この記事を読んでいるあなたは、以下のような悩みを持っているのではないでしょうか。
- 作業療法士の国家資格を受けるけれど、当日のスケジュールやいつ申し込むかがわからない。
- 作業療法士に興味はあるけど、倍率や合格する割合など国家試験に受かるか不安。
- 過去の試験を参考に試験当日の流れや受験するための心構えをしておきたい。
この記事では、令和2年度や令和3年度を含む過去の情報から作業療法士の国家資格の試験概要、日時、ボーダー、時間割などを詳しくご紹介します。
最後まで読んでいただき、万全な状態で作業療法士の国家資格に挑んでください。
目次
作業療法士の国家試験について
作業療法士の国家試験は専門的な試験のため、作業療法士養成校に3年以上通い、知識と技能を習得して所定の単位(101単位以上)を修得したうえで、はじめて受験資格を取得できます。
作業療法士の国家試験は例年2月に行われています。
試験の詳細を確認してみましょう。
試験科目・試験方法
作業療法士の国家試験は、筆記試験で行われます。
筆記試験は五肢択一式で一般問題を1問1点、実地問題を1問3点で出題されます。
出題基準は社会状況に応じて改正されるので、最新の教材を使用しましょう。
試験方法は合計200問とし、午前100問と午後100問の試験がそれぞれ実施されます。
重度視力障がい者に対しては口述試験もあり、実技試験は運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む)および作業療法に基づいて実施されます。
試験科目は以下のとおりです。※令和6年度から変更になります。
一般問題 | 実地問題 |
● 解剖学 ● 生理学 ● 運動学 ● 病理学概論 ● 臨床心理学 ● リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む) ● 臨床医学大要(人間発達学を含む) |
● 運動学 ● 臨床心理学 ● リハビリテーション医学 ● 臨床医学大要(人間発達学を含む) ● 作業療法 |
試験日程・会場
試験の日にちは例年2月中旬の日曜日に筆記試験、月曜日に口述試験および実技試験が実施されています。
試験会場は北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県および沖縄県となり、重度視力障がい者に対しての口述試験および実技試験は東京都のみで実施されています。
受験の手続き・手数料等
国家試験受験のための提出書類は厚生省の発表のとおり以下の表をご参照ください。
すべての受験者が提出するもの | |
受験願書 | 理学療法士および作業療法士法施行規則様式第5号により作成する。 |
写真 | 6ヵ月以内に撮影した縦6cm、横4cmのもの。裏面に撮影年月日および氏名を記載し、交付する受験写真用台紙に貼り付けたうえ、同台紙に所定の事項を記入して提出。 |
返信用封筒 | 縦23.5cm、横12cmのもの。表面に、郵便番号および宛先を記載し、529円(定形郵便94円+一般書留435円)の郵便切手を貼り付け、書留と記載する。 |
受験料金 | 10,100円 |
該当者の受験者のみ提出するもの | |
修業証明書もしくは修業見込証明書または卒業証明書もしくは卒業見込証明書 | 3年以上作業療法士として必要な知識および技能を修得したもの、または卒業する見込みの者を含む |
作業療法士国家試験受験資格認定書の写し | 外国の作業療法に関する学校もしくは養成施設を卒業した者のみ |
合格点(合格基準)
作業療法士の国家試験の合格点は275点満点中165点以上で、そのうち実地問題が117点満点中41点以上が合格点です。
※令和4年の試験の場合です。合格点は年度ごとに異なります。
例年の試験では総得点のおよそ60%、実地問題のおよそ30%が合格点となっています。
一般問題と実地問題の両方の合格点が必要となります。
合格発表
試験の合格者の発表は、毎年試験日の翌月3月に厚生労働省が結果を発表しています。
厚生労働省ホームページに受験地および受験番号を掲載して発表されているので、合格発表日に厚生労働省のホームページを確認しましょう。
作業療法士国家試験の合格率・難易度
作業療法士の国家試験に合格する人数は例年70%〜80%となっています。
一般問題と実地問題の両方で合格点を取得する必要があるため、一般問題は70%、実地問題は40%を正答しておくと安心できます。
出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2022年 | 5,920人 | 5,723人 | 4,608人 | 80.5% |
2021年 | 5,747人 | 5,549人 | 4,510人 | 81.3% |
2020年 | 6,590人 | 6,352人 | 5,548人 | 87.3% |
2019年 | 6,555人 | 6,358人 | 4,531人 | 71.3% |
2018年 | 6,329人 | 6,164人 | 4,700人 | 76.2% |
作業療法士国家試験当日の流れ
作業療法士の国家試験は午前と午後にそれぞれ2時間40分の試験が行われる長丁場となります。
