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看護師の定年後が不安?60歳から働き方で生活を豊かにする選択肢

「定年後も看護師として働き続けたいけれど働けるのだろうか?」
「定年後の収入が心配」
定年後の生活がどのようなものになるのか、不安を感じている看護師も多いと思います。

そこで今回は、60歳以降の看護師の働き方を解説します。
定年後の生活を思い描いて、さまざまな雇用形態や職場のなかから、自分に合った働き方を見つけてください。

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看護師は定年後でも再就職可能!60歳以上の求人も多い

看護師は定年後でも再就職可能!60歳以上の求人も多い

看護師は60歳以降も活躍している人が多く、65歳以上歓迎の求人も多く見られます。
看護師の資格は更新の必要や期限がないため、本人が望めばいつまででも働けます。
それだけでなく、60歳以上の知識や経験のある看護師は、採用する側から重宝されることもある状況です。

60歳をすでに迎えた看護師の実情を見ていくことにしましょう。

60歳以上の看護師の割合

厚生労働省「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」の 平成26年〜平成30年までの結果を割合でまとめました。

平成26年 平成28年 平成30年
60歳以上の割合 5.30% 6.24% 7.32%
65歳以上の割合 1.70% 2.17% 2.66%

参照:厚生労働省 平成 30 年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

60歳以上、65歳以上で就業している割合が年々増えていることがわかります。
すでに十分なスキルと経験があるので、ある程度の体力がある限り、何歳であっても看護師として働き続けるのに問題はありません。
年齢が上がるにつれて引退する人は増えますが、80歳以上で働いている人もいます。

看護師は定年後に再雇用や勤務延長がある場合も

勤めていた職場で定年退職を迎えたあとも、再雇用制度を利用して働き続ける方法があります。
働き続けたい意思表示をすれば、系列の職場を紹介してもらえるケースもあるでしょう。

60歳以上、65歳以上の求人は転職サイトやハローワークで多く募集されているので、転職することも可能です。
ただし、転職すると上司が自分より若い可能性があり、今まで部下に指導したり、チームをまとめたりする立場だった人は、やりづらいと感じてしまう可能性があるでしょう。
定年後の再雇用や転職の場合の採用条件は、新人と変わらないことがあり、厳しい条件を飲む覚悟が必要です。

看護師は定年後の求人も多い

インターネットで看護師の求人を検索すると、多くの求人情報を見つけられます。

詳細を見ると、例えば下記のように書かれています。

  • 定年は65歳ですが、65歳以上の方も応募可能です
  • シニアの方も歓迎

求人内容はバラエティに富み、さまざまなスタイルの働き方が選べるでしょう。
フルタイムの仕事も、勤務日数や時間を限定したパート・アルバイトもあります。
急性期病院の募集はあまり見られませんが、病棟やクリニック、訪問看護など多くの求人が見つかります。

なお、インターネットで求人情報を調べる際には、自身が求めるキーワードを入れて検索してみましょう。

検索例● 看護師 シニア 求人 クリニック
● 看護師 65歳以上 求人 病棟

看護師の定年後に再就職しやすい職場

定年後も今までのスキルを活かして働きたいとは思っても、体力的にきつい職場は難しいのではないかと考えている方もいるでしょう。

職場によって仕事内容が異なるため、職場ごとの特徴を解説します。
自身に合った職場を見つける参考にしてみてください。

クリニック

クリニックの仕事内容は、医師の診療の補助が中心です。
病院に比べスタッフの人数が少ないため、掃除や洗濯などの雑務をこなしながら、業務にあたります。

基本的に夜勤がなく、日勤メインで働くことが可能です。
体力を使う移乗介助なども少なく、体力的に不安な人でも働きやすいでしょう。

診療科目にもよりますが、採血や点滴といった医療行為もあります。
今まで培った、看護技術や他職種連携の経験を活用して働けるでしょう。

健診センター

健診センターで、特に求められるスキルが採血技術です。
看護師は採血を担当することが多く、一日に数十人の受診者から採血します。

他の検査を手伝う場合もありますが、検査台への移乗や、検査説明など、基本的な病棟勤務経験があれば対応できるでしょう。

予約制のため、残業になることは少ない職場です。
立ちっぱなしではありますが、動き回ることが少なく、体力の消耗が少ない職場です。

健診センターは繁忙期があるため、1日のみの単発求人もあります。

企業や保育園、幼稚園の看護師

社員や園児の健康・体調管理が主な仕事内容です。
健康な人の対応がほとんどで、健康相談や、ケガの対応をします。
そのため体力を使う場面は多くありません。

仮に急変があっても、医療行為ができる設備がないため、できることは応急処置にとどまります。

現場に看護師が一人の場合が多く、アセスメントし対応できる能力が求められ、今まで培った医療知識を活用して働けます。

平日の日勤勤務の職場がほとんどで、土日はしっかり休めるため、規則的で健康的な生活を送れるでしょう。

そもそも看護師の定年は何歳?

