介護福祉士は、介護に関わる資格のなかでも唯一の国家資格です。
介護福祉士の資格は、適切な方法で勉強すれば、独学でも合格をめざすことができます。
今回の記事では、独学での介護福祉士資格取得を考えている人のために、独学のメリットや、効果的な学習方法を紹介します。
目次
介護福祉士の国家試験は独学でも合格できる
介護福祉士の資格を取得するには、受験資格を満たしたうえで国家試験を受験し、合格しなければなりません。
国家試験の合格率は例年約70％ほどで、独学でも突破可能な水準です。
ここでは、国家試験の合格率や、独学時に役立つツールなどを見ていきましょう。
国家試験合格率は70％と高めで推移
介護福祉士の国家試験は、直近5年での合格率が約70％ほどと、高めの水準で推移しています。
国家試験の合格基準は以下のとおりです。
- 全体の60％以上を得点できた人
- 11の試験科目のすべてにおいて得点があった人
独学可能なツールが豊富
介護福祉士国家試験は、参考書やアプリなど、試験対策に使えるツールが豊富にあるため、独学で学習を進めることも可能です。
ただし、国家試験の出題傾向は受験する年によって変わる可能性があるため、ツールから情報収集をする際には、それが最新情報であるかどうかを確認する癖をつけましょう。
独学で介護福祉士資格取得をめざすメリット・デメリット
ここでは、独学で介護福祉士資格の取得をめざすメリットとデメリットを紹介します。
自身が独学に向いているのかどうかを判断する際の参考にしてください。
メリット
独学のメリットは、以下の2つです。
- 資格取得にかかる費用を抑えることができる
- 自分のペースで学習ができる
それぞれ見ていきましょう。
資格取得にかかる費用を抑えることができる
コストを抑えることができる点は、独学での資格取得をめざすメリットです。
スクールや通信教育を利用して学習する場合、4万円ほどの受講料がかかりますが、独学であれば参考書や問題集の購入費だけで済みます。
自分のペースで学習ができる
独学では、学習ペースを自分で自由に決めることができます。
スクールや通信教育を利用する場合、あらかじめ用意されたカリキュラムに従って学習を進めなければなりません。
しかし、介護福祉士の資格取得をめざす人のなかには、仕事や家事、育児などにより、カリキュラムどおりの学習が難しい人もいるでしょう。
臨機応変に学習を進めたい人は、独学での資格取得を検討する余地があります。
デメリット
独学のデメリットは以下の2つです。
- 学習継続のモチベーションを保つことが難しい
- 疑問点の解決が難しい
それぞれ見ていきましょう。
学習継続のモチベーションを保つことが難しい
独学では、学習が滞ったときに背中を押してくれる存在がいません。
スクールや通信教育であれば、学習計画が滞ったり、モチベーションが上がらないときにも、講師や同時に受験する仲間の存在が学習を続ける同期になり得ますが、独学の場合は徹底した自己管理が必要になります。
独学で資格を取得するためには、自分一人でも継続する根気と強い意思が必要です。
疑問点の解決が難しい
独学の場合、学習のなかで疑問が生まれた際には、自力で解決する必要があります。
スクールや通信教育の場合は、わからないことがあればその都度質問できる環境が整備されていますが、独学ではできません。
ただし、介護職として働きながら独学での資格取得をめざしている方の場合は、同じ職場で介護福祉士の資格を持っている人に、わからないことを質問することが可能です。
独学で介護福祉士試験に合格するには？
ここでは、独学で介護福祉士をめざす場合のポイントを紹介していきます。
試験勉強開始の時期をあらかじめ決める
一般的に、介護福祉士試験の合格に必要な勉強時間は250時間とされています。
自分が確保できる勉強時間を踏まえて、試験日当日から逆算する形で学習計画を立てていきましょう。
例えば、1日に1時間半ずつ継続的に勉強できる人であれば、1ヵ月で45時間（1.5時間×30日）の学習時間を確保でき、半年で250時間に達する（45時間×6ヵ月＝270時間）ため、約半年前から勉強を始めれば間に合う計算になります。
介護福祉士国家試験突破のための独学ポイント
介護福祉士試験に合格するためには、以下のポイントを踏まえて学習することが重要です。
- 学習開始前に試験の概要を知る
- 参考書やテキストを繰り返す
- 模擬試験で学習到達度を測る
それぞれ見ていきましょう。
学習開始前に試験の概要を知る
介護福祉士の国家試験は、試験範囲や時間、出題形式が決まっています。
これらの試験概要を把握できれば、試験当日までに何をどれだけ学習すれば良いのかが明確になるため、学習計画を立てやすくなるでしょう。
また、参考書や過去問を利用することで、出題の傾向をつかむことができます。
参考書やテキストを繰り返す
参考書やテキストは、何冊も併用するのではなく、自身にとって使いやすいものを繰り返し使い込むと良いでしょう。
知識は、同じ内容を何度も繰り返すことで定着していきます。
一度読んだからといって違うテキストを始めてしまうのではなく、1冊のテキストを使い込むのがおすすめです。
また、参考書やテキストは出題範囲の全項目が網羅されているものを選ぶようにしてください。
模擬試験で学習到達度を測る
模擬試験は、受験することで自身の学習到達度を把握でき、学習計画の修正に役立ちます。
模擬試験には、自宅受験と会場受験の2種類があります。
自宅受験は自分の都合に合った時間に受けられるため、忙しい人でも受験が容易です。
一方で会場受験は、本番さながらの雰囲気を実際に経験できるため、試験当日に緊張して力が発揮できないなどの事態を予防できます。
また、模試を受験したら、必ず間違えた箇所を復習し、苦手なポイントを克服していきましょう。
計画的な独学で介護福祉士試験の合格をめざそう
介護福祉国家試験は、独学でも合格をめざすことが可能です。
しかし、試験範囲が広く、継続的・計画的な勉強が必要になるため、独学を選ぶのであれば資格取得に向けた強い意思が欠かせません。
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