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看護師のリーダー業務とは?役割やポイントも解説

看護師としての経験値を積むと、リーダー業務を任されることがあります。
リーダー看護師は、患者さんに対して円滑な看護を行うために状況を見極め、的確な指示を出す重要なポジションです。
これから看護師になる方やまだ勤務年数が浅い方だと、将来経験するであろう看護師のリーダー業務に不安を感じることもあるかもしれません。

しかし、業務内容と身につけておくべきスキルを事前に理解しておけば、求められる役割を受け止めやすくなるでしょう。
本記事では、看護師のリーダー業務の内容と求められる役割、円滑に進めるために役立つスキルを詳しく解説します。

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看護師のリーダー業務とは

看護師のリーダー業務とは

看護師のリーダー業務とは、端的にいえば看護チームの代表者が担う業務のことです。
主任や師長・部長といった役職ではなく、複数人で担当する看護業務のリーダー役として、同チーム内の看護師に指示を出したり、仕事を割り振ったりします。

看護師のリーダー業務は、現場で2〜4年ほど経験を積んだ看護師に割り当てられ、役職のように固定されるわけではありません。
しかし、リーダー業務で結果が出せれば能力を認めてもらいやすくなるため、キャリア形成の良いチャンスと考える人もいます。

看護師の役職に関しては、こちらの記事をご参照ください。

看護師のリーダー業務の役割

看護師のリーダー業務では、主に次の3つの役割を担います。

  • 仕切り役
  • サポート役
  • 橋渡し役

順に詳しく解説します。

仕切り役

看護師のリーダー業務における仕切り役とは、チーム内の看護師に業務を割り振る役割です。
チームを構成する看護師は、すべての人がオールマイティーに対応できるわけではありません。
緊急性の高い患者さんに対して冷静に対応できるベテラン看護師もいれば、ほとんど経験がない新人看護師もいるでしょう。
万が一にも医療ミスが起こらないよう、チーム内の看護師の能力を見極め、適材適所の仕事を割り振ることが、リーダー業務に欠かせない役割の一つです。

サポート役

リーダー業務を担う看護師は、仕事を割り振るだけではなく、必要があればチーム内の看護師のサポートも行います。
例えば、チーム内の新人看護師を手助けしながら指導したり、メンタル面で落ち込んでいるようなら励ましつつアドバイスしたりします。

また、業務中にアクシデントが起こった場合、自ら率先して対応しつつ指示を出し、問題の早期解決に努めるのもリーダーの役割です。
的確なサポートと指示は、アクシデントに対応する看護師の気持ちを落ち着かせるだけではなく、看護を受ける患者さんにも安心感を与えるでしょう。

橋渡し役

看護リーダーは、他部署との連携を円滑に行うため、橋渡しの役割も担います。
病気やケガで入院した患者さんを担当する際は、次のような連携をとらなければなりません。

  • 入院中の患者さんの症状を医師へ伝える
  • 医師の指示を受け各種検査機関と連絡をとる
  • リハビリの予約やスケジュールの相談をする
  • 受付に入退院の連絡をする
  • 別の医療機関へ転院の連絡をする

看護リーダーのスムーズな橋渡しがあれば、他部署との行き違いや考えの食い違いを防ぎやすくなり、患者さんも安心して治療・療養を受けられるでしょう。

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看護師のリーダー業務に必要なスキル

看護師のリーダー業務には、専門知識や技術をはじめ、決断力、コミュニケーション能力、問題を見極める力など、さまざまなスキルが必要です。
看護師のリーダー業務を行うとき、身につけておくべきスキルを解説します。

看護師としての知識や技術

看護師のリーダー業務を遂行するには、看護経験で培われた専門技術や知識が欠かせません。
特に、まだ経験が浅い看護師へ指示・指導をする場合、これまでに身につけた知識と経験が豊富であるほど、スピーディーで的確な判断が下せます。

また、幅広い看護の知識と技術は、チーム内の看護師の技量を見極め、適切な分担やスケジュール調整にも必要です。
経験豊富な看護師であっても、最新の知識と技術を身につけるため、積極的に勉強会やセミナーに出席します。
知識と技術の裏付けがあることで、リーダー業務を円滑にこなせるだけではなく、自信と信頼にもつながるでしょう。

知識や技術を磨くために、資格を取得するのも一つの方法です。
看護師としての活躍に役立つ資格は、以下の記事で詳しく解説しています。

チーム全体を分析・管理する力

看護師のリーダー業務では、チームを構成する看護師の能力と解決するべき問題を正しく理解し、的確な指示を出すことが求められます。
したがって、リーダー業務を行う看護師には、分析能力・管理能力が不可欠といえるでしょう。

誰がどのような能力を持っているかを知っていれば、業務中に突発的な問題が起こっても、慌てることなく指示を出し、安心して対処を任せられます。
リーダーとしての責任感から自分や周囲を追い込みすぎないためにも、日頃からチーム内の看護師をよく観察して、個々の能力を理解することが大切です。
そのうえで、万が一のときにより的確な指示が出せるようシミュレーションしておくと良いでしょう。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、患者さんとの信頼関係を築くだけではなく、看護チームのリーダー業務を滞りなく行うためにも役立ちます。
日頃からチーム内の看護師と意見交換をしたり、何気ない会話からお互いの考え方・感じ方に理解を示したりすれば、信頼関係が生まれ指示も通りやすくなるためです。

