
診療放射線技師になるためには、さまざまなルートがあります。
そのため、進路に迷うこともあるのではないでしょうか。
本記事では、診療放射線技師になるための進路選択の一つである、診療放射線技師国家試験の受験資格が得られる専門学校を詳しくご紹介しています。
どのルートを選んでも、最終目標が資格取得であることに変わりはありません。
しかし、専門学校という選択肢を深く知ることで、より自分に合った進路決定ができます。
目次
診療放射線技師の資格が取得できる全国の専門学校を地域別に紹介
地域ごとに診療放射線技師国家試験の受験資格が得られる専門学校をご紹介します。
それぞれの専門学校の特徴とあわせて、初年度納入金も確認していきましょう。
北海道地方の専門学校
北海道地方で診療放射線技師国家試験の受験資格を得られる専門学校は、以下のとおりです。
都道府県 | 学校・学科名 | 初年度納入金(予定) |
北海道 | 北海道医薬専門学校 診療放射線学科 |
136万5,000円 |
関東地方の専門学校
関東地方で診療放射線技師の受験資格を得られる専門学校は、以下のとおりです。
都道府県 | 学校・学科名 | 初年度納入金(予定) |
東京 | 中央医療技術専門学校 | 149万円(昼間部) 115万1,000円(夜間部) |
東京 | 東京電子専門学校 診療放射線学科 |
165万円 |
東京 | 城西放射線技術専門学校 診療放射線学科 |
130万円 |
東京 | 東洋公衆衛生学院 診療放射線技術学科 |
140万5,000円 |
東海地方の専門学校
東海地方で診療放射線技師の受験資格を得られる専門学校は、以下のとおりです。
都道府県 | 学校・学科名 | 初年度納入金(予定) |
愛知 | 東海医療技術専門学校 診療放射線科 |
148万円 |
静岡 | 静岡医療科学専門大学校 医学放射線学科 |
120万円 |
関西地方の専門学校
関西地方で診療放射線技師の受験資格を得られる専門学校は、以下のとおりです。
都道府県 | 学校・学科名 | 初年度納入金(予定) |
大阪 | 大阪行岡医療専門学校長柄校 放射線科 |
138万円 |
大阪 | 大阪ハイテクノロジー専門学校 診療放射線技師学科(昼・4年) 診療放射線技師学科(夜・4年) |
149万5,000円(昼間部) 128万5,000円(夜間部) |
大阪 | 清恵会第二医療専門学院 放射線技師科1部 放射線技師科2部 |
157万円(1部:昼間部) 117万円(2部:夜間部) |
兵庫 | 神戸総合医療専門学校 診療放射線科 |
140万円 |
九州地方の専門学校
九州地方で診療放射線技師国家試験の受験資格を得られる専門学校は、以下のとおりです。
都道府県 | 学校・学科名 | 初年度納入金(予定) |
福岡 | 福岡医療専門学校 診療放射線科 |
140万円 |
鹿児島 | 鹿児島医療技術専門学校 診療放射線技術学科 |
155万円 |
大分 | 日本文理大学医療専門学校 診療放射線学科 |
144万円 |
各地に多くの専門学校があるため、お住まいの近くで探すことが可能です。
昼間部は一般的に3年制が多く、夜間部では4年制のこともあります。
診療放射線技師国家試験の受験資格が取得できる専門学校の初年度納入金は、120万円〜150万円が相場です。
【専門学校別】第73回診療放射線技師国家試験の合格率
2021年2月に実施された第73回診療放射線技師国家試験の合格率を、専門学校別にご紹介します。
診療放射線技師国家試験の合格率
以下、それぞれの専門学校の新卒受験者について、出願数、受験者、合格者数、合格率をご紹介します。
専門学校名 | 出願数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
城西放射線技術専門学校 | 43 | 38 | 18 | 47.4% |
専門学校東洋公衆衛生学院 | 72 | 63 | 36 | 57.1% |
日本文理大学医療専門学校 | 53 | 47 | 36 | 76.6% |
中央医療技術専門学校 | 126 | 62 | 43 | 69.4% |
東京電子専門学校 | 72 | 62 | 46 | 74.2% |
静岡医療科学専門大学校 | 5 | 5 | 5 | 100% |
北海道医薬専門学校 | 38 | 37 | 29 | 78.4% |
清恵会第二医療専門学院 | 81 | 53 | 40 | 75.5% |
神戸総合医療専門学校 | 86 | 54 | 52 | 96.3% |
東海医療技術専門学校 | 74 | 53 | 49 | 92.5% |
福岡医療専門学校 | 56 | 54 | 43 | 79.6% |
