薬剤師をしている人のなかには、薬剤師にやりがいを感じておらず、たのしさを知りたい人もいるでしょう。
また、薬剤師をめざしている人のなかには、仕事内容とやりがいの両方を知りたいと思っている人もいるかもしれません。
この記事では、薬剤師のやりがいや魅力をくわしく解説します。
薬剤師のモチベーションが下がったときの対処法も紹介するので、現役薬剤師の人もぜひ参考にしてください。
目次
薬剤師の仕事のやりがいや魅力
薬剤師の仕事のやりがいや魅力は数多くあります。
患者さんと接するなかで感じるやりがい、薬の専門家として働くことの魅力などを紹介しましょう。
患者さんから直接感謝される
薬剤師は、薬の説明など、患者さんと直接関わる機会が多く、「ありがとう」と言われたときなどにやりがいを感じます。
自分のすべきことをして人の役に立てたり、感謝されたりする仕事は、とても魅力的です。
副作用の説明などはもちろん、患者さんの状況について相談を受けるので、頼りにされる機会もあるでしょう。
かかりつけの薬剤師になると、より感謝される機会が増えるかもしれません。
人から感謝される仕事はたくさんありますが、薬剤師は直接感謝の言葉をもらえるのが特徴です。
薬の専門家としての医療に貢献できる
薬剤師は、病院や調剤薬局などで薬の調剤や管理、服薬指導などを行うスペシャリストです。
主な仕事は調剤ですが、以下のような仕事もあります。
- 臨床研究
- 治験業務
- フィジカルアセスメント(バイタルサインの聴取など)
- OTC医薬品(市販薬)のセルフメディケーション対応
- 緊急避妊薬の対応
セルフメディケーションとは、自分の健康に責任を持ち、軽度な不調を自分でケアすることです。
また、バイタルサインの聴取では、血圧測定などを行います。
このように、薬剤師は調剤だけでなく、医療に幅広く貢献できます。
薬をとおして命と健康を守る重要な仕事であることに、やりがいを感じる人もいるでしょう。
待遇が良い
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、令和5年の薬剤師の年収は約550万円です。
薬剤師の年収は、一般的な会社員に比べて高い傾向にあるため、給与待遇は良いといえます。
待遇が良いことは安心感にもつながります。
しっかりと責任を持って働くモチベーションにもつながるでしょう。
【職場別】薬剤師のやりがいや魅力
薬剤師のやりがいや魅力を職場別に見ていきましょう。
調剤薬局、病院やクリニック、ドラッグストア、製薬会社の4つに分けて紹介します。
調剤薬局で働く薬剤師のやりがいは患者さんとのコミュニケーション
調剤薬局では、地域の身近な相談役として、多くの患者さんとコミュニケーションを取ることになります。
一人ひとりの健康にしっかりと関われることに、やりがいを感じる人もいるでしょう。
また、患者さんとのコミュニケーションを通して、薬の調剤やピッキング、服薬指導など、薬剤師としての知識がより深まるのも魅力の一つです。
病院やクリニックで働く薬剤師のやりがいはチーム医療
病院やクリニックでは、調剤薬局と同じように基本的なスキルを習得できます。
特定の科の病院やクリニックの場合、専門的な分野の処方箋が多くなり、その分野の医薬品スペシャリストをめざせるでしょう。
また、病院やクリニックではチーム医療に関われるのもやりがいの一つです。
チームとして、医師や看護師、製薬メーカーの人など、多くの職種の人と関われるので、さまざまな視点から物事を見られるようになるでしょう。
ドラッグストアで働く薬剤師のやりがいはセルフメディケーションの推進
ドラッグストアで働く薬剤師のやりがいの一つに、政府の推進している セルフメディケーションに貢献できることが挙げられます。
セルフメディケーションでは、OTC医薬品を使用します。
医薬品の知識が少ない一般市民にとって、知識のある薬剤師は頼もしい存在です。
ドラッグストアで勤務すれば、OTC医薬品のスペシャリストになることもできるでしょう。
