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調理師免許の試験内容とは?当日までの流れや必要書類も解説

調理師免許を取得するための方法として、調理師試験の合格があります。
調理師試験に挑戦する際は、円滑に試験に臨めるよう、事前に準備しておきたいものです。

この記事では、調理師試験の概要と試験までの流れを解説します。
準備すべき書類などに漏れがないよう、ぜひ本記事をご活用ください。

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調理師免許の試験内容

調理師免許の試験内容
調理師免許の試験は、都道府県ごとに年1回以上 行われます。
どのような内容で出題されるのか把握し、事前に対策を立てましょう。

試験科目は6科目

調理師試験の試験科目は、以下の6科目です。

  • 公衆衛生学
  • 食品学
  • 栄養学
  • 食品衛生学
  • 調理理論
  • 食文化概論

各科目の出題範囲は後述しますが、専門的かつ広範囲に出題されています。
1科目でも得点が平均点を著しく下回ると、他の科目が満点でも不合格になります。
そのため、いずれの科目もかたよりなく学習する必要があるのです。

出題はマークシート形式

調理師試験の出題形式はマークシート形式になっています。
全60問で構成されており、すべて4択問題です。

記述式ではないため、参考書やテキストの言葉を丸暗記する必要はありません。
とはいえ、用語の意味や論理を理解していなくては、正答率は上がりません。

マークシート式の特徴を活かしつつ、効率的に勉強する必要があります。
また、マークミスにも気を付けなければなりません。

調理師免許試験に実技試験はなし

調理師試験には、実技試験はありません。
試験は筆記のみになっています。

試験のなかには、調理理論という調理の実践に必要な知識を問う科目があります。
筆記試験にて調理に関わる知識を持っているか測るものです。

そのため、「人前での実技は緊張する」「不器用だから実技は不利」などと危惧する必要はありません。

調理師試験の概要と出題範囲

調理師試験の概要と出題範囲

調理師試験は厚生労働省の助言のもと、各都道府県で作成・実施されます。
そのため実施日時や試験問題も、都道府県ごとに異なります。

しかし、試験の概要や出題範囲は同一です。
試験対策にもつながるので、ここでは試験概要や出題範囲について触れていきましょう。

調理師試験の概要

調理師試験は、各都道府県で基本的に年1回(※)実施されます。
実施時期はおおむね10月 ですが、神奈川や北海道など都道府県によっては7月や8月 にも行われる場合があります。
願書の受付期間も異なる ので、受験予定地の実施時期は事前に確認が必要です。
※神奈川県は平成30年度、令和元年度の2回実施しています

