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薬剤師を辞めたい理由5選|つらいプレッシャーから抜けるための手段

薬剤師は薬の専門家で、医療には欠かせない存在です。
誤った投薬は患者さんの健康を損なうおそれもあり、責任感が求められる仕事です。
ミスを許されない環境は緊張感をともない、プレッシャーも強くかかります。

働くことがストレスになり、「もう働きたくない」「違う仕事に就きたい」と考えてしまう方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、辞めたい理由を5つ取り上げ、対処法をまとめました。

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薬剤師を辞めたいと思う理由と対処法

薬剤師を辞めたいと思う理由と対処法

薬剤師を辞めたい理由で特に多い5つを紹介します。

  • 人間関係がうまくいかない
  • 患者さんの対応がストレス
  • 調剤過誤など責任が重い
  • 給料が低い・増えない
  • 業務量が多すぎる

それぞれ解説していきます。

人間関係がうまくいかない

働いていくうえで、職場の人間関係は非常に重要なポイントです。
人間関係がうまくいかないことは、退職理由の上位にあがります。

薬剤師は、調剤薬局だけでなく病院でも、調剤室などの狭い空間で働くことが多い仕事です。
同じスタッフ、同じ場所、同じ業務の繰り返しなど、マンネリ化しやすい労働環境です。
相性が良くない人がいると、閉鎖的な空間ではストレスを余計に感じるかもしれません。

原因が同僚の場合は、配置転換で解決できる場合があるので、上司に申し出てみましょう。
ストレスのきっかけが上司の場合は、助けを求める相手が見つからないかもしれません。
会社に直訴できないような環境であれば、勤務先の変更を検討するのも一つの方法です。

患者さんの対応がストレス

もう一つの人間関係のストレスは、患者さんの対応です。
薬を処方しにくる患者さんは、症状や年齢などさまざまです。
高齢者は処方する薬の量が多くなりやすく、説明も丁寧に行わなければならないため時間がかかります。

処方箋枚数が多い調剤薬局の場合、患者さん一人に対しじっくり時間をさくことができません。
薬の処方が遅くなることがあると、苦情をいってくる患者さんもいるでしょう。
患者さん対応に慣れていない新人の薬剤師には、負担が大きい場合もあります。

調剤過誤など責任が重い

投薬のミスは患者さんの健康状態などに影響します。
大きな調剤過誤は、法的責任が発生することにもなりかねません。
責任の重大さから、大きなプレッシャーを感じてしまう方もいるでしょう。

プレッシャーを軽減させるには、ミスが起きても職場内で補い合い、患者さんに直接的な影響を及ぼさない環境で働くことが重要です。
調剤監査システムなどを導入し、ミスの防止に力を入れている職場もあります。
ミスが起きづらい環境で働くことで、安心して仕事に打ち込めるでしょう。

給料が低い・増えない

薬剤師の平均年収は、日本人の平均年収より多いです。
医療職のなかでも、医師の次に給料が高いです。

しかし、薬剤師全員が収入が多いわけではありません。
薬剤師として働いていて気になるのは、同じ薬剤師の収入です。
平均より収入が高いとしても、周りの薬剤師に比べて低ければ、自分は給料が低いと考えてしまいます。

薬剤師の職場人数は、あまり多くありません。
病院の約7割が10人以下、調剤薬局でも約7割が3人以下です。

人数が少ないため、会社員のように管理職も多くありません。
昇給の機会も少ないため、収入増を望む場合は転職が第一選択となります。

業務量が多すぎる

業務量が多すぎるのも、辞めたくなる理由の一つになります。
業務量が多い原因は、人手不足であることが多いです。

以下は2021年に厚生労働省で実施された「薬剤師の養成および資質向上などに関する検討会」で使用された資料からの抜粋です。

業務量が多すぎる

調剤薬局より病院のほうが人手不足であることがわかります。
人手が足りないからといって、処方せんの量が減るわけではありません。
その分一人あたりの業務量が多くなります。

さばき切れないほどの業務量になると、現場を回すために患者さんにお薬を渡すことを優先し、薬歴を書く作業は影響のない時間に行います。
もしこの状態が1日中続けば、残業して作業をこなさねばならなくなるでしょう。

さらにこのような忙しい職場の場合、欠員が出たときの影響は深刻です。
そのため、有給休暇も取りづらくなりやすいです。

薬剤師を辞める前にできる対処法3選

薬剤師を辞める前にできる対処法3選

薬剤師を辞める前にできる対処法は以下の3つです。

  • 上司に相談・職場の改善アクションを起こす
  • 休職する
  • 転職先を探す

それぞれ解説していきます。

上司に相談・職場の改善アクションを起こす

職場環境が原因で辞めたいと悩んでいる人は、思い切って上司に職場改善の提案をするのも一つの方法です。
改善したい項目を書き出して行動してみましょう。

変えるのは難しいと思うかもしれませんが、大事なのは結果よりも、改善項目を書き出して行動するという過程です。
メリットは次の項目で詳しく紹介します。

ハラスメントの被害にあっている場合は、被害の記録を残しておきましょう。
証拠があれば、薬局長やエリアマネージャーなどへの相談をスムーズに進めることができるからです。