専門学校によって受験者数、合格者数はまちまちです。
学校によって合格率の差も大きいため、立地や初年度納入金だけではなく、過去の合格率も遡って確認し、比較・検討する必要があります。
診療放射線技師の資格を専門学校で取得するメリット
診療放射線技師国家試験の受験資格を得るために専門学校への進路を選択すると、以下のようなメリットがあります。
自分が資格を取得するまでに「何を優先したいか」を考えながら確認していきましょう。
入学の難易度が低い
専門学校を選択するメリットとして、入学の難易度が低いことが挙げられます。
高校から直接専門学校を受験する人は入学試験を受ける必要がありますが、専門学校によっては社会人入試枠が設けられており、社会人は学科試験が免除されることもあります。
とはいえ、社会人入試は狭き門です。一般入試の勉強と平行して準備することをおすすめします。
面接がある学校の場合は、「今後どのような技師になりたいか」を明確にしておく必要もあるでしょう。
大学より1年早く資格が取得できる・働ける
大学より1年早く資格が取得できることも、専門学校の大きなメリットです。
大学では試験に必要な科目以外に、外国語や生命倫理、情報管理などの関連分野も学びます。
受験科目以外の教養も同時に身につけることができるでしょう。
対して専門学校では、最短の3年で受験資格を得られます。
「1日も早く現場に出たい」、「早く就職して稼ぎたい」という方には、専門学校がおすすめです。
夜間に通える学校がある
専門学校には夜間部を設けている学校も多く、収入を得ながら学習したい方におすすめです。
しかし夜間部といえども、受験科目をみっちり勉強しなければならないのが診療放射線科。フルタイムでがっつり働きながら通学することは、現実的に厳しいでしょう。
しかし夜間部は、学費を抑えたい方、朝が弱い方に人気です。
国家資格を取得してしまえば、わざわざ履歴書に夜間部卒業と記載する必要もありません。
学校は資格を取得する過程ととらえ、集中して勉強できる環境を選びましょう。
診療放射線技師の資格を専門学校で取得するデメリット
専門学校には、大学・短大と比較するとデメリットもあります。
単純に「診療放射線技師の資格が欲しい」という場合には専門学校で十分ですが、「特定分野の仕事をしたい」「心に決めた就職先がある」などの希望がある場合には、大学や短大を検討しても良いでしょう。
大卒と比べると就職先の選択肢が少ない
専門学校は、大卒と比べると就職先の選択肢が少ないことも事実です。
国家資格を取得してしまえば、どちらのルートで学んだとしても診療放射線技師であることに変わりはありませんが、大きな病院や専門病院などでは募集条件に大卒以上と明記してあるケースもあります。
また、放射線治療や放射線同位元素を扱う病院などは、診療放射線技師資格以外にも、放射線取扱主任者1種保持者など別途資格条件が設けられていることも。
就職先の範囲を広げたいと考えている方は、これらの資格も比較的時間に余裕がある在学中に取得しておくことをおすすめします。
勉強が大変
専門学校で診療放射線技師に向けた学習に取り組む場合には、勉強が大変であることを覚悟しておきましょう。
大学4年間で勉強する内容を、3年間で凝縮して習得しなければならないからです。
入学の難易度が低いとお伝えしましたが、代わりに進級試験が厳しいとも言われています。
安易な気持ちで入学して留年・中退する方も多くいるため、3年間はしっかり勉強に打ち込める環境をつくりましょう。
夜間部では4年制をとっている学校もありますが、授業時間は昼間部と変わらないため、カリキュラムがハードであることに変わりはありません。
学生生活を満喫できない
専門学校では、学生生活を満喫できないと考えておきましょう。
専門学校は大学と異なり3年制をとっていることが多いため、平日は朝から夕方まで講義がびっしり詰まっているからです。
ほぼ毎日講義が行われるため、アルバイトや遊びに費やせる時間は少ない傾向にあります。
さらに病院実習の期間は、現役の診療放射線技師に近い時間帯で参加しなければなりません。
帰宅してからも課題やレポートをこなさなければならないため、ハードな時期になります。
診療放射線技師の資格が取得できる専門学校のまとめ
診療放射線技師国家試験の受験資格を得られる専門学校は、全国各地にあります。お住まいの近くで探すことも可能です。
専門学校は夜間部を設けていたり、3年で受験資格を得られたりと、大学に比べてメリットも多くありますが、大学卒より就職先の選択肢が少なくなる可能性もあります。
より広く深い知識を身につけたい方、時間に余裕を持って勉強したい方は大学で学ぶことを検討しても良いでしょう。