公益社団法人調理技術技能センターのサイトで、多くの都道府県の調理師試験概要を確認できます。
公益社団法人 調理技術技能センター

※上記のホームページに記載されていない都道府県は、各都道府県の公式ホームページで確認しましょう。

試験会場も都道府県ごとに、1〜3ヵ所 設定されています。
受験手数料はおおむね6,100〜6,400円 です。

調理師試験の出題範囲

調理師試験の出題範囲は、以下のとおりとなっています。

試験科目 出題範囲
公衆衛生学 社会全体の健康問題を考える分野

公衆衛生の概念
健康の概念
健康と疾病に関する統計 など

食品学 食品の成分や味・色・保存などに関する分野

食品の意義と用途
食品の特徴と性質
食品の流通 など

栄養学 食品の栄養素と働きを問う分野

栄養と健康
栄養素の機能
ライフステージと栄養 など

食品衛生学 食品の安全性や衛生を問う分野

食品の安全と衛生
食品の腐敗
食中毒 など

調理理論 調理の実践に関する知識を学ぶ分野

調理の意義と目的
調理操作
集団調理 など

食文化概論 日本や世界の食文化を考える分野

食文化の成り立ち
伝統料理・郷土料理
世界の食文化と料理

専門的かつ広範囲であるため、すべて独学で理解するのは決して簡単なことではありません。

調理師試験の合格ラインと合格率

調理師試験の合格ラインと合格率

調理師試験は難易度の高い試験ではありませんが、簡単に受かる試験でもありません。

試験の合格率を知ることは、合格への必須事項です。
どのくらいの正答率を狙えば良いのか、ここで確認しましょう。

合格ラインは正解率60%以上

調理師試験の合格に必要なのは、正答率60%以上です。
厚生労働省によって合否は以下のように定められています。

  • 全科目の合計得点が、満点の6割以上は合格
  • 1科目でも得点が平均点を著しく下回る場合は不合格

上位何名という足きりのような制度はなく、必要な正答率を満たせば合格できます。

また6割をめざせば合格ラインに達するので、満点を狙う必要もありません。
事前に入念な試験対策を施していれば、合格できる試験です。

過去10年間の合格率

調理師試験の合格率はどのくらいなのでしょうか?
下記のグラフは過去10年間の合格率です。

過去10年間の合格率

出典: 第6-2表 年度別(10年間)・都道府県別調理師試験合格率

令和2年度(2020年)のみ70%を超えていますが、全国平均はほぼ60%程度で推移しています。

ちなみに令和2年度の合格率の最下位と最上位の都道府県は以下の通りです。

  • 最下位 沖縄県 45.4 %(前年度 40.4%)
  • 最上位 福島県 86.1%(前年度 59.2%)

調理師養成施設卒業者との整合性を図り、出題範囲も等しくしているとはいえ、各都道府県で試験問題が作成されるので、上記のように合格率に差が生じるのも事実です。

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調理師免許試験の申し込みから受験までの流れ

調理師免許試験の申し込みから受験までの流れ

試験の合格には、筆記試験の対策もさることながら、申し込みから受験までのスケジュールを把握することも重要です。
年に何回あるのか、いつ・どこで試験が行われるのか、申請に必要なものは何かなど忘れずに確認しましょう。

①受験申請用書類が配布される

調理師試験の応募で最初に必要なことは、受験申請用書類を受け取ることです。
おおむね5月〜6月頃に配布され、令和4年度(2022年度)の配布日程は多くの都道府県で5月9日(月曜)〜6月3日(金曜)です。
配布場所は保健所や保健センター、調理師関連団体など。

平日と土日で配布場所や時間が異なる場合があるので、各都道府県の公式ホームページで確認しましょう。
なお県外に住んでいる方は、郵送によって願書を請求できる場合があります。

②受験手数料を支払う

受験申請用書類を受け取ったら、次に行うことは受験手数料の支払いです。

必要書類に同封されている払込取扱票を使用して、申請受付期間内に金融機関で支払います。
都道府県によっては、収入証紙を購入する場合もあります。

③受験申請

手数料を支払ったあとは受験申請です。
令和4年度の受験申請受付期間は、 多くの都道府県で5月9日(月曜)〜6月3日(金曜) です。
異なる場合もあるので、都道府県ごとに確認しましょう。

「公益社団法人調理技術技能センター 調理師試験担当」宛てに簡易書留で郵送して申し込むケースが多くなっています。
しかし都道府県によっては、郵送による申請が不可な場合 があります。
受験希望の都道府県ではどのような申請形式なのか、事前に確認が必要です。

申請後は令和4年9月29日(木曜)までに受験票が発送されます 。
提出書類に不備があった場合は、別途で書類を再提出する期間が設けられます。

④試験当日:場所・日程・時間

令和4年の試験日程は、多くの都道府県で10月29日(土曜)13時30分から15時30分 です。

公益社団法人調理技術技能センターに掲載されていない地域は、別日程 の可能性があるため、該当地域での受験を希望する方は事前に確認が必要です。

なお、会場も地域ごとに異なります。
1ヵ所のところもあれば複数ヵ所設定されていることがあるので、こちらも確認しましょう。

⑤合格発表

合格発表は、多くの都道府県で令和4年12月16日(金曜)の10時です。

合否を確認する方法はいくつかあります。

  • 公益社団法人調理技術技能センターのホームページ
  • 公益社団法人調理技術技能センター内で掲示
  • 合格通知書
  • 試験結果の開示

試験結果の開示には、合計得点および各科目の得点が記されています。
受験者本人からの申請により、窓口か郵送による開示が可能です。

調理師免許試験申し込みに必要な書類3つ

調理師免許試験申し込みに必要な書類3つ

ここでは調理師試験の申請に必要な書類について説明します。
書類に不備があり、受験資格を確認できない場合は受験できません。
支払った手数料も返還されないため、必要書類の漏れがないよう準備しましょう。

