診療放射線技師の国家資格を取得するためには、国の認可を得た養成校で、一定期間勉強しなければなりません。
養成校を卒業すれば国家試験受験資格が得られますが、養成校には大学と専門学校があります。診療放射線技師をめざしながら、高校卒業後に大学か専門学校かで迷っている方もいるのではないでしょうか。
診療放射線技師は、病院に必要とされる人数が限られるため、採用枠に限りがあり、就職活動の際に大卒の肩書きが有利に働くことがあります。
本記事では、数多くある養成校のなかでも診療放射線技師の受験資格が得られる大学・短大についてご紹介します。
この記事を自分の目標に沿った勉強ができる大学を選ぶための参考としてください。
目次
診療放射線技師になれる大学の学校別偏差値ランキング
診療放射線技師国家試験の受験資格を得られる大学を、偏差値が高い順にご紹介します。
国公立・私立それぞれをご紹介しますので、定員や初年度納入金も参考に、自分の偏差値と比較しながら確認していきましょう。
診療放射線技師になれる国公立大学のおすすめは?
診療放射線技師養成課程がある大学に入学しても、必ず国家試験の受験資格が得られるわけではありません。
卒業までの過程で単位を取得できず、多くの学生が留年するという学校も残念ながら存在します。
なかには留年を重ねて、退学を余儀なくされる学生もいるでしょう。
無事に大学入学を果たしても、油断をしていると厳しい環境に身を置くことになります。
進路を選ぶ際には、将来の就職を見据えて住みたい地域の大学を選ぶのも良い方法です。
偏差値や納入金以外にも、大学の特徴や周囲の環境もチェックしておきましょう。
診察放射線技師になれるおすすめの国公立大学
国公立大学は、私立大学よりも学費が安いことが特徴です。
そのため志願者が多く集まり、合格のハードルが高く、求められる偏差値も高くなりがちです。
大阪大学
所在地 | 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-1 |
学科/コース | 医学部保健学科/放射線技術科学専攻 |
定員 | 40名 |
初年度納入金 | 81万7,800円 |
偏差値 | 58 |
公式ホームページ | https://sahswww.med.osaka-u.ac.jp/jpn/guide/ |
特徴 | 高い専門性だけではなく、国際性を養いリーダーをめざしたい方におすすめ。大学の協定校がいくつもあるため、海外から多くの学生を受け入れている。幅広い知識が学べるため、将来研究者として活躍したい方にも〇。 |
金沢大学
所在地 | 〒920-0942 石川県金沢市小立野5-11-80 |
学科/コース | 医薬保健学類/放射線技術科学専攻 |
定員 | 40名 |
初年度納入金 | 81万7,800円 |
偏差値 | 55 |
公式ホームページ | http://mhs3.mp.kanazawa-u.ac.jp/ |
特徴 | 画像処理やラジオアイソトープに精通した専門家が多くいるため、教育分野や研究開発職をめざす方におすすめ。臨床現場の経験を研究に結びつけるアイデア力や応用技術を養成できる。 |
東北大学
所在地 | 〒980-8575 宮城県仙台市青葉区星稜町2-1 |
学科/コース | 医学部保健学科/放射線技術科学専攻 |
定員 | 37名+若干名 |
初年度納入金 | 81万7,800円 |
偏差値 | 53 |
公式ホームページ | https://www.med.tohoku.ac.jp/health/about/ |
特徴 | 学習成果に対して評価・個別フィードバックを行ってくれるため、国家資格を取得するまで適切なサポートが受けられる。実践力を備えた人材育成を目標としており、臨床現場で活躍したい方におすすめ。 |
国公立大学の初年度納入金は、学部や学科を問わず81万7,800円と一律です。
偏差値をクリアしているなら、大学ごとの特徴を比較して選択することをおすすめします。
診察放射線技師になれるおすすめの私立大学
続いて、診療放射線技師の受験資格を得られるおすすめの私立大学をご紹介します。
国公立大学と比較すると、初年度納入金が高く定員がやや多いことが特徴です。
私立大学では、納入金のほかにも寄付金を求められることがあるため、事前にチェックしておきましょう。
北里大学
所在地 | 〒252-0373 神奈川県相模原市南区北里1-15-1 |
学科/コース | 医療衛生学部医療工学科/診療放射線技師科学専攻 |
定員 | 48名 |
初年度納入金 | 180万円 |
偏差値 | 51 |
公式ホームページ | https://www.kitasato-u.ac.jp/ahs/ |
特徴 | 北里大学病院と連携しているため、レベルの高い研究を求める方、充実した実習先・設備を求める方におすすめ。英語教育・国際交流にも力を入れていて、長年にわたって高い就職実績があることも特徴。 |
駒澤大学
所在地 | 〒154-8525 東京都世田谷区駒沢1-23-1 |
学科/コース | 医療健康科学部/診療放射線技術科学科 |
定員 | 62人 |
初年度納入金 | 176万2,500円 |
偏差値 | 50 |
公式ホームページ | https://www.komazawa-u.ac.jp/academics/faculty/health-sciences/radiological-sciences/ |
特徴 | 3年次にコース制が採用されていることが特徴。診療技術系と画像情報系から選択でき、将来の技師としての目標が定まっている方におすすめ。3年次までに国家試験科目を終了するため、4年次は卒業研究と国家試験対策に集中できる。 |
