やりがいは働くうえでとても重要です。
やりがいを見つけて働くことで楽しく仕事ができ、結果を出しやすくなります。
患者さんの社会復帰や、日常生活機能の回復を支援する作業療法士は、大きなやりがいを感じられる仕事です。
この記事では、作業療法士の代表的なやりがい6つと、やりがいを見つけるための3つのポイントを紹介します。
作業療法士に興味のある方や、作業療法士のやりがいを見つける方法を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
作業療法士として働くやりがい
作業療法士は、高齢者や障がい者などの患者さんを対象に、困難になった日常生活の回復や、手術後のリハビリなどに携わります。
患者さんが最初はできなかった動作をリハビリを通してできるようになったり、機能を回復させていったりするために支援することが、作業療法士の大きな役割です。
作業療法士の役割を果たすなかで、さまざまなやりがいが感じられます。
以下に作業療法士が感じる代表的なやりがいを挙げます。
- 患者さんの社会復帰をサポートできる
- 患者さんの変化を感じられる
- 患者さんから直接ありがとうと言われる
- 一人ひとりに合わせた業務ができる
- さまざまな気付きを得られる
- 専門家としてスキルアップできる
順番に説明していきます。
患者さんの社会復帰をサポートできる
作業療法士は病気や怪我で障がいを負った人や、手術後の患者さんのリハビリを支援します。
リハビリを頑張った患者さんが、元気になり社会復帰できたときは、作業療法士としてやりがいを感じます。
リハビリは数日、数週間で完結するものではなく、長い期間が必要です。
長い間ともにリハビリを頑張った患者さんが、社会復帰できたときの喜びを共有できることは、作業療法士として大きな喜びとなります。
患者さんの変化を感じられる
今までできた作業ができなくなったと知ったとき、患者さんは深く落ち込みます。
気持ちが沈んでしまっている患者さんは、リハビリにも消極的です。
そんな患者さんが自分の言葉やサポートによってリハビリを継続することで、できることが増えていく様子や、気持ちを前向きに変えていく様子を、作業療法士は間近で見られます。
最後には笑顔で退院していく患者さんの姿を見届けると、達成感を感じられるでしょう。
患者さんから直接「ありがとう」と言われる
人から「ありがとう」と言われると誰しもうれしくなります。
作業療法士として患者さんのリハビリ支援を行い、患者さんやご家族から「ありがとう」といわれるとその喜びはひとしおです。
患者さんからの感謝の言葉は、次のリハビリも頑張ろうと思えたり、もっと患者さんのためになるリハビリはないだろうかと考えたりと、意欲を燃やす原動力にもなるのです。
一人ひとりに合わせた業務ができる
作業療法士が考えるリハビリプランは、均一のマニュアルに沿ったものではありません。
患者さん一人ひとりの状況により、細かく調整する必要があります。
患者さんがどのレベルまで動けるようになりたいのか、今どの程度しか動けないのかを踏まえ、適切な訓練メニューを考えるのが作業療法士の役割です。
毎回同じリハビリを繰り返すのではなく、患者さんの状態を考えながらその都度、作業療法士がプランを組み立てます。
自分で考えた訓練メニューで患者さんが回復していくのに寄り添うことは、大変な作業であると同時に大きなやりがいです。
作業療法士の仕事内容を詳しく知りたい方は、次の記事を読んでみてください。
さまざまな気付きを得られる
リハビリの訓練メニューに決まりはありません。
患者さんが好きなことで、リハビリに役立つ内容であれば、どんどん取り入れるべきです。
例えばパソコン操作が好きなら、タイピングが指を動かすリハビリになりますし、麻雀が好きなら麻雀牌を積んだり、並べたりすることも訓練になります。
リハビリプランは自由度が高く、さまざまなところからアイデアが生まれるのが作業療法士の楽しみでもあります。
