
診療放射線技師とは、病院やクリニックで医師の指示のもとCT検査やX線検査などの放射線を用いた検査や、画像診断を行う医療技術者のことです。
放射線と一言でいってもその種類は多岐にわたっており、専門的な知識や技術が必要な職種のため国家資格を取得する必要があります。
そこでこの記事では、診療放射線技師の国家資格を取得する方法について詳しくご紹介します。
資格を取得するにあたって必要な受験資格や卒業試験についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
診療放射線技師の国家資格を取得するにはどうすればいい?
診療放射線技師として活躍するためには、国家資格の取得が必要です。
技師の資格を取得するためには、以下の2つの条件をクリアする必要があります。
▽診療放射線技師になるための2つの条件
- 4年制大学もしくは3年制以上の短期大学、診療放射線技師養成学校に通うこと
- 国家試験に合格すること
ここからは、診療放射線技師になるための条件について詳しくご紹介していきます。
大学や短大、診療放射線技師養成学校を卒業する
診療放射線技師になるためには、文部科学大臣指定の大学や短期大学、もしくは都道府県知事指定の専門学校(診療放射線技師養成所)で診療放射線技師養成課程を履修し、卒業する必要があります。
▽診療放射線技師になるために必要な学歴などの条件
学歴 | 文部科学大臣指定の学校、もしくは道府県知事指定の専門学校(診療放射線技師養成所)
・大学 |
必要年数 | 3年以上 |
外国の診療放射線技師養成学校でも受験可能
診療放射線技師は国内の大学や短期大学、もしくは専門学校を卒業する以外に、外国の診療放射線技師養成学校を卒業し、免許を取得している場合も日本国内での受験が可能です。
外国の診療放射線技術に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で法第3条の規定による免許に相当する免許を受けた者であって、厚生労働大臣が(1)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有するものと認めたもの
※(1)は文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した診療放射線技師養成所において、3年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習を終えたもの
引用元:厚生労働省(診療放射線技師国家試験の施行)
外国の診療放射線技師養成学校を卒業し、免許を取得している場合は、厚生労働省の診療放射線技師国家試験受験資格の認定についてをご確認ください。
改正法施行時に診療エックス線技師試験の受験が可能だった人も可
昭和58年改正法の施行の際に診療エックス線技師試験を受験できた方で、そのあと養成学校にて1年以上診療放射線技師として必要な知識および技能の修習を終えた場合も、国家試験の受験資格があります。
昭和58年改正法の施行の際(昭和59年10月1日)現に診療エツクス線技師又は診療エツクス線技師試験を受けることができた者であって、旧法第20条に規定する文部大臣が指定した学校又は厚生大臣が指定した診療放射線技師養成所において、1年以上診療放射線技師として必要な知識及び技能の修習を終えたもの(58年改正法の施行の際現に修習中の者であって、同法施行後にその修習を終えたものを含む。)
引用元:厚生労働省(診療放射線技師国家試験の施行)
このように、大学、短大や専門学校を卒業していない方であっても受験資格がある場合があります。
これらの条件に該当する方はごく少数かとは思いますが、該当するかどうかを確認してみましょう。
国家試験の受験手続きをする
受験資格があり、受験を希望する場合は以下の手順で手続きを行います。
▽診療放射線技師の国家資格を受験するまでの流れ
内容 | 例年のスケジュール |
官報公告 | 9月初旬 |
願書の配布期間 | 10月下旬以降 |
受験手続き期間(願書提出) | 12月中旬〜1月初旬 |
受験票の交付 | 1月下旬以降 |
試験日 | 2月中旬 |
合格発表 | 3月下旬 |
例年9月頃から受験に関する情報開示がされます。願書の受け取りや出願期間を確認しておきましょう。
願書の受け取り方法
願書の配布期間中に書類を受け取ります。願書の配布場所は次のとおりです。
▽診療放射線技師の願書配布場所
- 各学校養成所で直接入手する
- 郵送で入手する
- 各事務所の窓口で入手する
郵送による願書の取り寄せをする際は、1週間前後時間を要する場合がありますので、早めに手続きをするようにしましょう。
詳しい願書の取り寄せ方法は、厚生労働省の診療放射線技師国家試験の施行をご確認ください。
受験手続き方法
願書の受け取りが完了したら、受験手続きをしていきましょう。
▽受験手続きの流れ
手続きの流れ | 内容 |
1. 必要事項の記入 | 願書に必要事項を記入する。 丁寧にわかりやすい字で記入する。 |
2. 必要書類の準備 | 【すべての受験者に共通する必要書類】 ・受験願書 ・写真(出願前6ヵ月以内に撮影、縦6cm×横4cm) ・返信用封筒(長3封筒:縦23.5cm×12cm) ・返信用封筒用の切手529円分(定形郵便94円+一般書留435円) ・卒業証明書や卒業見込み証明書詳しくは厚生労働省の診療放射線技師国家試験の施行を確認ください。 |
3. 受験料の納付 | 11,400円 収入印紙を受験願書に貼り付けて納付する。 |
願書を郵送する際は、普通郵便ではなく、追跡のできる簡易書留で送るようにしましょう。
受験票を受け取ったら大切に保管をし、受験日に備えます。
診療放射線技師には卒業試験がある?
