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看護師が取りたいプラスの資格は?各種資格やスキルアップ方法を解説

看護師が、看護師免許に追加で取得することでキャリアアップにつながる「プラスの資格」について紹介します。
各資格の概要やめざし方、スキルの身につけ方などについても触れていきます。

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看護師がプラスの資格を取得するメリット

看護師がプラスの資格を取得するメリットは以下の4つがあります。

  • キャリアの選択肢が広がる
  • やりがいが増える
  • スキルアップ・昇給の可能性
  • 転職時・再就職時に有利

それぞれ見ていきましょう。

キャリアの選択肢が広がる

プラスの資格を取得することで、キャリアの選択肢が広がります。
看護師の資格は、それだけでも、病院をはじめとするさまざまな医療機関への就職に役立ちます。
しかし、さらに他の資格を上乗せすることで、描けるキャリアパスがより幅広いものになるでしょう。

やりがいが増える

プラスの資格を取得することで、仕事のやりがいが増すかもしれません。
通常の看護スキルだけではない専門分野を持つことで、職場内で独自の役割を持てたり、患者さんに提供できるケアの幅が広がったりする可能性があります。

スキルアップによる昇給の可能性

プラスの資格を取得することは、スキルアップと同義にとらえられます。
スキルが上がることで昇給につながるケースも多いでしょう。
職場によっては、資格取得に対する手当が出ることもあります。

転職時・再就職時に有利

プラスの資格を取得すると、他の看護師との差別化につながります。
そのため、転職時や再就職時においても有利に働きます。

看護師のスキルアップに役立つプラスの資格

看護師のスキルアップに役立つプラスの資格

ここからは、プラスの資格の具体例を紹介していきます。
日本看護協会認定資格、国家資格、民間資格の3つに分けて、それぞれ見ていきましょう。

日本看護協会認定資格

まず、日本看護協会が認定している資格について解説します。

認定看護師

認定看護師とは、ある特定の看護分野で熟練した看護技術と知識を持つ看護師のことです。
患者さんに対する対応だけでなく、看護師に対する指導も役割になります。

認定看護師になるには、実務研修が通算5年以上あること、認定看護師教育機関に入学し修了すること、認定看護師認定審査を通過することの3つが必要です。
教育機関については、主に平日の昼間に通うことになるため、休職などで現場を離れて勉強するケースがほとんどです。

2022年現在、21もの認定看護分野があり、数多くの選択肢から専門分野を選択できます。
※現行の21分野の教育は2026年度で終了し、2020年度から新たな19分野での教育が始まっています。

  • 救急看護
  • 皮膚、排泄ケア
  • 集中ケア
  • 緩和ケア
  • がん化学療法看護
  • がん性疼痛看護
  • 訪問看護
  • 感染管理
  • 糖尿病看護
  • 不妊症看護
  • 新生児集中ケア
  • 透析看護
  • 手術看護
  • 乳がん看護
  • 摂食、嚥下障害看護
  • 小児救急看護
  • 認知症看護
  • 脳卒中リハビリテーション看護
  • がん放射線療法看護
  • 慢性呼吸器疾患看護
  • 慢性心不全看護

専門看護師

専門看護師は、ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有することを認められた看護師です。
その分野のプロフェッショナルとして、患者さんへの対応だけでなく、倫理調整や研究も行う立場になります。

取得するためには、5年以上の実務研修に加え、看護系大学院修士課程を修了し、所定の単位を取得する必要があります。
こちらも認定看護師と同様、現場を離れての学習が必要です。

専門看護師には2022年現在、14の専門分野があります。

  • がん看護
  • 精神看護
  • 地域看護
  • 老人看護
  • 小児看護
  • 母性看護
  • 慢性疾患看護
  • 急性、重症者看護
  • 感染症看護
  • 家族支援
  • 在宅看護
  • 遺伝看護
  • 災害看護
  • 放射線看護

認定看護管理者

認定看護管理者とは、管理者として優れたスキルを持つ看護師のことです。

認定看護管理者になるためには、通算5年以上の実務経験(3年以上は看護師長以上の看護管理経験)に加え、以下の要件のうちいずれかを満たし、認定審査を通過する必要があります。

  • 認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している
  • 看護管理に関連する学問領域以上の学位を取得している

国家資格

国家資格は、数年間学校に通い直さなければ取得できないものが少なくありません。
長期間職場を離れたうえでのキャリアアップをめざす人におすすめです。

保健師

保健師は、保健所や保健センター、企業や学校などの施設で、地域の人々の健康を守り、疾病を予防するために検診や保健指導を行う職種です。

保健師になるためには、保健師と看護師、両方の資格を持っている必要があります。
そのため、保健師の資格は、4年制の大学で、看護師と一緒に取得することが一般的です。
看護師として臨床に出てから保健師をめざす場合には、1年間保健師養成学校に通い、国家試験を受ける必要があります。

助産師

助産師は、妊産婦や妊娠を希望する女性を対象とし、出産の介助や育児相談・指導などを行う職種です。
助産師をめざすには、助産師養成施設に1年間通い、国家試験に合格する必要があります。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、いずれもリハビリを担う職種です。
資格取得のためには厚生労働大臣が指定した養成施設などで3年以上学び国家試験に合格しなければなりません。