また、ドラッグストアでは薬剤師の判断でお客様に合う医薬品を選べます
医薬品の知識を活かし、自分で医薬品の提案や相談ができることは、大きなやりがいを感じるでしょう。
製薬会社で働く薬剤師のやりがいは医療貢献
製薬会社で働く薬剤師は患者さんとの関わりが少ないため、直接感謝されるといったやりがいは感じにくいかもしれません。
しかし、直接的ではなくとも、新薬の開発などに携わることで患者さんの健康に大きく貢献できます。
なかには、より多くの人の健康に貢献できることに喜びを感じる人もいるでしょう。
薬学や医学の研究職や開発職として新薬に関わったり、最前線で働いたりもできるため、そこにやりがいを感じる人もいます。
直接患者さんに寄り添えなくても、研究や開発で広く医療貢献できるのが、製薬会社で働く魅力です。
薬剤師のモチベーションが下がったときの対処法
ここまで薬剤師のやりがいや魅力をお伝えしましたが、薬剤師として働いているとモチベーションが下がるときもあります。
たとえば、労働環境や人間関係、仕事内容、給与などに不満があれば、いくらやりがいがあっても辞めたくなることもあるでしょう。
薬剤師のモチベーションが下がったときの対処法を4つ紹介します。
感謝されたことを思い出す
仕事が忙しかったり人間関係が悪化したりすると、嫌な面ばかり見えてしまい、悪循環に陥りやすくなります。
そんなときは、初心にかえることをおすすめします。
自分がなぜ薬剤師になりたかったのか、薬剤師はなんのためにいるのか考えてみましょう。
それは患者さんの健康を守るためです。
自分のことに目を向けすぎず、患者さんのためと思い出せば、やる気が戻ってくるかもしれません。
また、多くの患者さんに感謝されたときの気持ちを思い出してみましょう。
自然にこれからもがんばろうと思えてくるはずです。
休暇を取る
モチベーションが上がらない理由は、心身ともに疲れているからかもしれません。
そのようなときは無理せずに、心と体をゆっくり休めてあげましょう。
患者さんの健康に寄り添う薬剤師が不健康では、患者さんも不安な気持ちになってしまいます。
休暇をとって自分の時間を作り、ゆっくり好きなことをすれば、また新たな気持ちでがんばれるでしょう。
勉強会や書籍でスキルを磨く
モチベーションが上がらないときは、スキル磨きに徹してみるのも一つの方法です。
特に何も原因がないのにやる気が出ないのは、同じ業務の繰り返しをつまらないと感じているからかもしれません。
その場合は勉強会に参加するなど、新しいことにチャレンジしてみましょう。
時間がなく勉強会の参加が難しい方は、書籍を読むだけでも充分です。
日本薬剤師研修センターでは、薬剤師としてのスキル向上を目的とした書籍を刊行しています。
医療の知識が深まることで、同じ仕事をするなかでも新しい発見につながり、業務にハリが出ることもあるでしょう。
先輩や仲間に相談する
状況を見極めるためにも、先輩や仲間など同じ仕事に携わっている人の意見を聞くのもおすすめです。
悩んでいるときは、なかなか自分の置かれている環境が客観視できないもの。
そのようなときに他人の視点からの意見を聞けば、気持ちがすっきりすることもあるでしょう。
解決方法が見つからなくても、仲間と話しているうちにもう少しがんばろうと思える場合もあります。
できるだけ、信頼できる人に相談するようにしましょう。
薬剤師はやりがいある仕事
薬剤師の仕事にはさまざまなやりがいがあります。
これから薬剤師をめざそうと考えており、悩んでいる方は、ここで紹介したやりがいや魅力を参考に、あらためて自身に合っていそうか検討してみましょう。
もし、現在薬剤師として働いているもののモチベーションが下がっている方は、モチベーションアップの方法を試してみてください。
それでも今の職場にやりがいを感じられないなら、転職を検討するのも一つの方法です。
自分の状況を見極め、薬剤師の資格を活用できる道を探しましょう。