①受験申請用書類

受験申請用書類には以下が同封されています。

  • 受験申請書
  • 受験票、写真台帳
  • 受験手数料の領収証書
  • 受験票送付用封筒

それぞれの特記事項を以下で解説します。

受験申請書

受験申請書は、同封されている受験申請書記入要領を見ながら記入します。
氏名は戸籍や住民票に登録されているとおり正確に記載しましょう。

受験票・写真台帳

受験票には縦4cm✕横3cmの証明写真を貼り付けます。
写真の裏面には、受験する都道府県と氏名、生年月日の記入が必要です 。

受験手数料の領収証書

同封されている払込取扱票を利用して、金融機関へ手数料を支払います。
入金後、金融機関の領収印が押された領収証書を受け取り、受験票の裏面に貼付します。

なお都道府県によって貼付場所が異なる場合があるので、注意が必要です。
支払額や支払い方法なども各都道府県で異なる ため、忘れずに確認してください。

受験票送付用封筒

受験申請書類に同封されている受験票送付用封筒に、84円切手を貼り付けます。
提出時には封を開けたままにしておきましょう。

②卒業証明書

受験資格の1つである中学校以上の卒業を証明するために、卒業証明書を提出します。
卒業式に受け取る卒業証書とは異なるもので、卒業した学校に発行を依頼しなければなりません。

中学校に限らず、高等学校や大学など、最終学歴のものでなくても申請可能 です。

卒業証明書を受け取ったら、記載されている氏名や生年月日が間違いないか確認しましょう。

③調理業務従事証明書

受験資格の2つ目である、調理に関する実務経験を証明するためのものです。
勤務していた法人や施設の代表者に記載を依頼します。
受験者本人は記入や修正はできません

記入を依頼する際には、同封されている調理業務従事証明書作成時の注意事項および調理業務従事証明書記入例も手渡しておくと、記載する側も安心でしょう。

該当する受験者が必要な書類

その他、該当する受験者のみ必要な書類があります。

  • 印鑑登録証明書または印鑑証明
  • 戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)など
  • 国籍など表示のある住民票(外国籍の方のみ)

印鑑登録証明書または印鑑証明書

調理業務従事証明書の記載者が個人であった場合、市区町村に登録されている実印を印判し、印の印鑑登録証明書を提出します。
法人や施設の代表者が記載する場合は、職印または登記された印鑑を押印し、登記された印鑑を利用する場合には印鑑証明書が必要です。

戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)など

卒業証明書と調理業務従事証明書のうち、どちらかでも氏名が現在と異なる場合には、戸籍個人事項証明書を提出しなければなりません。

それでも氏名変更の経緯が確認できない際には、除籍個人事項証明書(除籍抄本)・改製原戸籍抄本などが必要になります 。

国籍など表示のある住民票

外国籍の方は、国籍など表示のある住民票が必要です。
個人番号や住民票コードが載っていないものを提出します。

調理師免許の試験要項を確認して事前準備を進めよう

調理師試験は決して難しい試験ではありません。
しかし、各科目において平均点以上を獲得しないと合格にはならないため、かたよりのない学習が必要です。
内容も専門的かつ広範囲であるため、短期間の試験対策では合格するのは難しいことが予想されます。
また、必要書類も卒業証明書や調理業務従事証明書などの準備に時間を要します。
試験日程を確認したうえで、逆算しながら計画的に事前準備を進めていきましょう。

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