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作業療法士を辞めたい理由とは?辞めるか迷った際の具体的な対処法

作業療法士として働くなかで、「仕事がつらくて辞めたい」「辞めようと考えているものの将来が不安」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事は、作業療法士の仕事を続けるか迷っている方に向けて、辞めたいといわれる理由や、辞めたい場合の解決策を紹介します。
ぜひ最後まで読み、このまま仕事を続けていくべきか判断するための参考にしてください。

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作業療法士を辞めたい理由とは?

作業療法士を辞めたい理由とは?

作業療法士を辞めたい理由として、以下が挙げられます。

  • 給料が安い
  • 患者さんへの対応が大変
  • 仕事にやりがいが感じられない
  • 労働環境が良くない
  • 人間関係がうまくいっていない
  • 福利厚生が充実していない
  • 本当は就きたい仕事ではなかった
  • 精神科の仕事がきつい

一つずつ、事例をもとに詳しく解説していきます。

給料が安い

作業療法士を辞めたいと思う理由の一つが、作業療法士の給料が安い傾向にあるということです。
ハローワーク求人統計データによると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の月給は全国平均で約29.0万円と、他の医療職に比べて安い傾向にあります。

実際に看護師と比較すると、看護師の平均月収が約34.1万円であり、給料の差が大きいことがわかります。

どれだけ仕事内容がきつくても他の職種に比べて給料が上がりにくいため、辞めたい理由の一つに給料が安いということが挙げられます。

患者さんへの対応が大変

作業療法士を辞めたい理由の一つとして、「患者さんへの対応が大変」ということも挙げられます。

作業療法士としてさまざまな患者さんに対応するなかで、クレームを受けることもあります。
具体的には、以下のような事例がありました。

とある作業療法士が、リハビリ室で高齢の男性患者さんに関節可動域訓練を行っていました。

患者さんは訓練のやり方に納得ができなかったのか、「もっと真面目にやれ!」「やる気がないなら私に関わるな!」と、リハビリ室に響き渡る声量で罵声を浴びせました。

作業療法士は患者さんの怒鳴り声に恐怖を感じながらもリハビリを続け、なんとかその場をしのぎました。
その後作業療法士はうつ病と診断され、自分自身の体調を優先して転職することになりました。

作業療法士は患者さんと接する仕事のため、なかには事例のようにうつ病になったりする場合もあります。

仕事にやりがいが感じられない

作業療法士の仕事は、身体機能の改善、生活技能の改善、社会技能の改善など、社会復帰をめざすためのリハビリを行うのがメインです。

ただし、実際のリハビリでは、病院や施設が生活動作より歩行のリハビリを望んでいる、訓練に必要な設備が揃っていない、施設側に認識不足があるなどの理由により、作業療法士としての仕事ができない場合もあります。

上記のような状況になると、入職前のイメージとの間にギャップが生まれてしまい、現場の仕事内容にやりがいを感じられなくなってしまうことがあります。

他に、キャリアアップが難しい環境である点も、仕事にやりがいを感じられない理由として挙げられます。
管理職はほぼ固定されており、数年先まで現場職を続けることが見えているような環境が続くとやりがいを感じられなくなり、作業療法士を辞めたい理由の一つになってしまいます。

労働環境が良くない

労働環境が良くないというのも作業療法士が辞めたい理由の一つです。
作業療法士が行う仕事内容の一日のスケジュール例が以下のとおりです。

8:30 出勤
8:45 朝礼
9:00 リハビリ業務
12:00 昼食休憩(食事評価もあり)
13:00 ミーティング
13:30 リハビリ業務や事務作業
17:00 終業

スケジュールのなかでリハビリ業務と事務作業を並行したり、食事評価で昼食が取れなかったりと一日の業務量は多いです。

さらにスケジュールのなかで事務作業が完了できなかった場合は、残業して業務を終わらせないといけません。
また、終業後に勉強会などに参加する必要がある場合もあります。

忙しいスケジュールに加えて、 患者さんからのプレッシャーによるストレスも労働環境を悪化させることがあります。

作業療法士は、患者さんの社会復帰を支援するという大きな役割を担います。
プレッシャーのなかで業務を行うため、日に日にストレスが蓄積されてしまいます。

人間関係がうまくいっていない

作業療法士が辞めたい理由として、人間関係がうまくいっていないことも良く挙げられます。

「施設で初めての作業療法士で教えてくれる人がいなかった」
「転職したら転職した施設で一番先輩になってしまった」

など、絶対数が決して多くない作業療法士では、指導を受けたりわからないことを教えてくれる先輩がいない環境だったという事例があります。

また、作業療法士が関わる人としては患者さんだけではなく、医師や看護師との連携も必要です。
多くの人と関わりを持つ作業療法士は、人間関係がうまくいかないとストレスとなり、辞めたいと思うケースがあります。

福利厚生が充実していない

職場の福利厚生が充実していないのも一つの理由です。

作業療法士の福利厚生は、大きな病院や施設であれば比較的充実している場合が多いですが、施設により福利厚生が充実していない場合もあります。
その場合は個人で保険会社の福利厚生に入ったり、日本理学療法士協会経由で法人会員制クラブなどに入会し、福利厚生を充実させることが求められます。