理学療法士は、運動や可動域トレーニングをとおして運動器の機能回復をめざします。
作業療法士は日常生活をスムーズに行うための身の回りの動作の訓練を行います。
言語聴覚士が担当するのは、会話や食事に特化したリハビリです。

整形外科や脳神経外科などに勤務している看護師は、これらの資格をプラスで取得することで、リハビリについてより専門的な知識・技術が取得でき、臨床での経験を活かしながら患者さんに関わることが可能です。

臨床工学技士

臨床工学技士は医療機器のスペシャリストです。
人工呼吸器や人工心肺、透析装置といった医療機器の管理を行い、ときには手術に同席することもあります。

臨床工学技士になるには、養成所に2~3年通い、国家試験に合格する必要があります。

社会福祉士(ソーシャルワーカー)

社会福祉士(ソーシャルワーカー)は、心身の障害を抱える人や、環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある人からの福祉に関する相談に応じ、助言・指導を行う職種です。

退院後の患者さんに関わることのできる立場ですが、資格取得のためには1年以上養成施設で学び、国家試験に合格する必要があります。

栄養士・管理栄養士

栄養士と管理栄養士は、いずれも食や栄養の専門家として、栄養指導を行う職種です。

両者の違いは、対象となる人の範囲です。
栄養士は健康な人だけを対象としますが、管理栄養士はそれに加え、病気などで特別な対応が必要となる人に対しても栄養指導を行います。

また、栄養士は国家資格ではありませんが、管理栄養士は国家資格です。

栄養士になるためには、厚生労働大臣が指定した学校に2~4年間通い、修了する必要があります。
管理栄養士になるには、管理栄養士養成課程を修了するか、栄養士として1~3年の実務経験を積んだうえで、国家試験に合格しなければなりません。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神障害を抱える人に対し、社会復帰への支援や相談への対応、助言、指導、訓練などを行う職種です。

資格取得のためには、4年制大学で所定の科目を履修したり、一定年数以上の実務経験を経て養成学校に通ったりするルートで受験資格を得て、そのうえで国家資格に合格する必要があります。

公認心理士

公認心理士は、心理面での支援が必要な人に対し、相談への対応や援助、指導を行う職種で、2017年に設立された国家資格のなかでは新しい資格です。

資格を取得するには、2017年9月15日以前に大学院において定められた科目を履修した者など、全7とおりのルートに該当したうえで試験に合格する必要があります。

国家資格のなかでは、看護師が働きながらめざしやすい資格といえるでしょう。

救急救命士

救急救命士は、患者さんを救急車で医療機関に搬送するまでの間に、観察や処置を行う職種です。
看護師であってもできない気管挿管や分娩介助、またその他にも点滴、薬剤投与、心肺蘇生なども行います。
救急救命士になるには、救急救命士養成校で2年以上の研修を修了し、国家試験に合格する必要があります。
ただし、平成3年8月15日までに看護師免許を取得している方は、申請手続きを行うだけで救急救命士の国家試験受験資格を得ることができます。

民間資格

ここからは、看護師のプラスの資格のうち民間資格について解説します。

救急・救命に関わる資格

救急や救命の現場で活躍する看護師におすすめなのが、日本ACLS協会の資格であるBLSプロバイダー、ACLSプロバイダー、PALSプロバイダーの3つです。

BLSは一時救命処置、ACLSは二次救命処置、PALSは小児二次救命処置のことです。
BLSは1日間の講習を、ACLSとPALSは2日間の講習を受けたあと、筆記試験と実技試験に合格すれば資格を取得できますので、働きながらでも取得しやすく、臨床の現場ですぐに活用できる資格です。

小児科に関する資格

小児科に関する民間資格には、思春期で心身の変化に戸惑うこどもへカウンセリングを行う思春期保健相談士や、新生児に対する心肺蘇生法スキルを身につける新生児蘇生法インストラクター(NCPR)などがあります。

思春期保健相談士は、一般社団法人日本家族計画協会が主催するセミナーの課程を修了することで取得できます。
新生児蘇生法インストラクターも、講習の受講をもって資格が認定されます。

呼吸器に関する資格

呼吸器に関する資格では、3学会合同呼吸療法認定士があります。
これは、日本胸部外科学会・日本呼吸器学会・日本麻酔科学会の3学会が、呼吸療法を習熟した人を認める資格です。
呼吸器病棟や、集中治療室においても活躍が期待できます。

資格取得には看護師ならば2年以上の実務経験、申請書類提出日から過去5年以内に認定委員会が認める講習会などに出席し12.5点以上の得点を取得する、この2つの受験資格を満たしたうえで認定試験の合格が必要です。

