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作業療法士が精神科で果たす役割・仕事内容は?今後の展望も解説

「精神科で働く作業療法士ってどのような仕事をしているの?」
「精神科で作業療法士って需要あるの?」

現在作業療法士として働いている方で、精神科領域での経験がない場合、仕事内容や作業療法士の需要があるのかがわからないかもしれません。
精神科領域において作業療法士が活躍する場所は多く、今後も作業療法士の需要は高まる見通しです。

この記事では、精神科領域における作業療法士の働く場所や仕事内容、今後も需要が高まる理由について紹介します。

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精神科で働く作業療法士の仕事内容

精神科で働く作業療法士の仕事内容

精神科領域で働く作業療法士は、精神疾患を持つ患者さんに対してリハビリを行います。
対象疾患を一部例に挙げます。

  • 認知症
  • 統合失調症
  • うつ病
  • 知的障害
  • 不安症・強迫症
  • 自閉症

上記のような精神疾患を持つ患者さんは一人ひとり症状が異なり、抱えている悩みや困難も異なります。
個々に合ったリハビリプランを作成して肉体面と精神面のリハビリを行い、日常生活の自立や社会復帰をめざすのが、精神科領域での作業療法士の仕事です。

また、働く場所によっては精神疾患・障がいを持っている方やご家族に向けての相談会へ参加したり、講演会で普及活動を行ったりすることもあります。

精神科領域で作業療法士が働く場所

精神科領域で作業療法士が働く場所は、おもに以下の5施設です。

  • 精神科病院
  • デイケア
  • 精神障害者支援センター
  • 精神保健福祉センター
  • 精神障害通所授産施設

各施設の特徴を順番に説明していきます。

精神科病院

精神科病院には、うつ病や統合失調症など心の病気を治療するために、患者さんが入院・通院しています。
精神科病院で働く際は、作業療法士は以下の医療従事者と協力しながら業務を行います。

  • 医師
  • 看護師
  • 理学療法士
  • 精神保健福祉士
  • 臨床心理士
  • 公認心理師

入院患者に対しては退院をめざして、通院患者に対しては現状のヒアリングから課題を見つけその解決に向けて、プラン作成とリハビリを行います。

デイケア

精神科デイケアは、精神疾患を患っている方が利用できる通所型リハビリ施設です。
デイケアでは自立支援や就労支援を行い、社会復帰や利用者における生活の質が向上することをめざします。

9時〜15時まで活動を行っており、午前・午後に分けたプログラムが一般的です。
日中通えない人向けに16時以降のナイトケアや、両者を組み合わせたデイナイトケアを行っている施設もあります。
プログラムの内容は各施設で異なるため、施設を選ぶ際にどのようなプログラムを行っているか調べると良いでしょう。

精神障害者支援センター

精神障害者支援センターは、市区町村が運営する精神障がい者への就業・生活支援を行う場所です。
食事・洗濯・入浴などの生活サポートやグループ活動・レクリエーション、地域の行事への参加などを生活支援として行っています。

就労支援においては就労訓練や就労活動の支援を行っており、作業療法士は、日常生活や就労できるようになるための訓練メニューの考案・実施を行います。

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、法律によって各都道府県への設置が義務付けられている施設で、全国に69箇所設置されています。
精神保健センターでは、心の問題や病気の相談、広報普及活動、デイケア、教育研修などを行っています。

作業療法士が担うのは、一般的には訓練や作業プログラムの指導がメインですが、相談窓口のスタッフとして、心の問題に関する相談業務を行う場合もあるのが特徴です。

精神障害通所授産施設

精神障害者入所授産施設は、精神障がいを持つ方で、意欲がありながらも一般企業での就労が困難な方に向けた、社会参加のための施設です。
通所授産施設では、一般企業よりも低めの賃金で就業しつつ、作業療法士の考案した訓練を行って一般企業での雇用をめざします。

現在は、全国に約1,400のセルプと呼ばれる障害者就労施設・事業所があり、働く意欲がある方の社会的就労の場を提供しています。

精神科でリハビリができる作業療法士は今後も需要が増える展望

厚生労働省の調査では、平成14年から平成29年にかけて精神疾患を有する患者さんの数は、258.4万人から419.3万人と約1.6倍に増加していることがわかりました。
特に認知症患者が増え続けており、2020年時点で約600万人、2025年には約700万人まで増えると想定されています。

2025年には65歳以上の5人に一人が認知症になり、認知症以外の精神疾患にかかる方もいるため、精神科を受診する高齢者は増えることが予想されます。
そのため、精神科領域でのリハビリの需要も増えると推測され、精神疾患患者に対する日常作業・職業復帰にむけてリハビリテーションを行える作業療法士の需要も高まるでしょう。

精神科での経験を積めば作業療法士としてキャリアアップができ、転職の際も有利になります。

作業療法士の精神科での仕事内容を知り働いてみよう

精神科での作業療法士の仕事場所は多岐に渡り、さまざまな場面で精神疾患を患っている方の支援を行っています。
患っている病気によって詳細は違えど、患者さんができなくなった作業ができるようになるための訓練メニューを考え、実践してもらい、できる喜びや自信を体感してもらうのが作業療法士の仕事です。

精神科領域は、今後ますます需要が高まることが予想されます。
精神科領域に挑戦し、作業療法士としてのキャリアアップをめざしましょう。

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