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看護師の仕事は大変でメリットがないと言われることがありますが、本当にそうでしょうか?
看護師のメリットとしては、給料が多く安定していること、転職しやすいこと、患者さんなどから感謝されることが挙げられます。
また、大変なこととしては、一生勉強が続くことや、うまく立ち回れないとつらいことなどがよく言われています。
では、これらの意見は真実なのでしょうか。
この記事では、職場別・勤務形態別のメリットとデメリットについて深掘りしていきます。
目次
職場別|看護師として働くメリット・デメリット
看護師は職場によって仕事内容や待遇が異なり、その違いをメリットと感じる人とデメリットと感じる人が存在します。
他人にとってのメリットが自分にも当てはまるかどうかはわかりません。
そのため、なにを優先して生活したいのかを考え、個々の職場の特徴が自分にとってのメリットなのかどうかを判断することが大切です。
ここでは、5つの職場別のメリットとデメリットを紹介します。
看護師にどのような仕事があるかを詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
総合病院で働く看護師のメリット・デメリット
【総合病院で働くメリット】
- 研修やセミナーが多く、教育体制が充実している
- 看護業務に専念しやすい
- 診療科が多く、いろいろな症例を学べる
- 診療科の異動があるため、転職に有利
- 福利厚生など待遇が充実している
しっかりと教育してくれる総合病院で働けば、自分のスキルアップにつながります。
また、業務の分担ができていたり看護助手がいたりするため、自分の業務に専念しやすいでしょう。
いろいろな診療科で多くの症例を学べるので、転職先の選択肢も増えます。
また、病院によっては託児所があるところや、休みがとりやすいところもあります。
【総合病院で働くデメリット】
- 夜勤があるため負担が大きい
- 研修やセミナーの受講が必要なこともある
- 診療科の異動がある
配属先によっては夜勤があります。
夜勤は身体に負担がかかり、生活が乱れるので大変だと感じる人もいるでしょう。
また、人によっては研修やセミナーへの参加が負担になる場合もあります。
総合病院では診療科の異動があるため、自分が働きたい科ではないところに配属される可能性もあるでしょう。
希望の科に配属されたとしても、ずっとそこで働き続けられるわけではありません。
自分が働きたい、勉強したい分野がある場合は、希望どおりにいかないのがデメリットです。
大学病院で働く看護師のメリット・デメリット
大学病院は医学部のある大学に付属した病院のため、教育や研究も行います。
【大学病院で働くメリット】
- 最先端の医療に携われ
- 学ぶ機会が圧倒的に多い
- 福利厚生など待遇が充実している
大学病院では最先端の医療を目の前で体験できるため、スキルアップやキャリアアップを考えている人に最適です。
また、研究施設でもあることから、総合病院やクリニックに比べて学ぶ機会が多いのも特徴です。
給料面や福利厚生は総合病院と同様に充実しているので、安心して長く働けるでしょう。
【大学病院で働くデメリット】
- 他の病院よりも忙しくなる
- 医療行為への関わりが少ない
- 実習生の面倒を見なければならない
上記で挙げたデメリットはあくまで可能性であり、大学病院によっても異なります。
大学病院では勉強会に強制的に参加しなければならなかったり、研究発表が定期的に行われたりするなど、業務以外でもかなりの時間をとられる可能性があります。
病棟によって忙しさは異なりますが、業務と勉強の両立が必要になるでしょう。
また、大学病院には研修医がいるため、看護師が行う処置を研修医が行う場合もあります。
そのため、直接自分が医療行為に関わる機会が減ってしまい、スキルが磨けない可能性もあるでしょう。
さらに、学生看護師もいるため、面倒を見なければならない場合もあります。
自分のスキルを上げたい人は、時間を使って面倒を見ることをデメリットと感じるかもしれません。
クリニックで働く看護師のメリット・デメリット
【クリニックで働くメリット】
- 基本的に夜勤がない
- 研修やセミナーが少ない
- 通いやすい勤務先を選べる
クリニックには入院患者がいないので夜勤がなく、日勤のみの勤務で規則正しい生活を送れるため身体への負担は少ないでしょう。
また、勉強会なども少ないためプライベートの時間を確保しやすいのが特徴です。
クリニックは街中に存在しているので、自分の通いやすい職場を選べるのもメリットです。
【クリニックで働くデメリット】
- 専門的な処置ができない
- 病棟よりも給料が低い
- 雑務もこなさなければならない
クリニックでも採血や点滴などは行いますが、専門的な処置はほとんどしないため、物足りないと感じる可能性があります。
また、有床クリニックではない場合は基本的に夜勤がないため、病棟勤務よりも給料が少なくなりがちです。
病棟ではさまざまな人が働いており、看護師も専門業務を中心に働けますが、クリニックの場合は診療補助以外の雑務が発生する場合もあります。
介護施設で働く看護師のメリット・デメリット
【介護施設で働くメリット】
- 夜勤や残業が少ない
- 需要が多い
- 精神的な負担が少ない
介護施設の看護師は基本的に日勤のみで、残業も少ない傾向です。
介護施設は増加しており、今後も看護師の需要が見込まれます。
また、重症の利用者は病院へ搬送するため、精神的な負担が少ないのもメリットです。
【介護施設で働くデメリット】
- 最新の医療や技術を学べない
- 施設内の看護師が少ない
- 責任の重さが負担になる
- オンコール対応がある
介護施設では最新の医療や技術が学べないため、スキルアップをしたい、バリバリ働きたいと思う人には向いていないかもしれません。
また、一つの介護施設にいる看護師は少数なので、シフトに融通が利かない可能性があります。
