう。
仲良くしていた患者さんならなおさら、悲しくつらいものですが、立ち直る強さも必要です。

失敗したり落ち込んだりすることがあっても、メンタルを強く持って、切り替えられる人は看護師に向いているでしょう。

看護師に必要な知識とは

看護師に必要な知識とは

昔の医療では、医師は指示する側、看護師は指示を受ける側と一方通行の関係でした。
在は「チーム医療」が主流で、医師、看護師、薬剤師、理学療法士などの医療職が、それぞれの専門性を活かして患者さんの治療にあたっています。
看護師も専門的知識を持って、「チーム医療」の一員として活躍しています。

看護の基本概念や理念のほか、患者さんの健康状態を評価するためのフィジカルアセスメントや、診察や治療を補助するときに必要な技術の習得は、看護師として働くための基本です。
また成人看護学や小児看護学、母性看護学に加え、地域看護学、在宅看護学など、各専門領域における知識を幅広く学ぶ必要もあります。

指示されるだけではなく、専門知識を活かして患者さんと向き合うことが大切です。

看護師になるまでのことが知りたい人は、下記の記事も参考にしてください。

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職場によって看護師に求められる特徴・適性は異なる

自分は看護師に向いていないと感じたとしても、ただ職場が合っていないだけかもしれません。

看護師の職場は多種多様で、病院・クリニック・介護施設・訪問看護ステーションなどさまざまな現場があります。
さらには、内科、外科、消化器、眼科など診療科によって、向き不向きもあるでしょう。
自分の能力や性格を分析し、どのような職場が向いているか考え、職場を変えてみるのも選択肢の一つです。

例えば急性期病院に勤めていて合わないと感じていた人も、急性期のスピード感がメンタル的に合わないとわかれば、慢性期病院では活躍できるかもしれません。
複数の職場や診療科を経験してみると、自分に合う分野・合わない分野が自ずとわかってきます。

看護師として働くうえで意識したい考え方・基本概念

看護師として働くうえで意識したい考え方・基本概念

看護師として働くうえで意識したい考え方に「ヒューマンケアリング」があります。

「ヒューマンケアリング」とは、看護を必要としている人を慈しみ、世話をし、気遣い、理解し、支えることです。

病気や障害に苦しむ人々の心の痛みを感じ、思いやりと温かさを持って接することができれば、患者さんも心を開き「あなたが担当の看護師でよかった」と自然と思ってもらえるはずです。
また、患者さんの病気やケガだけに着目するのではなく、同じ一人の「生活している人」として援助する姿勢を身につけましょう。

忙しい臨床で働いていると、医学的なことに集中してしまい、患者さんの思いや人生を見据えたケアを考える余裕がなくなりがちです。
患者さんが本当に求めているケアを考え、寄り添える人材になるよう努力する必要があるでしょう。

看護師に必要な能力を知って自分に合った職場を選ぼう

看護師に必要とされる能力が現時点でなくても、これから知識をつけ経験を積むことで身につきます。
もし向いていないと感じても、さまざま職場がある看護師は、職場を変えることで、解決する場合もあります。

なにより温かい気持ちを持って、患者さんに寄り添っていきたい思いがあれば、看護師として患者さんから信頼されるはずです。
看護師として働くか悩んでいる人は、どのように患者さんへケアを提供していきたか自分なりに考えてみましょう。

自分の看護への思いや能力に合った職場を選び、看護師として活躍してください。

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執筆者について

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