
柔道整復師は打撲や捻挫などのケガをした人に手技による施術をし、治癒能力を発揮させて回復へと導いたり、痛みを解消させたりする仕事です。
今回の記事では、そんな柔道整復師の将来性を解説していきます。
柔道整復師に興味がある人はぜひ最後までご覧ください。
目次
柔道整復師の将来は明るい
結論からお伝えすると、柔道整復師の将来は明るいといえます。
その理由を順に解説していきます。
活躍できる場が増えている
柔道整復師の将来は明るいとする理由の一つが、活躍の場が増えていることです。
柔道整復師の活躍の場と聞くと、接骨院や整骨院などをイメージする人が多いですが、最近ではスポーツ関連施設や教育施設、健康関連施設、介護保険関連施設などさまざまな場所で柔道整復師が求められています。
なかには、プロのスポーツトレーナーとして活躍する柔道整復師もいます。
健康意識へのニーズが高まっている
国民の健康に対する意識が高まっていることも、柔道整復師の将来が明るいといえる理由です。
最近では、ケガなどで体に痛みが発生してから接骨院に行くのではなく、「体を痛めないように」「メンテナンスの一環で」など、健康を維持する目的で施術を受けたり、柔道整復師に体に関する相談をしたりする患者さんもいます。
健康意識の高まりとともに、柔道整復師へのニーズも高まっているといえます。
AIと組み合わせた施術が期待されている
医療の現場ではAI技術の導入が推進され、柔道整復師においても同じ動きがあります。
「柔道整復師は自らの手を使って患者を治療するためAIは関係ないだろう」と考える人も少なくないかもしれません。
しかし、AIとともに診断することで、より正確で効果的な治療を提供できるようになる可能性もあります。
また、AIを導入することによってレセプト業務をはじめとする施術以外の業務を効率化でき、生産性を向上させることが期待できます。
その結果、柔道整復師は施術や治療のみに集中でき、より良いサービスを提供できるようになるでしょう。
柔道整復師の需要は増加している
柔道整復師の需要が増加している点も、柔道整復師の将来は明るいといえる理由です。
厚生労働省の令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況によると、令和2年末時点では75,786人の柔道整復師が就業していることがわかります。
また、柔道整復師の施術所数は令和2年末時点では50,364ヵ所で、平成30年時点と比較して287ヵ所も増加していることがわかります。
先述したように、柔道整復師の活躍の場は医療機関や整骨院・接骨院などの施術所のみならず介護福祉業界やスポーツ業界にまで広がっていて多種多様です。
高齢化がすすむ現代社会において、柔道整復師への需要は今後も高まっていくことが予想できます。
そして、高まる需要に対して、柔道整復師として働くための学びの場も拡大している点も重要なポイントです。
平成10年には全国にたった14校しかなかった柔道整復師養成学校ですが、平成27年には109校にまで増加しました。
それだけ、柔道整復師をめざす人が増えているといえるでしょう。
柔道整復師のメリットやデメリットについて詳しく知りたい人は、以下のリンクもご参照ください。
柔道整復師として活躍できる場
柔道整復師の活躍の場が多岐にわたることは先述したとおりです。
ここからは、柔道整復師の具体的な就職先を解説していきます。
整骨院や接骨院で働く
柔道整復師の活躍の場として代表的なものに、接骨院や整骨院があります。
捻挫や打撲、骨折などに対する応急処置や、腰痛・肩こりなど体の痛みに対する手技施術などが主な業務内容です。
十分な経験を積んだのち、独立開業する柔道整復師も少なくありません。
整形外科で働く
整形外科も、柔道整復師の勤務先としてポピュラーです。
整形外科では疾患の診断や治療などは医師が中心となって行いますが、柔道整復師は、医師と連携しながらリハビリテーションや運動器への施術を通して患者さんと関わります。
さまざまな疾患や症例を知ることができ、スキルアップやキャリアアップのための勉強がしやすい環境です。
介護・リハビリテーション施設で働く
高齢化や介護保険制度の充実化にともない、介護の現場においても柔道整復師の需要が高まっています。
柔道整復師の資格を持っていれば、高齢者のあらゆる身体機能回復を促す機能訓練指導員として勤務できます。
機能訓練指導員は、リハビリテーションや機能訓練を通して高齢者の生活や療養を支える立場です。
特別養護老人ホームやデイサービスなど、施設によっては機能訓練指導員の1名以上の配置が義務付けられていることもあり、介護の現場における柔道整復師のニーズは、今後も高まり続けるでしょう。
スポーツトレーナー・健康関連施設で働く
スポーツが好きな柔道整復師であれば、スポーツトレーナーとしてトレーニングジムやスポーツクラブなどのスポーツ関連施設や、地域の健康関連施設などで勤務することも可能です。
具体的な業務内容としては、競技中、トレーニング中のケガに対する応急処置やサポートに加え、選手が体のコンディションを整えるためのサポートやメディカルケアなども行います。
スポーツトレーナーとして働くための民間資格もありますが、国家資格である柔道整復師の免許があれば就職先からの信頼を得やすくなるでしょう。
柔道整復師の年収が気になる人は、下記のリンクもご覧ください。
未来を見据えた柔道整復師の働き方
柔道整復師の未来が明るい理由を理解していただけたかと思います。
しかし、柔道整復師の資格さえあれば、誰でも明るい未来が確定しているわけではありません。
柔道整復師としての技術を磨き続けるのはもちろんのこと、進歩していく医学や医療の知識を勉強したり他の資格も取得したりと、努力を続けることが何よりも重要です。
柔道整復師の数が増え続けているということは、ライバルもそれだけ多くなっているということです。
「今が良ければそれで良い」と考えるのではなく、常に未来を見据えて動いておく必要があることを理解しておきましょう。
柔道整復師は需要が高く将来性のある仕事
今回は、柔道整復師の将来性を解説しました。
さまざまな分野で活躍できるようになったことや、健康への意識が高まっていることなどから、柔道整復師の需要は高まっています。
しかし、需要増に応じて柔道整復師をめざす人も増えており、競争が激化することも考えられます。
また、この需要高の状況がいつまでも続く保証はないので、今の状況に甘んじることなく、将来にわたって活躍し続けられる柔道整復師をめざして、日々努力していくことが重要です。