診療放射線技師の養成学校に卒業試験のようなものは存在しません。
学校を卒業見込み、もしくは卒業後に国家試験を受験する流れとなっています。
そして診療放射線技師の試験地は、全国8都道府県の11会場に設定されています。
▽診療放射線技師の試験地
- 北海道
- 宮城県
- 東京都
- 愛知県
- 大阪府
- 広島県
- 香川県
- 福岡県
詳しい試験会場については、厚生労働省の診療放射線技師国家試験の施行を確認してください。
卒業後の流れは?診療放射線技師免許の手続きについて
学校を卒業し、無事に国家試験に合格した場合、どのような手続きをしていくのでしょうか。
ここからは診療放射線技師の免許申請の手続き方法について詳しくご紹介します。
免許の申請手続きをする
診療放射線技師の国家試験に合格したら、免許の申請手続きが必要です。
免許申請をする際に、知っておくべきポイントは以下の2つです。
▽診療放射線技師の免許申請時に押さえておくべきポイント
- 免許申請に必要な書類・費用
- 免許申請の受付場所
ポイント1|必要な書類と金額を用意する
診療放射線技師の免許申請に必要な書類と金額についてまとめてご紹介します。
▽診療放射線技師の免許申請に必要な書類
必要書類 | 備考 |
・住民票の写し、または戸籍抄(謄)本 | 【住民票】 本籍地(外国籍の方の場合は国籍)が記載されていて、かつ個人番号が記載されていないもの【戸籍抄(謄)本】 発行日から半年以内のもの |
・診断書 | ・厚生労働省が定めている様式によるもの ・発行から1ヵ月以内のもの |
・登録済証明書ハガキ | 受験時に配布された登録済証明書ハガキに、受け取り先住所と氏名を記名する。 63円切手を貼り付ける。 |
次の条件に当てはまる場合は、住民票ではなく、本籍または氏名の変更経過が記載されている戸籍抄(謄)本を添付しましょう。
▽戸籍抄(謄)本を添付すべき条件
- 免許証の氏名を旧姓表記したい場合
- 出願後、免許申請までに本籍、氏名を変更した場合
また、納入する金額は以下のとおりです。
▽診療放射線技師の免許申請時の手数料
手数料 | 収入印紙 9,000円 |
申請する市町村によって必要書類などが異なる可能性もあるため、提出する市町村別に確認するようにしましょう。
ポイント2|受付場所は市町村によって違うので注意
診療放射線技師の免許申請の受付場所は、以下のような公的機関で受付を行っています。
▽診療放射線技師の免許申請の受付場所例
- 市役所や区役所、総合支所、町役場などの役所
- 保健所
- 保健センターや保健福祉センター など
申請する地域によって受付場所が大きく異なりますので、事前に確認してください。
診療放射線技師の受験資格を得て国家試験に挑戦しよう
診療放射線技師の国家資格について詳しくご紹介しました。
国家試験の受験資格をはじめ、試験のスケジュール、合格後の免許申請の流れなど、受験準備から合格までの具体的なイメージを持つことができたはずです。
診療放射線技師は、病気の予防や早期発見にとても大きく貢献する職種で、今後も需要が増えていくことが予想されます。
大切な国家試験に備えて、早い段階から試験対策と心の準備をしていきましょう。