定年の制限は法律で決まっています。
令和3年4月1日に施行された「高年齢者雇用安定法」改正により、次のような内容となっています。

● 60歳未満の定年禁止
● 65歳までの雇用確保(義務)
● 70歳までの就業機会の確保(努力義務)

引用:厚生労働省 高年齢者雇用安定法

定年は60歳以上です。
仮に60歳で定年退職をしても本人が希望すれば、再雇用で65歳まで働き続けられます。
民間の病院は、すでに65歳を定年としていることが多いでしょう。

さらに、今後も加速する少子高齢化にともない、70歳まで働ける職場にすることが雇用者の努力義務になりました。
高年齢者の就業促進の流れがある今、看護師免許取得者にとっては65歳以降も働き続けやすい環境になってきています。

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看護師の60歳からの働き方と転職例

看護師の60歳からの働き方と転職例

今までの経験を活かして、60歳以降でも活躍している看護師が多くいます。
60歳以降の働き方や転職の例を職場別に紹介するので、自身のスキルや現職場と照らし合わせながらご覧ください。

老健・特養

今まで病棟で働いていましたが、夜勤がきつくなってきたため、夜勤のない特養に転職しました。

アセスメントは看護師が中心に行っています。
高齢者はさまざまな疾患を持っていますが、病棟での知識や経験がアセスメントで活かせます。

高齢者看護や認知症看護の分野は、病棟勤務ではあまり関わる機会がなかったため、毎日さまざまな学びがあり、やりがいでいっぱいです。

経験年数の少ない看護師さんや、介護士さんに頼りにされ、年齢に関係なく仲良く働けています。

病院で再雇用

子育て期が終了してから30年間、現在の病院に勤めています。
病院の定年が60歳だったため、このまま退職する選択肢も考えましたが、まだ働き続けたいと思い再雇用制度を利用しました。

フルタイムではなく、嘱託職員として週に3日勤務しています。
患者さんに関わる仕事をしていることは、今までと同じです。

受け持ちではなく、フリー業務が多くなり、今まで忙しくて見逃してきた患者さんとの時間もたくさん取れ、充実して働けています。

給料は少なくなりましたが、プライベートの時間も多くあり、バランスよく充実した毎日を送っています。

訪問看護ステーション

元々病棟で働いていましたが、産休育休が重なり、数年間病棟では働いていませんでした。
復職できるタイミングで、病棟への復帰に不安があることを病院側へ伝えると、系列の訪問看護への異動の提案があり、育休明けから定年まで、訪問看護師として働きました。
事業所の勧めもあり、看護管理者研修を受け、看護主任としてやりがいを持って働けました。

定年退職後は、嘱託職員として別の事業(看護師の教育、訪問看護の拡充)に関わっています。

ケアマネジャー

新卒から急性期病院で働いたあと、訪問看護ステーションで在宅医療に携わりました。

定年退職後、在宅で介護や看護している人たちを総合的に援助したいと考え、ケアマネジャーの資格を取得しました。
資格取得後に、訪問看護ステーションに就職し、現在も看護師兼ケアマネジャーとして働いています

新しい分野ですが、看護師の知識も活用しながら、在宅医療・看護に従事しています。

正看護師の定年後の生活シミュレーション

定年後もなるべく長く働き続けたいと考えていても、自分やご家族の健康を考えると、いつまでも定年前と同じペースで働き続けられるとは限りません。
老後にどのくらいお金が必要になるか知っておきましょう。
定年後にもらえる年金額や平均的に必要な生活費を解説します。

看護師の定年後の年金額

令和4年度の平均年金月額は154,777円です。
これは、賞与を含む月額換算の収入が43.9万円で、40年間就業した場合の厚生年金と国民年金を合わせた額です。
参照:日本年金機構

夫婦で同じレベルの共働きをしていた場合は、その倍の309,554円を受け取ることができるでしょう。

就業形態や勤続年数などで、年金受給額は異なります。
個別の受給額を知りたいときは、日本年金機構のねんきんネットで自身の年金情報を手軽に確認できます。
休職したり転職したりしていて、簡単に概算できない場合は確認してみましょう。

看護師の退職金も老後資金として考えている方は、下記の記事も参考にしてみてください。

老後の日常生活費の目安

夫婦2人が老後生活を送るためには、毎月最低23.5万円が必要と言われています。
また、ゆとりのある生活の場合は、月平均37.8万円です。
参照:総務省 家計調査

支出項目の内訳は以下のようになります。

食費、住居、光熱費・水道代、被服・履物、保険・医療、交通・通信、教育・娯楽、その他の消費支出

上記は目安であり、人により支出は異なるでしょう。
特に住居費は大きく差が出る項目です。
現在の貯金や支出を確認して、定年後の働き方を考えるための参考にしましょう。

看護師の定年退職後の過ごし方を考えてみよう

定年後に仕事を続けることは、珍しいことではありません。
定年まで働いた職場に再雇用してもらいフルタイムで働くことも、嘱託職員になって自分のペースで働くこともできます。
また60歳以上、65歳以上の求人は多数募集されているため、心機一転して転職する選択肢もあります。

年金の受給が始まれば、収入に余裕ができるため、より自分のペースで働くこともできるでしょう。

定年後の過ごし方や、支出と収入でも働き方が変わります。
一度、年金がどのくらいもらえるのか調べてみると取るべき選択肢が見えてくるでしょう。

今回は看護師の定年後の働き方について解説しました。
ぜひ、定年後の過ごし方を考えるきっかけにしてみてください。

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執筆者について

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