藤田医科大学
所在地 | 〒470-1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1番地98 |
学科/コース | 医療科学部/放射線学科 |
定員 | 90名 |
初年度納入金 | 179万6,000円 |
偏差値 | 49 |
公式ホームページ | https://www.fujita-hu.ac.jp/faculty/radio/ |
特徴 | 藤田医科大学の低侵襲画像診断・治療センターは、機器をメーカーと共同開発したり、放射線治療・核医学・血管撮影に関する最新機器を備えたりしているため、最先端の技術に触れてみたい方におすすめ。国家試験合格率も例年90%以上。 |
私立大学の初年度納入金は、大学によっては10〜20万円ほど差があることも。
それぞれの大学の特徴を見極めて、必要になる費用をチェックし、経済的なプランを明確にしておきましょう。
国公立大学より定員が多いため、国家試験の合格率をあわせて比較すると行き届いた講義が行われているかの判断材料になります。
専門学校に進学という選択肢も
国家試験の受験資格を得るという目的だけで養成校に行くのなら、大学にこだわる必要はありません。
専門学校では、順調に卒業すれば3年で診療放射線技師国家資格が取得できる点が強みです。
以下、おすすめの専門学校をご紹介するので、大学と比較しながらより良い選択をしてください。
東洋公衆衛生学院
所在地 | 〒151-0071 東京都渋谷区本町6-21-7 |
定員 | 74名 |
初年度納入金 | 140万5,000円 |
公式ホームページ | https://www.toyo-college.ac.jp/ |
中央医療技術専門学校
所在地 | 〒124-0012 東京都葛飾区立石3-5-12 |
定員 | 120名(昼間部)、40名(夜間部) |
初年度納入金 | 149万円(昼間部)、115万1,000円(夜間部) |
公式ホームページ | http://www.ccmt.ac.jp/ |
専門学校は、大学と比較すると初年度納入金がやや安い傾向です。
大学は4年制ですが、専門学校は3年制が一般的であるため、トータルで費用を抑えることができます。
専門学校によっては、夜間部4年制があることもあります。
診療放射線技師になれる大学・専門学校による環境の違い
診療放射線技師の資格を取得するという目標は同じでも、養成校によって特徴が異なります。
自分が将来「どのような技師になりたいのか」、「どこで働きたいのか」を明確にしておくと、どのような環境下で勉強したら良いかが具体的に見えてきます。
大学・短期大学
大学・短期大学は、最先端の医療技術に触れることができ、より現場に近い実習が体験できます。
大学や短期大学は附属の病院や医療施設を持っていることも多く、学生の実習や見学にも活用されるからです。
大学内に最先端の機器や環境を整えている学校もあります。
また大学は4年制であり、専門知識以外にも外国語や一般教養も身につけられます。
診療放射線科以外にも医療スタッフを養成する学科を備えていることが多く、4年間の間にさまざまな分野の学生とコミュニケーションをとることも可能です。
海外留学制度を設けている大学も多いため、在学中に国家資格取得以外の新たな目標がみつかることもあります。
専門学校
専門学校の最大の特徴は、3年間で効率的に診療放射線技師国家試験の受験資格が得られることです。
3年制専門学校が一般的ですが、夜間部4年制を設けている学校もあるため、昼間はアルバイトをしながら勉学に励む学生もいます。
大学が4年制であるのに対して、専門学校は3年間で知識・技術を習得しなければなりません。
一般の大学生と同じような感覚でアルバイトや遊びの時間を設けて学業が疎かになり、留年や退学になる学生も多いため、自ら勉学に集中できる環境を作る必要があります。
3年間で国家試験受験資格が得られるメリットを最大限に活かして、大卒技術者より早い活躍をめざしましょう。
大学で得られる知識は教授・講師の知識と自習分
大学で得られる知識 は、講義や実習がすべてではありません。
教授や講師のなかには、現場経験が豊富な方もいれば、メーカーで開発に携わっていた方、好きな研究に没頭している方など、さまざまな方がいます。
社会人経験がある学生のなかには、放射線分野とは切り離せないコンピューターに関する経験・知識を講師以上に持ち合わせている人もいます。
自分が興味を持っている分野があれば、大学にその分野に精通した教授や講師がいるかどうかを調べてみましょう。
偏差値だけにとらわれてしまうと、せっかくの自分の興味や将来性を狭めてしまうことになりかねません。
資格取得後は現場に出てからも、常に自習する姿勢が必要です。
興味を活かすことができ、自ら学ぶ姿勢を引き出してくれる大学を選びましょう。
診療放射線技師になるためにも大学は慎重に選ぼう
診療放射線技師の国家試験受験資格を得られる大学は、入学時に偏差値50〜60程度が必要です。
一般的に私立大学より国立大学のほうが定員が少なく、学費も安くなります。
私立大学はそれぞれ定員や学費が異なるため、偏差値とあわせて検討しましょう。
大学は提携病院を持っていることも多く、現場に近い環境下で、最先端の機器を用いた実習ができる点が大きなメリットです。
「早く現場に出たい」、「できる限り費用を抑えたい」といった場合には、3年で国家試験受験資格が得られる専門学校を検討することをおすすめします。
ひとことで診療放射線技師といっても、就職する医療施設や携わる分野はさまざまです。
将来的にどのような活躍をしたいのかを具体的に想像しながら、自分に合った進路を選びましょう。