医師が常駐していないため、責任の重さが負担になる人もいるでしょう。
夜勤はなくても、施設から電話連絡を受けた場合は、夜中でも施設に向かわなければならない可能性があります。
公務員として働く看護師のメリット・デメリット
公務員の看護師は国や自治体が運営する病院で働きます。
【公務員として働くメリット】
- 収入が安定している
- 福利厚生が充実している
- 研修制度が用意されている
- 休みがとれる
公務員は不況になっても収入がなくならず、病院が倒産して勤務先に困ることもないので、安心して働けるでしょう。
福利厚生が充実しているのも公務員ならではの魅力です。
また、看護師の技術を保つために研修が用意されていて、スキルアップもめざしやすいのがメリットです。
【公務員として働くデメリット】
- 副業は禁止されている
- 雇用保険に加入できない
- 年功序列制度
公務員は基本的に副業が禁止されています。
また、雇用保険に加入できない定めのため、退職しても失業給付を受給できません。
そして、いまだ年功序列制度が色濃く残っていて、能力がキャリアアップにつながらない可能性があります。
勤務形態別|看護師として働くメリット・デメリット
ここでは勤務形態別に看護師のメリットとデメリットを見ていきましょう。
4つに分けて解説するので、参考にしてください。
非常勤看護師
非常勤看護師とは、パート・アルバイトで働く看護師のことです。
1週間の労働時間は40時間未満に抑える必要があります。
【非常勤看護師のメリット】
- 仕事とプライベートが両立しやすい
- 残業が少ない
非常勤看護師は労働時間を自分で調整できるため、仕事とプライベートの両立がしやすく、短時間勤務を希望している人に向いています。
【非常勤看護師のデメリット】
- 休むと収入が減る
- 社会保険に加入できないケースがある
非常勤看護師は労働時間で収入が決まるため、当然ながら休んだ分だけ収入が減ります。
また、勤務日数や時間の要件を満たさないと社会保険には加入できません。
配偶者の扶養に入っていない場合は、国民年金や国民健康保険に加入しなければならないので注意が必要です。
訪問看護師
訪問看護師とは療養生活を送っている人の住まいを訪問し、看護を行うサービスです。
訪問看護師は病気予防から看取りまでを支えるため、在宅医療の知識が必要になります。
【訪問看護師のメリット】
- 患者さんとしっかり向き合える
- 将来性がある
- 働く時間や曜日を選べる
病棟では多くの患者さんの看護を行いますが、訪問看護で訪問するのは1日に5件程度です。
一人の患者さん、ご家族と多くの時間関わることができ、しっかりと向き合えます。
長期で関わったり、患者さんの希望を尊重できたりするのも魅力です。
また、在宅医療のニーズは高齢化社会にともなってますます高まると考えられるため、将来性も期待できます。
訪問看護ステーションには日勤のみや土日休みの施設もあり、自分のライフスタイルに合わせて働く時間や曜日を選べるのもメリットです。
【訪問看護師のデメリット】
- 判断力が必要
- オンコール対応がある
- コミュニケーションをとるのが大変
訪問看護師は医師の指示をその場で聞いて業務を行うのではなく、自分で状況を判断して対応しなければなりません。
また、訪問看護ステーションによってはオンコール対応があり、休日や夜間に待機しなければならない場合もあります。
患者さんやご家族と意見が合わないなど、コミュニケーションがうまくとれずに苦労する人もいるでしょう。
病棟看護師
病棟看護師は入院患者がいる病院で働きます。
24時間体制の病院とクリニックとの大きな違いは、夜勤があるかないかです。
【病棟看護師のメリット】
- 夜勤があるため収入が高くなる
- 感謝の言葉をかけてもらえる
- スキルアップとキャリアアップをめざせる
病棟看護師には基本的に夜勤があります。
夜勤にはメリットとデメリットがありますが、メリットはなんといっても収入が増えることでしょう。
夜勤手当は二交代制の場合は1回あたり約1万円が平均です。
病棟看護師は患者さんと直接関わる機会が多いため、感謝の言葉をかけてもらえる回数が増えます。
大変な業務が多くても、人から感謝されることがやりがいになるでしょう。
また、最新医療の技術を学んだり、日々実践的な業務を行ったりすることで、スキルアップとキャリアアップがめざせます。
【病棟看護師のデメリット】
- 夜勤が多く、心身ともに負担がかかる
夜勤があることをデメリットと感じる人もいます。
日勤と夜勤を繰り返すと生活が不規則になり、体に負担がかかるためです。
また、ご家族と生活している場合は生活の時間帯が合わず、精神的に苦痛を感じる人もいるでしょう。
産業看護師
産業看護師は、企業の保健室で社員の健康を支援します。
主に、健康相談や健康教育などを行い、問題解決へ導きます。
また、メンタル面でのサポートも大切な仕事です。
【産業看護師のメリット】
- 夜勤がなく、土日休み
- 残業が少ない
- 直接命に関わる仕事がない
産業看護師の働き方は企業ごと異なりますが、土日休みで夜勤がなく、残業も少ないケースもあり、ご家族と同じ時間帯で生活できます。
主な仕事は健康管理であり、直接命に関わる仕事ではないため比較的ストレスが少なくて済むでしょう。
【産業看護師のデメリット】
- パソコンやビジネスマナーの知識が必要
- 即戦力が必要
産業看護師は企業に勤めることになるため、パソコン知識やビジネスマナーは必須です。
また、看護師の同僚がほとんどいないため、自分で即戦力として働いていかなければなりません。
看護師のメリット・デメリットを知って自分に合った職場を選ぼう
看護師には多くのメリットとデメリットがありますが、それは職場や勤務形態によって異なります。
目線を変えるとメリットがデメリットになり、デメリットがメリットになる表裏一体のものも多くあります。
この記事を参考にして自分が求めるメリットを見極め、自分にぴったりな職場を選びましょう。