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助産師が働く場所とは?病院以外にも活躍できる職場を紹介

助産師が働いている場所として誰もが想像するのは、病院です。
しかし、これから助産師になる方や転職を考えている方のなかには、病院以外の勤務先を探している方もいるでしょう。
助産師が働いている場所は病院以外にもたくさんあり、さまざまな形で妊娠・出産・産後をサポートしています。

この記事では、助産師として働ける場所を詳しく解説します。

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助産師が働く場所はどのような職場?

助産師が働く場所はどのような職場?

助産師は、さまざまな職場で活躍ができる職業です。
働き方や、助産師として行いたい仕事内容に重点をおいて職場を探すことで、理想の職場に出会うことができるでしょう。

助産師の主な職場を紹介します。

病院

助産師が最も多く働いている場所が、病院です。
病院と聞くと大きなものを想像するかもしれませんが、20床以上の病床を持つ医療機関 を病院と呼びます。
2012年の看護関係統計資料(日本看護協会出版会 編集)によると、助産師約34,000人のうち、約21,00人が病院勤務をしています。

助産師の多くが病院にいるということは、それだけ妊婦さんが病院を利用しているということです。
病院には常に医師がいるため、異常があった場合でも早期の発見や適切な医療を受けられる安心感があります。
その分、正常なお産からリスクの高いお産までさまざまな事情を抱えた妊婦さんが訪れる場所であり、助産師はあらゆるケースのケアや介助が求められます。

無痛分娩といった病院でしか行えない分娩もあり、近年は医師に代わって助産師が診察を行う助産師外来を設ける病院もあります。
求人の面でいえば、大きな病院ほど助産師の数が多いため、募集も見つけやすいでしょう。

診療所

病院の次に助産師が多いのが、診療所です。
診療所勤務の助産師の数は、2012年の看護関係統計資料(日本看護協会出版会 編集)によると約8,100人となっており、助産師のほとんどが病院と診療所に所属していることがわかります。

診療所と病院の違いは、病床数です。
19床以下の医療機関が診療所 と呼ばれていて、医師と助産師が協力してお産を行う点は同じです。

一方で、働いてみて病院との違いを感じる点は、人の少なさ
大規模な病院と比べて働くスタッフの数や来院者が少なく、遠方から足を運ぶというよりは、近隣に住んでいる妊産婦さんが利用する医療機関になります。
そのため、アットホームな雰囲気が漂う職場もあり、打ち解けた空間で仕事をしたい方には向いているでしょう。

助産院

助産院とは、助産師が中心となってお産の介助をしたり、母子に保健指導を行ったりする施設です。
助産所とも呼ばれ、2012年の看護関係統計資料(日本看護協会出版会 編集)によると約1,900人の助産師が働いています。

妊娠から分娩までを助産師が行うことから、妊婦さんと信頼関係を築きながら出産を迎えることが可能です。
また、産後のケアやサポートまで行う体制を設けていることが多く、コミュニケーションを取りながら生命の誕生と成長に携わることができるため、近年助産師から注目されています。

助産院の特徴

助産院は助産師が施設責任者となって、妊産婦さんの定期検診や分娩を行います。
病床数は9床以下 と決められており、お産のための専用施設なので、訪れる方は妊産婦さんしかいません。

主な仕事内容は、検診・介助・保健指導です。
妊娠中の定期検診を行って経過を確認したり、分娩の介助を行ったりします。
助産院では扱えないと判断した場合は、提携している医師や医療機関で受診を行うことで、安全に出産できるような仕組みがあるので安心です。

また、助産院が特に力をいれている保健指導では、妊娠中の食生活指導や産後の母乳ケア、育児相談などを行っています。
ケア事業を主な業務とする助産院や出張型の助産院もあるため、就職を考えている方は業務内容を確認することが大切です。

病院や診療所との違い

病院や診療所と最も違う点は、医師がいないことです。
助産院には助産師しかいないため、医療行為を行うことはできません。

そのため、分娩時に帝王切開や吸引分娩が必要になった場合は、ただちに提携病院などの医療機関へ搬送する必要があります。
ほかにもハイリスクな出産や合併症・婦人科疾患がある場合は、受け入れを断ったり医療機関の利用を勧めなくてはなりません。
受け入れられる妊産婦さんが限られている分、一人ひとりに手厚いサポートを行うことに重点を置いているのが助産院です。

また、多くの助産院には分娩台がなく、四つん這いや横向きなど、妊婦さんが一番楽に感じる姿勢でお産に臨むことができます。
リラックスした状態でお産を迎えられるため、母体や赤ちゃんへの負担を軽減できると言われています。

