助産師をめざしているけれど、需要のある仕事なのか、自分に向いているのかが不安……という方も多いのではないでしょうか。
就職する前に不安を解消しておくことで、心置きなく助産師をめざせるでしょう。
ここでは、助産師は将来的に需要のある仕事なのかを解説します。
助産師に向いている人や年収も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
助産師の需要は今後どうなる?
日本では少子化が問題となっていますが、今後も助産師の需要がなくなることはないとされています。
なぜ助産師の需要は高いままなのか、その背景にある2つのポイントをご紹介します。
助産師の必要性に疑問を感じている方は必見です。
産科医が不足している現状
現在、産科医を含む医師が不足していることから、助産師の需要も高まっています。
厚労省では医師の労働環境の改善に関して話し合われており、労働環境を改善した場合、医師の数は不足するとされているのです。
1日8時間、週40時間が労働基準法で定められている基本的な労働時間の上限です。
法律をもとに医師数の状況を試算すると、現在の医師数では十分な医療体制を維持するのが難しいとされています。
特に産婦人科のある病院での不足が懸念されていることから、医師の労働環境改善を進めていくほど、出産のサポートができる助産師の需要が高まる傾向にあると考えられます。
母子ケアのプロとして必要とされている
助産師は出産のサポートをするだけでなく、出産後の母子をケアする役割もあります。
現代は核家族化が進んでおり、退院後の自宅では夫が待つのみという家庭も多くなっています。
祖父母などの手助けが期待できなければ、産後の生活サポートは夫のみの場合も多いでしょう。
大人二人が協力できれば十分と考える方もいるかもしれませんが、育児に慣れない二人で不安を抱えたり、上の子のお世話との両立が大変だったり、仕事でサポートの時間が十分にとれない場合もあります。
母親が身体的にも精神的にも大変な時期に、赤ちゃんのお世話に知見のある第三者の存在は大きな助けとなるため、地域の助産師の手助けが必要とされています。
助産師が産後の母親に寄り添い、相談に乗ることで母親の不安や負担を和らげてくれるでしょう。
母親が問題なく、心穏やかに育児するためのサポートも行う必要があるため、助産師はさまざまな場面で求められています。
助産師の未来について
助産師は需要が高いとされていますが、将来的にこの需要が続くのかが不安な方も多いでしょう。
ここでは、助産師の未来はどうなるのか、就職すれば長く働き続けられるかどうかについて解説します。
助産師のみでの対応を促す動きも
厚生労働省では、助産師のみで出産を行うよう全国の病院に働きかけています。
出産は医師と助産師が立ち会うことが基本ですが、医師数の不足により、立会いが困難となっているケースもあります。
母子ともに健康な状態であること、そして困難を伴わない出産であることの2つが揃っていれば、助産師のみで出産ができるよう体制を変えているのです。
もちろん出産に問題が発生するケースでは、医師が立ち会います。
このケースが全国的に広がれば、助産師の需要はさらに高まることが予測されます。
助産師の未来は少子化でも需要がある
助産師は将来的になくなることのない職種であり、少子化が進んでも求められる人材です。子どもが少なくなったとしても、誕生する赤ちゃんがまったくいないわけではありません。前述したように医師なしでの出産体制が後押しされているため、助産師はこの先も必要です。
専門性が高いことを証明する、アドバンス助産師という制度も2015年から始まっています。
豊富な経験があること、研修を受けていることで証明できるもので、アドバンス助産師になれば、社会的な地位も上げられるでしょう。
現状助産師の数は少なく、求人も多数でており、助産師は需要がゼロになる心配のない職種といえるでしょう。
助産師の不足状況についてはこちらを参考にしてください。
これから助産師の仕事に就きたい方へ
これから助産師の仕事に就きたいと考える人は、いくつかの疑問を持っているかと思います。
ここでは、助産師の仕事に多く寄せられる質問のなかから、4つをピックアップしてご紹介します。
気になることがある方はぜひ参考にしてください。
助産師の仕事はきつい?
助産師は出産の立会いや産後の母親のサポートなどを行うため、知識と経験が求められる職種です。
命が誕生する瞬間に立ち会えること、サポートした母親から感謝の気持ちを伝えられることなど、いくつものやりがいを感じられます。
やりがいがある半面、業務内容が多く、労働量と比較して給料が低いことに不満を感じている方もなかにはいるようです。
就職前にきついと感じる部分を理解しておくことで、心構えができるでしょう。
助産師がきついと感じる場面の詳細はこちらをご覧ください。
助産師に向いている人の特徴
助産師は赤ちゃんが生まれる瞬間に立ち会える仕事なので、赤ちゃんが好きな方にぴったりの職業です。
また、母親のサポートを行ったり、話し相手になったりもするので、女性と接するのに楽しさを感じる人も向いています。
助産師に向いている人にはほかにも特徴があるため、気になる方はこちらを参考にしてください。
助産師の年収はどれくらい?
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、助産師の平均月収は39万円、年収は 555.7万円です。
日本人の平均年収は458万円とされており、それよりも高い給与をもらえるため、給与面でも満足感を得られるでしょう。
給与は勤務する地域によって多少の差があります。
そのため、自身が勤めることになる地域の平均給与を知っておくことが大切です。
助産師は将来的に独立開業も可能
助産師として働き、将来的に独立も可能です。
病院で働くなかで知識や経験を積み、その経験を活かして助産院を開業できます。
妊婦検診や分娩のサポート、母親の産後ケアなどさまざまな業務があるため、やりがいを感じられるでしょう。
将来的に独立し、自身の助産院を開業したい方はこちらをご覧ください。
需要のある助産師の仕事をめざしてみよう
助産師の需要は高い傾向にあり、少子化が進んでも需要がゼロになることはありません。
助産師のみでの出産体制が進められているため、助産師は今後も求められることが多い職種だといえます。
助産師はやりがいがあり、将来的に自身の助産院を開業することも可能です。
赤ちゃんが好き、人の役に立ちたいという方は、助産師をめざしてみましょう。