なお、子育て中の作業療法士の場合は時短勤務ができない、育児補助がないなどの理由により転職を考えている人もいるのも現状です。

本当は就きたい仕事ではなかった

ご自身で決められた進路として作業療法士になった人もいれば、親の影響や他人からの勧めで作業療法士になった人もいます。

自分自身で作業療法士になりたいと思って就職したならまだしも、第三者からの勧めで作業療法士になり、1ヵ月も経たないうちに自分に合わない仕事と感じて辞めたいと思っている人もいます。

作業療法士が本当に就きたい仕事ではなかった場合は、仕事内容が自分に合わない限りは続けることは難しいといえます。

本当にやりたい仕事を良く考えて見つけることも、ご自身にとって大事な選択肢です。

精神科の仕事がきつい

精神科で仕事に就いた作業療法士は、身体のリハビリだけでなく、心のリハビリも行います。

心のリハビリができるのは理学療法士とは異なる作業療法士ならではの特徴で、そのやりがいを求めて精神系疾患の方の支援を行いたいと考える作業療法士も多くいます。

ただし、疾患を持つ患者さんと接することで、自分自身がうつ病になってしまったり、奇声を上げて暴力を振るう患者さんに恐怖を感じたりして、辞めたいと思うことも出てきてしまいます。

精神系疾患の方を支援をしたいと思って入職したけれど、暴言、暴行などが原因で患者さんと関わり続けることが精神的につらくなり、続けることが難しくなる作業療法士がいるのも事実です。

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作業療法士を辞めたいときの解決策

作業療法士を辞めたいと思っている方へ、実際に作業療法士を辞めたいと思ったときにできる解決策をご紹介します。
この記事を読んでよかったと思えるよう、ぜひ試してみてください。

問題を解決できないか最大限努力する

作業療法士を辞めたいと思っている方に、まずしてほしいことは以下のとおりです。

  1. 辞めたい思う理由となる問題点を洗い出す
  2. 問題点を洗い出したら一つずつ改善策がないかを考える

作業療法士を辞めたいと思っている方は、まずは辞めたい理由をしっかりと考えて、一つひとつの問題点がどこにあるのかを見極めましょう。

問題点に対して実際にできる改善策がないかも探してみてください。
考えられる問題点と解決策を以下に挙げてみます。

問題点 改善策
給料が少ない ● 現在の職場内でキャリアアップできる仕組み(主任の立場を作るなど)を作れないか打診する
● 給料アップの打診をしてみる
● 給料が良い職場に転職をする
人間関係が悪い ● 職場内で移動ができないか打診をする
● 相談できる相手を見つける
● 転職する
仕事自体にやりがいを感じない ● 作業療法士としての仕事ができていない場合はリハビリ内容の変更を打診する
● やりがいを感じる仕事をあらためて考える
● 職場内で異動する

作業療法士と関連する仕事に転職する

作業療法士から転職する場合は、作業療法士の資格を活かした仕事に転職することができます。

実際に作業療法士の資格を活かせる仕事の例は以下のとおりです。

  • 児童福祉施設の職員
  • 作業療法士養成校の教員※必須条件あり
  • 保健所の職員
  • 訪問リハビリセンターやデイサービスの職員

実際に作業療法士として働ける場合や、作業療法士の資格を活かした仕事が多くあるため、ご自身の希望に合った仕事を選びましょう。

なお、転職時にはできるだけ前向きな転職理由を考えて転職活動をすることで内定がもらいやすくなります。
履歴書や面接で前向きな姿勢を伝えられるよう、ネガティブすぎない転職理由も考えておきましょう。

作業療法士とは関係ない仕事に転職する

作業療法士にまったく向いていないと感じる場合は、作業療法士と関係ない仕事に転職するのも一つの方法です。
作業療法士の資格を使わず、他の医療関係で働ける仕事の例として以下があります。

  • 医療事務
  • 医療秘書
  • 健診センター受付
  • 看護助手
  • ホームヘルパー
  • 医療機器メーカーや福祉用具貸与事業者の営業職
  • 医療系人材派遣や、障がい者人材などの人材業務

医療事務や看護助手など、資格なしで働くことのできる医療系の仕事は数多くあります。
あらためて自分がやりたい仕事を考え直し、作業療法士とは違う仕事をしてみたい場合は転職活動をしましょう。

作業療法士は資格の更新等がないため、別の仕事を経験したうえで作業療法士としてまた仕事がしたくなったときには、再度作業療法士として転職することも可能です。

作業療法士を辞めたいときは原因を把握して対処しよう

作業療法士を辞めたいと思っている場合は、まずは辞めたいと思う原因を把握しましょう。
そのうえで、やりたいと思える仕事や環境づくりのために、何ができるかを考えていきましょう。

転職をするとしても、そのまま同じ職場で働き続けるとしても、あなた自身が一番やりがいを感じられる、のびのびと働ける環境になることを願っています。

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