生活支援員は心身に障がいを持つ方やその家族の相談を受けたり、日常生活の支援や指導を行います。
通所・入所を問わず、障がい者に寄り添いながら働く姿をみて、生活支援員の仕事に魅力を感じる人もいらっしゃることでしょう。
生活支援員には、どのようなやりがいや楽しさがあるのでしょうか。
今回は、生活支援員として働く楽しさややりがい、生活支援員をめざすうえで大切なポイントをくわしく解説します。
目次
生活支援員の仕事で楽しいこととは?
生活支援員は障がい者の日常生活をサポートしつつ、少しでも自立した生活ができるよう支援や指導を行います。
仕事内容はもちろんのこと、常に笑顔で対応する姿も魅力的です。
生活支援員の仕事には、どのような楽しさがあるのかくわしく解説します。
利用者とともに笑顔になれる
生活支援員は、障がいがある利用者さんの立場に立って、できないことをサポートしつつ、できることを増やす手伝いをしています。
困難に挑む障がい者の立場に寄り添い、一緒に頑張っているからこそ、できなかったことができるようになったときの喜びもひとしおです。
利用者さんの笑顔が増えると、もっと楽しくしたいという気持ちも生まれます。
利用者さんと一緒に喜び、ともに笑えるのは、生活支援員の楽しさといえるでしょう。
利用者との距離が近くなる
日々の業務を通じて、利用者さんとの距離が近くなるのも、生活支援員の仕事ならでは楽しさの1つです。
重度の障がいがある利用者さんだと、ほんのわずかなコミュニケーションすら難しいことがあります。
しかし、利用者さんの様子をみながらゆっくりと時間をかけていくと、少しずつ信頼関係が築けてお互いの距離を近く感じられるようになることもあります。
少しずつでもより良いコミュニケーションが取れるようになると、生活支援員の仕事の楽しさを感じられることでしょう。
利用者の成長を身近で感じられる
サポートしている利用者さんの成長を、身近で感じられるのも生活支援員の楽しさです。
リハビリや指導を始めたばかりの時期は、利用者さんのできることも限られています。
着替えや食事など、日常生活がままならないこともあるでしょう。
しかし、生活支援員がめざすのは、利用者さんがより良い生活を送れるようにすることです。
利用者さんと一緒に頑張ってできることが増えてくると、利用者さんの成長を感じて楽しくなることでしょう。
生活支援員のやりがい
生活支援員は利用者さんと向き合うことで、仕事を通して楽しさを感じられます。
では、仕事のやりがいの面ではどのような魅力があるのでしょうか。
生活支援員のやりがいをくわしく解説します。
福祉の知識やスキルが身につく
利用者さんの持つ障がいは、一人ひとり異なります。
それぞれの障がいに合わせて、適切なサポートや対応を行わなければなりません。
質の良いサポートを提供するためには勉強が必要で、勉強することで福祉の幅広い知識を身につけられます。
さらに、生活支援員として働き続けることで、より専門的なスキルも高まります。
知識とスキルを兼ね備えたサービスは、生活支援員としての自信へとつながることでしょう。
ステップアップができる
生活支援員の仕事で身につけた知識とスキルは、福祉分野でのステップアップに役立ちます。
例えば、福祉分野でもっと統括的に働きたいなら、生活支援員の実務経験を活かしてサービス管理責任者になるのも良い方法です。
役職的に上をめざさない場合でも、福祉事業にたずさわるプロとして、心身ともにステップアップできます。
多くの利用者さんと向き合い、さまざまな障がいへの対処法やトレーニング技術を身につければ、技術的にも精神的にもやりがいを感じられることでしょう。
利用者やご家族に感謝の言葉をもらえる
利用者さんやご家族から感謝の言葉を伝えられたとき、やりがいを感じる人もいます。
利用者さんやご家族にとって、できることが増えるのは大きな喜びです。
一緒に頑張ってきたことに対する「ありがとう」という言葉は、取り組みへの大きな成果であり、やりがいにつながります。
また、利用者さんのご家族からできるようになったことを伝えてもらえると、自分では気がつかなかった良い変化を知ることもできます。
感謝の言葉を通じて、利用者さんやそのご家族と良い関係を築けることでしょう。
企画やイベントが認められる
施設で行われる企画やイベントは、利用者さんやご家族にとっても楽しいものです。
