
日本における介護サービスの施設・事業所数は、合計すると30万以上にも上ります。
そのため、待っているだけでは利用者が増えず、介護サービスにも営業が必要です。
この記事では、介護サービス事業所が営業するにあたって、押さえておいたほうが良いコツを紹介します。
事業所を運営または営業を担当していて、利用者を増やしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
介護サービス事業所における営業方法のコツ
介護サービスの施設・事業所数は、先述したように30万を超えます。
数多くある事業所のなかから選んでもらうためには、介護サービス事業所でも営業する必要があります。
どのように営業したら良いかわからない方のために、ここでは以下に挙げる3つのコツを紹介していきます。
- ほかの事業所との違いを明確にする
- 営業ツールに力を入れる
- こまめに訪問する
それぞれ見ていきましょう。
ほかの事業所との違いを明確にする
数多くある事業所のなかから選んでもらうためには、ほかの事業所との違いを明確にする必要があります。
しかし介護保険内のサービスでは、内容や料金について施設間での違いは少なく、差別化は簡単ではありません。
そこで、実際に差別化のために事業所が行っている事例を3つ紹介します。
- 緊急対応
介護サービスを受ける高齢者の多くは、健康状態に問題を抱えているため、予定外のサービスが必要になることもあります。
そのような急な場合でもすぐに対応できる事業所であれば、安心して選ぶことができます。 - 保険外サービスとの連携
保険内サービスだけでは、要介護認定者に関わる家事しかできません。
ホームヘルプサービスと家事代行サービスを連携させることにより、ご家族のこともまとめてサービスを受けられるようになります。 - レクリエーションの充実
従来のレクリエーションは、塗り絵や折り紙、昔の遊びなど、子ども向けで単調な内容が多く、退屈してしまう高齢者もいるのが実状でした。
近年は、高齢者を対象としたジムや、麻雀、パソコンなど、利用者の多様な興味に対応したレクリエーションを行うデイサービスなどが誕生しています。
営業ツールに力を入れる
品質の高いWebサイトやチラシなどがあれば、施設のイメージが良くなり、集客につながります。
以下は、準備しておきたい営業ツールの例です。
Webサイト | パンフレット | リーフレット |
アプローチブック | 利用者のアンケート集 | ケアプランのモデル資料 |
いずれのツールも、施設の外観や設備などハード面の紹介は控えめにしたほうが無難です。
かわりに、人物が笑顔で写っている写真や、入所後の過ごし方がイメージできる文章など、ソフト面の紹介を中心にしたほうが好印象につながります。
特に、利用者やスタッフの笑顔の写真は効果的です。
また、説明には専門用語を多用せず、わかりやすい言葉を使用し、文字のサイズやメインカラーにも気をつけてください。
こまめに訪問する
まずはこまめに訪問し、信頼関係を築くことも重要です。
人は、初対面の人と話すときは、どうしても警戒心を抱いてしまいます。
特に用事がなくても、何度も挨拶や会話を交わすことで、何かあったときに相談しやすい存在になることができます。
心構えとしては、質より量を重視すると良いでしょう。
すぐれたコミュニケーション力があっても、あまり顔を見せない人にはなかなか心を許すことはできません。
まずは、訪問回数を増やすようにし、コミュニケーションを重ねるなかで信頼関係を築くほうが有効です。
気をつけなければならないのは、訪問回数を増やすことだけを意識し過ぎて、相手の仕事の邪魔をしないことです。
また、他の事業所からも同じように訪問を受けている場合があるため、しつこくなり過ぎて営業先の負担にならないように注意してください。
介護サービス事業所にとって効果的な営業先
実務が忙しく、営業活動にまで手が回らないという悩みもよく聞きます。
あまり営業に時間をかけられない事業所であっても、以下4つの営業相手を押さえておけば、ある程度の集客が期待できるでしょう。
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業所
- 医療機関
- 地域住民
それぞれ紹介します。
地域包括支援センターへの営業
地域包括支援センターは、その地域に住む高齢者の方に向けてサービスを提供する公的機関の施設です。
担当エリア内の全戸訪問をしているところもあり、その地域に住んでいる高齢者の状況を把握しています。
地域包括支援センターでは、主に要支援者の紹介をしてもらえます。
その要支援者が、年数とともにやがて要介護者になることもあるでしょう。
早いうちから関わりを持つことで、今後の利用者獲得につながります。
居宅介護支援事業所への営業
居宅介護支援事業所は、相談者の要介護度に合わせた居宅サービスの紹介をします。
利用するサービスは、利用者自身やご家族も選択できますが、ケアマネジャーに任せるのが一般的です。
ケアマネジャーは、自らが所属している法人の介護サービスを勧めたいところですが「集中減算」制度があり、一つの事業所に集中して依頼はできません。
そのためケアマネジャーは、自社の法人以外にも、信頼して依頼できる事業所を探しています。
ケアマネジャーとコミュニケーションを取り、信頼関係を構築しておけば、利用者に対してサービスを紹介してもらいやすくなります。
医療機関への営業
医療機関への営業は、メディカルソーシャルワーカーやリハビリテーションスタッフなどに対して行います。
医療機関のなかでも、回復期のリハビリテーションをしている施設のメディカルソーシャルワーカーは、介護サービスの対象者を担当することもあります。
医療依存度が高い利用者にも対応できる事業所ならば、営業しておきたい場所です。
地域住民への営業
地域で暮らす人々への営業は、まず知ってもらうことが目的になります。
介護相談をはじめ、勉強会や老人クラブとの交流、ボランティアの受け入れなど、地域との接点を多く持てるよう活動しましょう。
接点を増やし、信頼を得ることで潜在的な顧客を獲得できます。
ケアマネジャーへのアプローチは介護施設にとって有効な営業方法
介護施設を探す利用者にとって、窓口となるのはケアマネジャーです。
そのため、介護サービス事業所の営業活動において、ケアマネジャーの信頼を得ることはとても重要になります。
特に、立ち上げたばかりの施設や利用者の回転率が低い施設は、近隣のケアマネジャーへのアプローチを積極的に行いましょう。
ケアマネジャーが介護施設を探す際には、利用者は緊急度の高い状態なのか、将来を見据えたほうが良いのかなど、あらゆることを考えます。
介護サービスの内容はもちろん、緊急時の連絡体制や人員配置など、運営体制の細かい情報まで伝えておくことで、ケアマネジャーに選ばれやすくなります。
また、こまめなアプローチは大事ですが、過剰にならないよう気をつけなければなりません。
ケアマネジャーは、ケアプランの作成や利用者の自宅訪問など、営業の対応以外にも多くの業務を抱えているうえに、他の施設からの営業も受けています。
過剰なアプローチはケアマネジャー本来の業務を妨げてしまい、かえって印象を悪くするおそれがあります。
邪魔にならないように気を配ることも重要です。
介護サービス事業所の営業のやり方を見直して悩みを解決しよう
介護サービス事業所における営業方法のコツは、ほかの事業所との違いを明確にする、営業ツールに力を入れる、こまめに訪問する、の3つです。
あまり営業に力を入れる余裕がない場合は、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、医療機関、地域住民の4点に注力すると良いでしょう。
介護サービス事業所は全国に数多くあり、待っているだけでは利用者は増えません。
今回紹介した3つのコツを参考に、営業方法を見直し、利用者増加をめざしましょう。