1日中試験に挑むため、開始時間までの準備や当日の流れの把握が重要です。
事前準備をしっかりしてから試験当日に挑みましょう。
筆記試験開始
試験開始時はできるだけリラックスした状態で試験に挑みたいものです。
音楽を聴く、深呼吸する、手をマッサージするなど、ご自身ができるリラックス方法を試しましょう。
試験開始後は、すぐに氏名と受験番号を確実に記入しましょう。
午前中は2時間40分で100問を解いていきます。
問題を見直す時間や難問を解く時間を考慮すると、1問1分程度のペースで解くことが理想です。
満点を狙わなくても合格点を出せば大丈夫なので、わからない問題は飛ばしながら落ち着いて進めていきましょう。
お昼休憩
午前中の試験が終わりお昼休憩に入ります。
お昼休憩では午後の試験に向けてリフレッシュします。
できる限り気持ちをリフレッシュできるように、友人と話す、音楽を聴く、外の空気を吸いに行く、などご自身に合う気分転換方法を試しましょう。
お昼ご飯は近くの飲食店で済ますか、軽食を持参するのがおすすめです。
トイレも混み合う可能性があるため、余裕をもって行きましょう。
トイレでも復習できるようにミニノートなどを持っていくことをおすすめします。
午後の作業療法士の国家試験開始
お昼休憩が終わるといよいよ午後の試験が始まります。
午後の試験も午前と同じ形式で100問が2時間40分で出題されます。
午後の試験もリラックスした状態で挑めるように、ご自身なりの方法を試しましょう。
午前が乗り切れたなら午後も乗り切れると信じて、慌てずに1問1問を確実に解いていきましょう。
令和6年度以降は試験内容が変わる
作業療法士の国家試験では、令和6年度以降は試験内容が変わる予定です。
令和6年度以降に試験を受ける場合は、新たな試験内容となる教科を確認したうえで、作業療法士の国家試験に挑んでください。
国家試験の内容変更について、以下にまとめます。
令和6年度以前の国家試験内容
専門基礎分野 | |
● 人体の構造と機能および心身の発達 | ● 解剖学 ● 生理学 ● 運動学 ● 人間発達学 |
● 疾病と障害の成り立ちおよび回復過程の促進 | ● 医学概論 ● 臨床医学総論 ● リハビリテーション医学 ● 臨床心理学 ● 精神障害と臨床医学 ● 慢性疼痛と臨床医学 ● 中枢神経の障害と臨床医学 ● 末梢神経・筋系の障害と臨床医学 ● 小児の障害と臨床医学 ● 内部障害と臨床医学 ● がん関連障害と臨床医学 ● 老年期障害と臨床医学 |
● 保健医療福祉とリハビリテーションの理念 | ● 保健医療福祉 ● リハビリテーション概論 |
作業療法専門分野 | |
● 基礎作業療法学 | ● 作業療法の基本 ● 作業療法の範囲 ● 作業療法学の基礎 |
● 作業療法評価学 | ● 目的 ● 時期と手順 ● 心身機能・身体構造 ● 活動、参加 ● 背景因子等 ● 福祉用具、義肢、装具 ● 疾患、障害 ● 保険、予防 |
● 作業療法治療学 | ● 基礎 ● 心身機能、身体構造 ● 活動、参加 ● 背景因子等 ● 義肢、装具 ● 疾患、障害 ● 保険、予防 |
● 地域作業療法学 | ● 基礎 ● 評価と支援 |
● 臨床実習 | ● 実習前準備 ● 実習実施内容 |
令和6年度以降の国家試験内容
専門基礎分野 | |
● 人体の構造と機能および心身の発達 | ● 解剖学 ● 生理学 ● 運動学 ● 人間発達学 |
● 疾病と障害の成り立ちおよび回復過程の促進 | ● 医学概論 ● 病理学概論 ● 臨床医学総論 ● リハビリテーション医学 ● 臨床心理学 ● 精神障害と臨床医学 ● 骨関筋障害と臨床医学 ● 慢性疼痛と臨床医学 ● 中枢神経の障害と臨床医学 ● 末梢神経・筋の障害と臨床医学 ● 小児の障害と臨床医学 ● 内部障害と臨床医学 ● がん関連障害と臨床医学 ● 老年期障害と臨床医学 ● その他の障害と臨床医学 |
● 保健医療福祉とリハビリテーションの理念 | ● 保健医療福祉 ● リハビリテーション概論 |
作業療法専門分野 | |
● 基礎作業療法学 | ● 作業療法の基本 ● 作業療法の範囲 ● 作業療法学の基礎 |
● 作業療法管理学 | ● 職業倫理 ● 職場管理 ● 教育 ● 法規・関連制度 |
● 作業療法評価学 | ● 目的 ● 時期と手順 ● 心身機能、身体構造 ● 基本動作 ● 活動、参加 ● 背景因子等 ● 義肢、装具、支援機器、自助具等 ● 疾患、障害 ● 保健、予防 |
● 作業療法治療学 | ● 基礎 ● 心身機能、身体構造 ● 基本動作 ● 活動、参加 ● 背景因子等 ● 義肢、装具、支援機器、自助具等 ● 疾患、障害 ● 保健、予防 |
● 地域作業療法学 | ● 基礎 ● 評価と支援 ● 安全管理 |
● 臨床実習 | ● 実習前準備 ● 医療提供施設実習実施内容 ● 地域実習実施内容 ● 実習後評価 |
しっかりと対策をして作業療法士国家試験に合格しよう
今回は作業療法士の国家試験の詳細をご紹介しました。
作業療法士の国家試験は、しっかりと対策をしたうえで挑めば合格できる試験です。
綿密な学習と受験までの準備を怠らなければ問題はありません。
作業療法士の国家試験に合格できるように、試験対策を万全にしたうえで出願し、受験しましょう。