
ケアマネジャーは介護利用者の心身の状態に応じて、最適なケアプランを提供する専門職です。
ケアマネジャーになるには、ケアマネジャーの受験資格を得て試験に合格する必要があります。
今回はケアマネジャーのなり方と、資格取得までに何年必要なのかを解説します。
「ケアマネジャーになりたいけど何から始めればわからない」という方は、ぜひ本記事を参考にしましょう。
目次
ケアマネジャーになるには?6ステップで解説
ケアマネジャーは、どのようなステップを踏めばなることができるのかが気になるところです。
ここからは、受験資格の取得からケアマネジャーとして働くまでの6ステップを解説します。
1.ケアマネジャー試験の受験資格を得る
ケアマネジャー試験の受験資格を得るには、一定の実務経験が必要であり2つのルートがあります。
下記ではケアマネジャー試験を受けるための資格要件をまとめました。
- いずれかの国家資格保有者としての業務を、5年以上かつ900日以上を満たしている。
医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科医師、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士 - いずれかの相談援助業務を、5年以上かつ900日以上を満たしている。
・支援相談員:介護老人保健施設
・生活相談員:特定施設入居者生活介護、介護老人福祉施設
・相談支援専門員:障害者総合支援事業
・主任相談支援員:生活困窮者自立相談支援事業
2.ケアマネジャー試験に合格する
ケアマネジャー試験は毎年10月にあります。
試験日と合格発表は全国共通となっていますが、試験申し込み期間が都道府県によってかわります。
各自治体のホームページから申請費を確認して、申し込み期間が過ぎないようにしましょう。
- 試験申し込み期間:6月〜7月上旬
- 試験実施日:10月上旬〜中旬
- 合格発表日:12月上旬
なお、ケアマネジャー試験の勉強方法の詳細を知りたい方は、下記の記事を参照しましょう。

3.ケアマネジャー実務研修
ケアマネジャー試験に合格したら、ケアマネジャーの実務研修を受けなければなりません。
その研修内容は、
- 介護サービス計画の作成
- モニタリングの実施
などを講義・演習形式で行います。
研修時間は、国が定めたカリキュラムであるため、全国で共通しており通常は前期・後期に分けて87時間です。
なお、都道府県により実施される時期は異なり、実施場所も都道府県が指定した実施機関で行います。
4.ケアマネジャー資格への登録申請
ケアマネジャー実務研修を終えたら、3ヵ月以内に各都道府県でケアマネジャー資格の登録申請を行う必要があります。
ケアマネジャー実務研修を修了すると研修修了証明が受け取れますので、各都道府県の自治体のホームページから必要な書類や申請先を確認して、登録申請を行いましょう。
なお、登録申請と同時に交付申請も可能ですので、後述を参考にして合わせて交付申請も行いましょう。
5.ケアマネジャーの交付申請
ケアマネジャー資格の登録申請と同時に交付申請も行えます。
こちらでも、各都道府県の自治体ホームページから必要な書類などを確認して、交付申請を行いましょう。
交付申請を行うと、各都道府県知事からケアマネジャーの資格である「介護支援専門員証」が交付されます。
6.ケアマネジャーとして働く
申請が終わり、介護支援専門員証が手元に届けば晴れてケアマネジャーの一員です。
現在勤めている職場に、ケアマネジャーが必要とされているのであれば、そのままケアマネジャーとして働くことは可能でしょう。
しかし、資格を取得すれば仕事の幅も広がり、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・小規模多機能型居宅介護・介護療養型医療施設、などで、ケアマネジャー業務を行うことが可能です。
資格取得を機会に、新たな職場を選択するのも良いでしょう。
また、ケアマネジャーの業務内容として、
- ケアプランの作成
- 利用者の生活状況の把握
- 各事業所や医療機関との連携
- 要介護認定の調査
など多岐にわたります。
これらの業務に携われるように、コミュニケーション能力や業務コントロール能力が必要となるでしょう。
ケアマネジャー資格取得の最短学習期間は90日
ケアマネジャー資格は、ケアマネジャー資格取得のための通学講座を利用すれば、最短で90日とされています。
また、通信講座であれば、最短3ヵ月ほどです。
自分一人で勉強するのが苦手である方は、ケアマネジャー資格の通学講座や通信講座を利用してみても良いでしょう。
なお、以上の学習期間は、ケアマネジャー資格の受験資格を取得している者に限ります。
ケアマネジャーになるには長い実務経験が必要
今回はケアマネジャーになるための6ステップを紹介しました。
ケアマネジャーになるには、5年の長い実務経験が必要です。
しかし、5年間の実務経験はケアマネジャーを行っていくうえでの礎となるため、決して無駄ではありません。
適切なケアプランを作成するために必要なコミュニケーション能力や、多岐にわたる業務をこなすための業務コントロール能力などを磨いておきましょう。