循環器に関する資格

循環器に関する民間資格には、人工心臓管理技術認定士、心不全療養指導士などがあります。

【人工心臓管理技能認定士】
人工心臓管理技能認定士は、心臓移植が必要な患者さんに対し、人工心臓の管理や日常生活の援助、指導を行う専門職です。

心臓血管外科専門医認定機構に認定された施設において、看護師であれば3年以上の実務経験、講習の受講などの受験資格を満たしたのち、試験に合格することで取得できます。

【心不全療養指導士】
心不全療養指導士は、心不全のある患者さんに対しサポートを行うための資格です。

受験資格は、日本循環器学会に指定された国家資格を有すること、申請時に心不全療養指導に従事していることなどいくつかあり、すべてを満たす必要があります。
そのあと、講習を受講し認定試験に合格すれば資格を取得できます。

消化器に関する資格

消化器に関する看護師向けの民間資格には、消化器内視鏡技師、ストーマ認定士などがあります。

消化器内視鏡技師は、内視鏡および関連機械の管理や整備、検査医の介助などを専門的に行う施術者です。
日本消化器内視鏡技師会の認定資格であり、内視鏡室で働く看護師であれば取得することができます。

ストーマ認定士は、ストーマに関する専門的な知識と技術を認める資格です。
こちらは日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会による認定資格です。

がん看護に関する資格

がん看護を極めたい看護師におすすめの民間資格には、終末期ケア専門士医療リンパドレナージセラピストなどがあります。

終末期ケア専門士は、日本終末期ケア協会の認定資格です。
看護師の場合は2年以上の実務経験があれば、認定試験を受験できます。

また、医療リンパドレナージセラピストは、リンパ浮腫のある患者さんに対し、医師の診断に基づいて治療を行う専門職です。看護師などの医療資格があれば、講習会の受講と修了試験への合格をもって、資格取得が可能です。

精神科に関する資格

精神科に関する資格としては、臨床心理士などがあげられます。
臨床心理士は、心理学を用いて、患者さんの精神的な問題を解決に導く職種です。
臨床心理士養成に関する専門職大学院、もしくは指定大学院の修了が必要なため、看護師として働きながらの資格取得は難しいでしょう。

婦人科に関する資格

婦人科分野の民間資格には、不妊カウンセラーや体外受精コーディネーターなどがあります。
不妊治療の件数は増加傾向が続いているため、今後も活躍が期待できる職種です。

いずれの資格も、日本不妊カウンセリング学会が設定している到達目標をクリアし、試験に合格することで取得できます。

その他の資格

他にも、看護師がめざせる民間資格として臓器移植コーディネーター、禁煙支援士などがあります。

臓器移植コーディネーターは、臓器移植を必要としている患者さんやそのご家族に対して、移植の調整や説明、提供された臓器とドナーの調整などを行う、臓器移植ケアのスペシャリストです。
こちらは看護師などの医療資格に加え、普通車免許も受験資格に含まれます。
取得のためには、公益社団法人日本臓器移植ネットワークに入職し、研修を受講後、試験に合格する必要があります。

禁煙支援士は、質の高い禁煙支援を実施する専門職です。
日本禁煙科学会の認定試験であり、初級・中級・上級の3種類があります。
講習を受講し、試験に合格することで資格が認定されます。

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介護現場でも活躍したい看護師におすすめの資格

介護現場でも活躍したい看護師におすすめの資格

看護師の仕事をしていて、介護に興味を持つ人も少なくないでしょう。
ここからは、介護現場で活躍できる資格を紹介します。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは介護支援専門員ともいわれ、介護を必要とする人が地域のなかでより良い生活を送れるよう、適切なケアやサービスを提供するための調整を担う職種です。

看護師として5年以上の実務経験があれば、介護支援専門員実務研修受講試験を受けられます。
試験に合格したあと、介護支援専門員実務研修を受ければ、ケアマネジャーとして認定されます。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、認知症ケアに関する専門的なスキルを証明する資格です。
活躍の場は、病院や介護施設など多岐にわたります。
看護師の場合、認知症の患者さんに関わる実務経験が3年以上あれば、認定試験を受験できます。

認知症介助士

認知症介助士とは、認知症の人が安心して社会参加できるようサポートする能力を身につける資格です。

資格取得には、公益財団法人日本ケアフィット教育機構が主催するセミナーに参加する方法や、全国主要都市で受験できるCBTセンター試験に参加する方法などがあります。

シニアピアカウンセラー

シニアピアカウンセラーは、高齢者を対象とした傾聴スキルを身につけられる資格です。
高齢化社会における看護業務において、高齢者との関わりは欠かせません。
高齢者とのコミュニケーションを学ぶことで、高齢者に寄り添った看護ケアの提供が可能になるでしょう。

一般財団法人日本能力開発推進協会が行う教育訓練への参加、その全カリキュラムを修了し、在宅での受験に合格すれば認定されます。

看護師はプラスの資格を取得すれば、キャリアアップをめざせる!

看護師のプラスの資格について紹介しました。
日本看護協会の認定資格、国家資格、民間資格、それぞれに多彩な選択肢があり、取得までにかかる期間や難易度もさまざまです。

自身のキャリアプランと照らし合わせながら、最適なプラスの資格の取得をめざすと良いでしょう。

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執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国71,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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