今後を考えれば改善アクションはしておくべき

職場環境の改善について、さらに深く見ていきます。
前項で「改善項目を書き出して行動する過程が大事」と述べましたが、理由は以下のメリットがあるからです。

  • 行動して改善された場合は、辞めずに済むこともある。
  • 改善されないならいつ辞めても良いと悩みが一本化され、気持ちが楽になる。

転職回数は少ないほうが、転職活動上の印象が良いのが一般的です。
改善されて辞めないで済むのであれば、問題解決、悩み解消などのメリットがあります。
一方、これでダメなら「いつ辞めてもかまわない」という心構えができることで、進退に対していろいろな悩みがあったとしても、考えが整理されて気持ちが楽になります。

転職面接時に「辞めた理由」をはっきりと説明できる

もう一つ、行動することで大きなメリットがあります。
転職活動を行ううえで、前職を辞めた理由を聞かれることは、ほぼ間違いないでしょう。
その際、職場改善に対して行動したことを、そのまま話すことができます。

前の職場の不満をただ話すのではなく、「〇〇を試しましたが、組織の都合上、改善は見込めず・・・」など、自信を持って伝えられます。
前職を辞めたことについて、印象がネガティブなものからポジティブなものに変わることを期待できるでしょう。

休職する

2つ目の対処法は休職することです。
相談や改善アクションは、心にまだ余裕があるときはできるかもしれません。
しかし体調不良や気持ちが憂うつなときは、休職を選ぶのも選択肢の一つです。
心身が不調なときは、冷静な判断ができずに後悔してしまうかもしれません。

休職する場合は、傷病手当を受けられる制度があります。
以下は全国健康保険協会の例です。

傷病手当金は、次の1から4の条件をすべて満たすことで支給されます。

  1. 事務外の事由での病気やケガの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと

支給される期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヵ月です。(2022年1月現在)

最低限の保障はされるので、落ち着いて考えられるまで休むのも対処法の一つです。

転職先を探す

人間関係ではなく労働条件が原因の場合は、自分一人の力では改善が難しい可能性があります。
給料面や労働時間などが急激に変わることは少ないため、条件がどうしても合わないと思ったなら転職を考えたほうが良いかもしれません。

「給料が低い・増えない」の項目でも触れましたが、一般労働者のなかでは薬剤師の給料は平均よりも高いです。
しかし薬剤師になったら、同じ職種内で比較をしてしまうでしょう。
周りが好条件で働いているのを知れば、より良い労働環境へ身を置きたくなるのは自然なことです。

ただ、考えなしに転職するのは良くありません。
そこで、男女別で明確にしておくと良い指標を紹介します。

  • 男性:キャリアプラン
  • 女性:ライフプラン

厚生労働省がまとめた「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職者の採用理由でもっとも多いのは、経験を活かした即戦力です。
転職者は経歴が重視されるので、男性は将来のキャリアプランを頭に入れて転職先を選択をすると良いでしょう。

一方で女性は、出産や育児を理由に辞める場合もあるので、将来のライフプランを見据えておくのがおすすめです。
キャリアプランのみで選択すると、ライフステージが変わるたびに転職や退職をすることになるかもしれません。

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薬剤師を辞める判断をする目安と対処法

薬剤師を辞める判断をする目安と対処法

次のような状態が、辞める判断をする目安です。

  • 悩んでいる状態が半年以上続いている
  • 体調面や精神面の不調が生じている
  • 職場に相談できる人が誰もいない

それぞれ解説していきます。

悩んでいる状態が半年以上続いている

悩んでいる根本の原因が、一時的なものかどうかを考えてみてください。
それが半年以上続いている場合は、解決は難しいかもしれません。

人手不足の場合を例にあげます。
冬場の忙しい時期(かぜなどが流行るため)のような一時的な状況であれば、半年以上続くことは考えにくいです。
一方、慢性的に人手が足りない場合、人員を増やすつもりがない、負担を和らげるための設備投資など改善する気がない可能性があります。

人手不足以外にも、半年以上続いているかどうかを目安にすると良いでしょう。

体調面や精神面の不調が生じている

体調面の不調は表に出るので、気がつきやすいです。
一方で精神面の不調は表に出にくいため、発見が遅れてしまうことも。

次のようなことが続いた場合は、こころの病気の初期症状かもしれません。

体調面や精神面の不調が生じている

参照元:こころの病気の初期サインに気づく – メンタルヘルスへのとびら

上記のような症状が続くようであれば、悪化する前に休むなど対処してください。
こころが落ち着いたら、復職するか辞めるか考えましょう。

職場に相談できる人が誰もいない

勤務先に相談できる人がいるのは、重要なことです。
相談相手がいない場合は、悩み事などを解決できず、フラストレーションが積み重なってしまうかもしれません。

一人でも気が置けない仲間がいれば、つらい出来事があっても乗り切れるものです。
一人でなんでも解決できる方や、一人のほうが気が楽で好きな方を除いては、仲間を求めて職場を変えることを視野に入れるのも良いかもしれません。

薬剤師を辞めたいときは冷静に行動しよう

ここまで薬剤師が職場を辞めたい理由と対処法をまとめてきました。
薬剤師を辞めたくなる理由をおさらいすると以下の5つです。

  • 人間関係がうまくいかない
  • 患者さんの対応がストレス
  • 調剤過誤など責任が重い
  • 給料が低い・増えない
  • 業務量が多すぎる

また対処法として、以下の3つがあげられます。

  • 上司に相談・環境の改善アクションを起こす
  • 休職する
  • 転職先を探す

薬剤師の仕事は、平均的には残業が少なく高収入な魅力ある仕事です。
自分に合った職場はきっと見つかります。
将来へ向けて冷静な判断ができるよう、まずは体調面、精神面を整えてから行動しましょう。

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執筆者について

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