お花見や七夕といった季節感のあるものから、ゲームや料理教室などのレクリエーション的なイベントまであり、楽しみにしている利用者さんもいます。
このような企画やイベントは、利用者さんやご家族の笑顔が見られる大切な機会です。
「参加してよかった」「楽しかった」などの感想をいただいたとき、企画やイベントが認められたうれしさと、生活支援員のやりがいを感じられることでしょう。
生活支援員にとって大切なこと
生活支援員は、障がいを持つ利用者さんと向き合い、支援や指導を行いながら、自分でできることを増やすサポートをします。
では、生活支援員になるためには、どのようなことが大切なのでしょうか。
以下でくわしく解説します。
信頼関係の構築
利用者さんとそのご家族との信頼関係を構築するのは、生活支援員としてサポートするうえで大切なポイントです。
信頼関係が構築できなければ、適切なコミュニケーションが取れません。
ご家族から信頼を得られないと、サービスに対して不信感をもたれる可能性もあります。
利用者さんとそのご家族は、障がい者に対する理解や、人権・尊厳を守ることを求める傾向があります。
信頼関係を構築して、お互いに気持ちよく対話できる環境を作りましょう。
問題解決への取り組み
生活支援員は、何かしらの問題が起こったときに、解決へ向けて取り組む姿勢を求められることもあります。
例えば、問題がなぜ起こってしまったのかを分析したり、利用者さんやご家族の意見を取り入れた対策を立てるなど、目に見える取り組みが大切です。
福祉の現場では、最初の予定どおりにケアができないこともあります。
そんなとき、生活支援員が耳を傾け、問題解決へ向けて尽力してくれると、利用者さんもご家族も安心できることでしょう。
変化に気付く洞察力
洞察力があることも、生活支援員には大切なポイントです。
よく観察力と同じだと思われがちですが、洞察力は観察により得られた情報から「隠れた本質を見抜く力」のことを指します。
つまり、利用者さんのちょっとした変化に気付き、「何かあったかな?」「もしかして体調が悪いのかな?」と洞察する力が重要です。
利用者さんの変化に気付けないと、大きな怪我などにつながる可能性もあります。
生活支援員をめざす人は、意識して洞察する癖をつけてみましょう。
相手の立場で考える力
生活支援員は、相手の立場になって考える力を身につけることも大切です。
人の意見は、必ずしも同じではありません。
利用者さんとご家族で意見が違ったり、施設のスタッフ内で食い違ったりします。
もし、相手の立場で考える力を持っていれば、それぞれの意見を取り入れて、よりベストな方法を見つけられるでしょう。
できるだけ幅広い視点を持って、多角的に考えられるよう心がけてください。
前向きで明るい性格
前向きで明るい性格の人は、生活支援員に向いています。
利用者さんやそのご家族は、障がいという問題を抱えて、つい後ろ向きな気持ちになることもあります。
そんなとき、利用者さんやご家族に寄り添う生活支援員から、前向きな言葉や明るい雰囲気を伝えられれば、ネガティブな気持ちを少しずつでも和らげられるでしょう。
自分の性格がよくわからない場合も、意識して前向きで明るい雰囲気を出すようにしてみてください。
冷静な対応力
生活支援員には、冷静な対応力が求められます。
利用者さんのなかには、突然暴れ出したり粗相をしたりといったハプニングを起こす方もいますので、状況を素早く冷静に判断しなければなりません。
冷静な対応力に加えて危機管理能力があると、利用者さんも周囲の人も傷つけず、速やかに問題をおさめられるでしょう。まずは慌てずに対応するところから始めて、冷静な対応力を身につけるようにしましょう。
生活支援員の仕事はどのような点がつらいのか、くわしく知りたい方は以下のページもご参照ください。
生活支援員は楽しくてやりがいもある仕事
生活支援員は、障がいを持つ方の状態を確認しながら、その日常生活をサポートする仕事です。
利用者さんとご家族の気持ちに寄り添い、できることを増やすリハビリを一緒に行うので、利用者さんの笑顔やご家族からの感謝の言葉にやりがいを感じることでしょう。
信頼関係がなかなか築けなかったり、洞察力や意見を聞く姿勢を持てないと、大変さを感じることもあります。
しかし、大変さを乗り越えた先にある楽しさは、生活支援員としての大きな喜びになります。
生活支援員にとって大切なポイントを意識して、前向きな気持ちで生活支援員をめざしましょう。