臨床検査技師は、検査によって患者さんの状態にいち早く気付いて医師に対応を求めるなど、人々の健康を守る重要な職業です。
医療系の仕事のなかでは「検査の専門家」として頼られる大きな存在です。
そんな臨床検査技師の仕事に興味があるものの、やりがいがある仕事なのかと気になっている方もいるかもしれません。
この記事では、実際に臨床検査技師の仕事に就いている方の声をもとに、やりがいやメリットなどを紹介します。
目次
臨床検査技師のやりがいとは?経験者の実際の声
経験者の声をもとに臨床検査技師としての仕事のやりがい・魅力についてみていきましょう。
人の命を救える
臨床検査技師は健診センターで血液検査や超音波検査をして健康をチェックする人というイメージがあるかもしれませんが、実は、人の命を救うことに大きく関わっています。
医師の問診だけではわかりにくいことも、臨床検査技師の専門的な検査によって判断して対応できることもあります。
採取された血液や細胞などから、がんや感染症などを早期発見できることもあります。
心電図では不整脈や心筋梗塞、狭心症などの発見、超音波検査では肝硬変や胆石、膵炎などが発見できます。これらの検査も技師の役割になるので、患者さんの命を守る大切な仕事です。
ここでは実際に働いている人の声を紹介します。
経験者の声
・腹部超音波検査では、検査結果が病変の発見につながり早期治療が行えた時などは臨床検査技師を選んで良かったと感じる時です
引用元:先輩からのメッセージ 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
私は病理検査という仕事がとても好きです。標本作成過程には様々な技術があります。さらに、たくさんの幅広い知識を必要とします。だからこそ、やりがいに感じています。そんな病理検査を通して、患者様の診断・治療に貢献できるということは私にとって何よりの魅力です。
引用元:先輩メッセージ(卒業生VOICE) 湘央医学技術専門学校 臨床検査技術学科(学校法人 湘央学園)
学んだことが仕事に活かせる
臨床検査技師になるために学校で学んだことを基礎として働きながら、「検査の専門家」として経験を積みながら働くことができます。
また、学校で学んだ知識以外にも、多くの患者さんと接することで実際に経験を積んで活かされていきます。
最初は難しいと感じる生理検査や検体検査も経験を積めばスムーズにこなせるようになり、自信にもつながるでしょう。
さらに異変を見逃さない、検査時間の短縮、痛みの少ない採血など、患者さんの負担を減らせるだけでなく、自分自身のやりがいにもつながります。
経験者の声
他職種の方々と関わる機会も多く、ディスカッションをする中で検査技師としての意見やアドバイスが活かされた時はとてもやりがいを感じます。
引用元:先輩からのメッセージ 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
病気を見つけた時、初めて見る所見に出会った時、仕事をしているという実感をする。
勉強するにしても範囲がかなり広いので終わることがない。学びたい放題。
以前医師が「技師さんが検査結果を出してくれるから、私たちが診察できる。いつもありがとう。」と言ってくださったことが心に残っている。
引用元:臨床検査技師が明かす仕事の本音 ~年収や給料、転職・就職の実態は?~
私の仕事に対するこだわりは、様々な情報を積極的に取り入れ、常に観察し考えながら検査をすることです。検査結果は、様々な要因で変化することがあります。正しい結果を報告することは大変なことですが、そこにまたこの仕事の魅力や楽しさを感じています。
チーム医療に貢献できる
現在の医療では、医師や看護師、薬剤師、管理栄養士、診療放射線技師など、各分野の専門性を活かしたチーム医療を取り入れ、最善の医療を提供する体制を組んでいます。
臨床検査技師もチーム医療のチームの一員として活躍しています。
チーム医療における臨床検査技師の役割としては、検査室で行う実際の検査や、患者さんの採血や各種検査に用いられる検体の採取、患者さんへの検査内容の説明などです。
またそんなチーム医療の一員として働くことにやりがいを感じている方もいます。
経験者の声
・他職種の方とコミュニケーションがとれチーム医療の一員としてやりがいがある。
引用元:http://honne.biz/job/sa170/7/
臨床検査技師と聞くと、部屋にこもって検査をする仕事だと思うかもしれませんが、「チーム医療」が求められる今、患者さんとの接点も多くなっています。だからこそ、臨床検査技師に求められるのは「コミュニケーション力」であり、「患者さんのことを考えた検査」です。
引用元:関西医療大学/卒業後のキャリア【スタディサプリ 進路】
昨今チ-ム医療がさかんに言われ、NSTや院内感染防止など、多職種と共に行う仕事が増えています。その中で検査技師の価値を認めてもらったり、自身も他の職種の考え方に感心したりするなど、今までなかった意識が生まれているように感じています。
病院内のICT(感染制御チーム)や、NST(栄養サポートチーム)等に積極的に参加していくことである。それらのチームに参加することで、医師や看護師、他のコメディカルの職員と接することで、普段の業務をしているだけではなかなか知ることのできない事を学ぶことができると思う。他には検査技師側から情報を伝えたりすることもできる。そのような事を経験することで、今まで以上に自分の業務にやりがいと責任を感じることができ、病院内における検査技師の良い未来を、若手検査技師の力で作っていけるだろう。
自身の特性や将来性やの観点から見た臨床検査技師の仕事
検査方法は多岐に渡り、技術の発達によって医療機器も新しくなるため、知識だけでなく技術も求められます。
また主要部分だけでなく細部まで詳しく知らなければ、スムーズな検査ができないこともあるでしょう。
そのため、臨床検査技師は以下のような方が向いているといえます。
- 地道にコツコツ勉強できる人
- 気が使える人
- 的確に物事を判断できる人
臨床検査技師は、医療の技術の進化で常に検査の知識を習得していく必要があり、日々の勉強が欠かせません。
まずは、自身がこれらに該当しそうかを考えてみましょう。
臨床検査技師からのキャリアアップとして、超音波検査士や認定血液検査技師を狙う方法もあります。
また、臨床検査技師として今後長く続けるためにも、将来性のある仕事なのか気になる方もいるかもしれません。
AIの発達などで仕事がなくなるという話もありますが、人生100年時代の観点から予防医療が注目されています。
健康のためにもより臨床検査技師の専門的な知識や経験が役立ってくるのでまだまだ将来性はある職業といえるでしょう。
臨床検査技師の将来性について詳しく知りたい方は以下を参考にしてください。
臨床検査技師は大変だけどやりがいのある仕事
臨床検査技師の仕事は、医師や看護師のように表に立つ職種ではないものの、医療を支える大切な存在です。
決して楽な仕事ではありませんが、チーム医療の一員として役割を果たせた瞬間や、自身の経験を活かして仕事を成し遂げられたときの達成感は大きいでしょう。
ここで紹介した先輩たちの声を参考にしながら、どの道に進むかあらためて考えて見てはいかがでしょうか。
臨床検査技師の仕事内容について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。