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その他、病院以外で助産師が働ける場所

その他、病院以外で助産師が働ける場所

このほかにも、助産師が働いている場所は多くあります。
病院以外の場所で働きたいと考えている方は、以下の職場も検討してみてはいかがでしょうか。

不妊治療を専門にするクリニック

不妊治療専門のクリニックは、産婦人科のなかでも不妊治療に特化した医療機関です。
医師や看護師が常駐し、不妊の原因究明や治療を行います。

不妊治療がほかの職場と異なる点は、患者さんです。
一般的な病院では妊産婦さんが患者さんにあたります。
しかし不妊治療では、これから妊娠を希望している方が患者さんになります。
そのため赤ちゃんの状態を確認する検診などはなく、検査や不妊治療中の心のケアが助産師の重要な仕事です。

産後ケアセンター

産後ケアセンターは、産後のお母さんと赤ちゃんが訪れる宿泊型のケア施設です。
助産師や看護師などの専門家からサポートを受けることで、お母さんと赤ちゃんが安心して過ごすことができる施設になります。

主に出産後の育児支援を行う施設となっているため、出産の立ち会いといった仕事はありません。
助産師の仕事は、臨床心理士や看護師と協力して24時間体制で宿泊しているお母さんや赤ちゃんのケアをすることです。

育児指導やマッサージ、カウンセリングなどのサービスも行っていて、産後うつを防止する目的もあります。
赤ちゃんのお世話をすることもあるので、子どもが好きな方や育児経験がある方に向いています。

出張型助産師

出張型の助産師は、名前のとおり自宅で定期検診や分娩を希望する妊婦さんのニーズに応えるサービスです。
出張型助産師になるには、出張専門の助産院勤務や出張サービスを行っている助産所に勤務する方法があります。

出張で対応できる範囲は産前から産後まで幅広く、妊婦さん一人ひとりにきめ細かな対応を行えることが特徴です。
自宅というリラックスできる空間で検診を行うことで、出産に関する悩みを打ち明けやすくなる効果も望めます。
産後ケアを併せて行っている施設もあるため、妊婦さんのサポートをしたい方に向いています。

保健所

助産師は、保健所や保健センターへ勤務もできます。
保健所では子育て支援や乳幼児健診、育児相談など、地域に住むお母さんに向けたさまざまな支援を行っています。

自治体によっては助産師が電話やWeb相談を受け付けているところもあり、国の機関として出産や子育ての支援が可能です。

ただし、保健所や保健センターは行政機関になるので、勤務するためには公務員試験に合格する必要があります。

助産師として働く場所を探す前に知っておくべきこと

助産師は生命の誕生をサポートをする、魅力的な職業です。
これから助産師として働こうと考えている場合、事前に知っておくべきことを紹介します。

助産師としての役割を理解する

まず大切なのは、助産師の役割をしっかり確認して、理解することです。

助産師は妊婦さんの健康管理や出産のサポートだけでなく、産後のケアや不妊治療、育児相談など幅広い業務を担います。
助産師は赤ちゃんとお母さんの命や健康に関わる役割であり、非常に責任が重い仕事ともいえます。

職場を決めるときは、求められる役割や責任を理解し、きちんと果たすことができるか考える必要があるでしょう。

自分が助産師に向いているか考える

助産師は、出産という命の誕生する瞬間に立ち会える感動的な職業です。
しかし、すべてが喜ばしいことばかりではありません。
できる限り手を尽くしても避けられない事態はあり、悲しい場面に立ち会うこともあるでしょう。

助産師の仕事を続けるには、真摯に命と向き合う精神力を必要とします。
また、お産は深夜や早朝でも関係なく発生し、終わるまで気を抜けない時間が続くため、根気や体力も必要になります。

助産師に向いている人はどのような人なのか詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

助産師の平均年収と比較しながら仕事を探す

すでに職場探しをはじめていて気になる職場があった場合は、助産師の平均年収と比較して待遇や収入を検討してみましょう。

助産師の平均年収は、約550万円です。
ただし、助産師は同じ勤務先で勤続年数を重ねるほど、収入も上がっていきます。
金額だけで働く場所を決めるのではなく、継続して続けられる要素も比較して決めるのが良いでしょう。

働く場所は多数!活躍の場を探し出そう

助産師は妊娠・出産・育児のサポートを通じて社会に大きく貢献ができる資格です。
病院だけでなく、助産院や産後ケアセンターなど就職先にはさまざまな選択肢があります。
働く場所によって仕事内容もさまざまなため、きっと一人ひとりにあった職場が見つかるでしょう。

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執筆者について

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