また、リーダー業務で他部署と連絡をとる場合も、コミュニケーションスキルを発揮し相手の状況を正しく聞き取れれば、情報の行き違いや勘違いによるトラブルを防げます。
自分の意見を述べるだけではなく、相手の言葉を聞き入れる度量も持ち、困ったときには頼りにされるような信頼関係を築いていきましょう。

素早く判断する力

リーダー業務を行っていると、素早い判断を求められる状況に遭遇することも珍しくありません。
特に重篤な患者さんの看護では、判断の遅れが命に関わる場合もあります。

リーダー業務を行う看護師が、状況を素早く見極めて適切な指示・アドバイスができると、患者さんの早期改善だけではなく、チーム内の信頼にもつながるでしょう。
あらゆる観点から事前に予測を立て、いざというときには素早く判断し、指示を出せる能力を身につける必要があります。

課題解決力

看護師のリーダー業務における課題解決力とは、患者さんに発生した問題のうち、看護の知識・技術で対応できることを見極め、問題解決へ向けて尽力する能力を意味します。
例えば、ある患者さんがプライベートな問題で不眠症を患い、回復が遅れているとしましょう。
プライベートな問題を、看護師の判断で直接解決するのは難しいかもしれません。

しかし、患者さんの気持ちが落ち着くよう精神科と連携をとってカウンセリングを受けてもらったり、睡眠を促す対処をしたりすることは可能です。
このように看護師のリーダー業務では、患者さんの抱える問題を客観的かつ冷静に観察し、看護師の立場からどのような対処・支援ができるかを見極める能力が求められます。

リーダー業務を円滑に進めるために意識したいこと

看護師のリーダー業務では、次のポイントを意識して行動するようにしましょう。

  • チーム内の各看護師の立場を理解する
  • 看護師の良いところを褒める
  • 感情をコントロールする
  • 仕事を平等に割り当てる
  • チーム内の看護師の見本になれるよう行動する

チームをまとめあげるという立場上、うまくいかずにストレスを感じることもありますが、指摘すべき場面と褒めるべき場面を上手に使い分けることが重要です。

各看護師の立場を理解する

リーダー業務を行っていると、自分の想定どおりにメンバーが動けなかったり、フォローのために業務が増えてストレスを感じたりすることもあります。
しかし、チーム内の看護師は、身につけている知識や経験・勤務年数もさまざまで、自分と同じように動いてくれるとは限りません。
業務内容とチーム内の各看護師のスキルを把握し、立場を理解して役割を振り分けると、ストレスは軽減されるでしょう。

良いところを褒める

リーダー業務を行うときは、チーム内の看護師をよく観察し、良い点を積極的に探して褒めるようにしましょう。
褒める行為は、看護師のモチベーションを上げるだけではなく、「見守ってくれている」「ちゃんと評価してくれる」という信頼にも直結します。
信頼関係が築けていれば、ときとして必要な厳しい言葉や指導も受け入れてもらいやすく、円滑な業務遂行と意欲向上につながるでしょう。

感情をコントロールする

リーダー業務を行う看護師は、チーム全体を導く司令塔であり指針です。
したがって、感情のままにきつい言葉や態度でチーム内の看護師に接すると、相談しにくくなったり報告が遅れたりして、業務に悪影響を及ぼす可能性があります。

たとえ苛立っていても感情をコントロールし、相談しやすい雰囲気を意識的に作るようにしましょう。
その結果、問題が起こったときにも速やかに報告してもらえ、サポート業務を円滑に進められるようになります。

仕事を平等に割り当てる

リーダー業務では、各看護師のスキルが違っても可能な限り平等に業務を割り当て、チーム内で不満を持たれないための配慮も必要です。
チーム内で仕事量に差が出ると、ストレスを感じたりチーム内の雰囲気が悪くなったりして、業務に悪影響が出てしまいます。
業務に不慣れで時間がかかりがちな新人は手慣れたベテランと組ませるなどの工夫で、業務の効率を保持しつつ平等な仕事の割り当てを考えましょう。

チームの見本となる行動を心がける

リーダー業務を担う看護師は、いわばチームの代表者です。
リーダーが何気なく口にした一言が、チーム全体の意見ととらえられる可能性もあるため、言動には十分に注意しなければなりません。
責任感のある言動・行動を心がけると、チーム内の看護師だけではなく、ほかのチームや他部署の人からも一目置かれる存在になれるでしょう。

看護師のリーダー業務に大切なポイントを理解して取り組もう

看護師のリーダー業務は役職ではないものの、病棟内で重要な任務を担います。
自分の判断と指示が患者さんやチームの看護師に影響するため、責任の重さに不安を感じる人もいるでしょう。
しかし、リーダー業務に必要な管理スキルやコミュニケーションスキル、課題解決力などを身につけることで、活躍を認めてもらいやすくなり、キャリアアップにもつながります。
リーダー看護師として今の自分に何が足りないのかを理解し、目標を設定したうえで積極的に知識や技術を身につけていきましょう。

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執筆者について

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