
医療ソーシャルワーカーとして働くには、どのような資格が必要なのか気になるところです。
厚生労働省の法令では医療ソーシャルワーカーという資格は存在せず、多くは社会福祉士または精神保健福祉士の資格を持っている方が、医療ソーシャルワーカーとして働いています。
医療ソーシャルワーカーは資格なしでもめざせるのでしょうか?
そこでこの記事では、医療ソーシャルワーカーは資格がなくてもなれるのかを、解説しています。
また、ハローワークや日本医療ソーシャルワーカー協会から出ている求人情報を調査した結果も紹介しているので、これから医療ソーシャルワーカーをめざす方は、ぜひ参考にしてください。
目次
医療ソーシャルワーカーは資格なしでもなれる?
医療ソーシャルワーカーは、特定の資格はありません。
そのため、資格がなくても医療ソーシャルワーカーとして働くことはできます。
しかし求人には、社会福祉士か精神保健福祉士のいずれかの資格者を応募要件にしているケースが多く見られます。
資格者の採用は、信頼感や支援の質の担保が理由の一つです。
また社会福祉士の場合、診療報酬の加算があることも応募要件にしている理由の一つになります。
社会福祉士になるには
医療ソーシャルワーカーの資格要件の一つである、社会福祉士になる方法を解説します。
社会福祉士は病気や障がいなど、さまざまな理由によって生活に問題を抱える人を支援する国家資格です。
国家試験の受験資格を得るまでのルートは12通りあり、指定科目を履修した福祉系大学・短大を卒業するのが早い方法です。
一般大学を卒業した方でも、一般養成施設(1年以上)を卒業すると、受験資格が得られます。
養成施設のなかには、通信制を採用しているところもあるので、働きながら受験資格の取得も可能です。
受験資格を満たしたうえで国家試験に合格すると、社会福祉士になれます。
精神保健福祉士になるには
医療ソーシャルワーカーの資格要件の一つである、精神保健福祉士になる方法を解説します。
精神保健福祉士は、精神の病気や障がいを抱えた人をサポートする国家資格です。
国家試験の受験資格は社会福祉士と同じであり、福祉系の大学や養成施設にて一定のカリキュラムを修了したあと、国家試験に合格する必要があります。
国家試験の受験資格を得るまでのルートは11通りあり、指定科目を履修した保健福祉系大学・短大を卒業するのが早い方法です。
受験資格を満たしたうえで国家試験に合格すると、精神保健福祉士になれます。
医療ソーシャルワーカーの求人募集状況
ハローワークが発表した2021年度の医療ソーシャルワーカーの求人倍率は4.18でした。(求職者1名に対して求人数が4.18件ある状態)
看護師の有効求人倍率が2.37、薬剤師が2.87のため、医療ソーシャルワーカーの求人は、他の医療者と比較すると多い傾向です。
地域ごとの求人倍率を表にまとめました。
地域により多少の差はありますが、都市部に集中しているわけではないため、人口が原因の地域格差はありません。
北海道 | 3.02 | 大阪 | 4.38 |
青森 | 4.26 | 島根 | 3.62 |
宮城 | 4.65 | 広島 | 5.53 |
東京 | 4.38 | 高知 | 3.8 |
新潟 | 4.53 | 福岡 | 3.44 |
長野 | 3.58 | 鹿児島 | 4.22 |
愛知 | 4.66 | 沖縄 | 3.19 |
出典:医療ソーシャルワーカー – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)
医療ソーシャルワーカーの無資格の求人募集状況は?
医療ソーシャルワーカー全体の求人倍率は高い傾向ですが、無資格者の求人はあるのでしょうか?
実際の求人情報を、ハローワークと日本医療ソーシャルワーカー協会の求人情報サイトで調べました。
両サイトどちらも大学病院から個人病院まで各種規模の施設による求人情報があり、応募要件にはいずれも「社会福祉士」または「精神保健福祉士」の資格が必須項目としてあげられていました。
調査したなかでは、無資格者の求人募集はなく、医療ソーシャルワーカーをめざすのであれば、「社会福祉士」または「精神保健福祉士」のいずれかを取得するのが無難だと考えられます。
医療ソーシャルワーカーの求人条件を理解してめざしてみよう
医療ソーシャルワーカーという資格は法律上ありません。
社会福祉士または、精神保健福祉士の有資格者が就いているのが一般的です。
日本医療ソーシャルワーカー協会の求人情報では、社会福祉士と精神保健福祉士のどちらかの資格が応募要件に記載されていました。
そのため、医療ソーシャルワーカーをめざすためには、上記2つどちらかの資格取得が必要です。
社会福祉士または精神保健福祉士の資格を取得して、やりがいのある医療ソーシャルワーカーをめざしましょう。