日常のあらゆる場面から業務へのヒントを得られ、また逆に業務上の気付きを自分の人生に生かせることがあるのも、作業療法士の大きなやりがいです。
専門家としてスキルアップできる
作業療法士は国家資格に合格したあとも、分野ごとに設けられた専門資格に挑戦し、スキルアップできます。
専門資格は10種類以上あり、自分の興味がある専門資格に挑戦できます。
資格取得により得られるメリットは以下の2つです。
- 知識が深まる
- 実力の証明になる
作業療法士として日々の業務だけでなく、専門家としてスキルアップできる資格にチャレンジすることでやりがいを感じられます。
作業療法士のやりがいを見つけるためのポイント
仕事をするうえでやりがいはとても重要です。
やりがいを見つけている方とそうでない方は、日々の仕事に臨むモチベーションが異なります。
やりがいを見つけている方は意欲的に仕事に臨め、自ら新しい資格にチャレンジしたり、患者さんのためにより良いリハビリメニューを考えたりできます。
一方、やりがいを見つけられていない方は、仕事に臨む熱意が生まれず、仕事に対する姿勢も受け身になりがちです。
仕事でのミスが多くなったり、自発的に行動しなかったりするため、他人から見ると印象が悪くなります。
やりがいを見つけることは自分にとって大きなメリットがあります。
作業療法士がやりがいを見つけるポイントを3つ紹介していきましょう。
信頼できる仲間をつくる
職場に信頼できる仲間がいると、やりがいを見つけやすくなります。
職場の仲間は仕事内容や価値観が似通っているため、目標を共有しやすい存在です。
そのため、一緒に目標達成に向けて努力したり、目標を達成した際に喜んだりできます。
職場で仲間を探すには、いくつかの条件に合う人を見つけるのがコツです。
- 年齢が近い
- 価値観が似通っている
- 社交性がある
- 職場での立場が同じ
上記のポイントを踏まえて、信頼できる仲間となれそうな人を探してみましょう。
患者さんを家族や友達と思って接する
患者さんを家族や友達と思って接すると、患者さんにとってベストな医療を提供できます。
他人と思って接すると、人は適当な作業になりがちです。
「まぁこのくらいで良いか」と考えながら患者さんのリハビリを行うと、患者さんは信頼できない作業療法士だと感じ、次からは別の作業療法士を希望するかもしれません。
患者さんを家族や友達など身内と思って接すれば、患者さんに早く元気になってほしい、と必死にリハビリを支援するでしょう。
家族や友達が苦しんでいるのに、「まぁこのくらいで良いか」などと思う人はいません。
身内感覚で必死にリハビリを支援する作業療法士は患者さんからの信頼も得られ、やりがいにつながります。
当事者意識を持つ
当事者意識を持つことは、患者さんのリハビリは自分に任されていると意識することです。
患者さんがリハビリを行い訓練した結果、回復して退院していくのか、回復せず入院が長引くのかは自分次第なのだと責任感をもって仕事に取り組みましょう。
当事者意識を持つことで、患者さんに対し熱意をもって仕事に臨むことができます。
熱意が患者さんに伝われば、患者さんのリハビリに対する意識が前向きになったり、より具体的な目標をイメージしやすくなるので、早期の回復や退院という可能性も高くなり、上司からの評価も得られるでしょう。
当事者意識は、誰でも簡単に持てます。
取り組みやすく、すぐさま仕事に反映できるため、やりがいを見つける方法としておすすめです。
作業療法士は重要でやりがいのある仕事
今回は作業療法士として働くやりがいを解説しました。
作業療法士は患者さんと密接に関わる仕事のため、患者さんの回復具合や日々のコミュニケーションのなかでやりがいを感じることができるでしょう。
日々の仕事でやりがいを見つけられなかった方も、仲間を作ったり、働くうえでの考え方を変えたりすることで、やりがいが見つけられることもあります。
作業療法士の仕事は、今後高齢化が進む日本ではさらに求められる重要な仕事です。
作業療法士に興味を持っている方は、ぜひ作業療法士の国家試験にチャレンジしてください。