作業療法士になるためには、どのような科目を勉強すれば良いのでしょうか。
本記事では、作業療法士国家試験の出題科目を紹介したうえで、それぞれの科目の内容を解説していきます。
これから作業療法士をめざす方や、試験対策を始める方は参考にしてください。
目次
作業療法士をめざす人が勉強すべき科目の内容
作業療法士国家試験の試験科目は以下のとおりです。
- 解剖学
- 生理学
- 運動学
- 病理学概論
- 臨床心理学
- リハビリテーション医学
- 臨床医学大要
- 作業療法
各科目について、具体的に何を学ぶ学問かを解説します。
解剖学
解剖学とは、人体の形や構造を学ぶ学問です。
人間の体は、約200個の骨や、多種多様な臓器、筋肉、神経など、さまざまな要素で構成されており、解剖学では、その一つひとつにつけられた名前や役割を学んでいきます。
作業療法士は人間の体に直接触れる仕事ですから、人体の構造を理解しておくことは重要です。
生理学
生理学では、人体のメカニズムや、その機能を学びます。
手を伸ばす、物をつかむ、立ち上がる、歩く、喋る、物を見る、音を聞く、考えるなど、人間のありとあらゆる動作は、人体に備わっているメカニズムが機能することで行われます。
生理学を通してメカニズムや機能を学ぶことで、作業療法の現場で接する人体への理解を深めていきましょう。
臨床心理学
臨床心理学では、患者さんの心の問題に寄り添い、適切にアプローチするための手法を学びます。
作業療法士が接する患者さんは、事故や怪我による心の問題を抱えていることも少なくありません。
臨床心理学を学ぶことは、そうした患者さんの苦痛を軽減するためにも重要です。
運動学
運動学では、人間の体がどのように動くのか、体を動かすときに人体の各部位がどのように影響しあっているのかなど、体の動きにまつわる学びを深めます。
体の動きのことを知っておけば、作業療法士として働きはじめてから、患者さんの体の異常に気付くことができるでしょう。
運動学で必要な知識を身につける過程では、解剖学や生理学、物理学など、さまざまな学問の知識を用います。
病理学
病気の成り立ちや、人体への影響を学ぶ病理学は、医療職をめざす人にとって避けては通れない学問です。
作業療法を必要とする患者さんのなかには、何らかの病気を抱えている方が少なくありません。
そのため、適切なリハビリを実施するためには、病理学の知識が欠かせないのです。
リハビリテーション医学
リハビリテーション医学は、病気や怪我によって起こる機能障害に対して、どのように治療やリハビリを行っていくのかを学ぶ学問です。
リハビリには、急性期、回復期、維持期とさまざまな段階があり、必要な対応や携わる職種もそれぞれ異なります。
作業療法士はリハビリに関わる仕事なので、リハビリテーション医学を学ぶことはもちろん必須です。
臨床医学
臨床医学とは、患者さんを診療するための医学の分野です。
他のさまざまな科目で身につけた医療知識が、実際の医療現場でどのように活かされているのかを学びます。
また、知識だけではなく、患者さんと関わるうえで欠かせないコミュニケーションなどを身につける機会もあります。
作業療法
作業療法とは、文字を書く、着替える、食事をするなど、日常生活のなかで行う動作(=作業)が困難になった患者さんに対して、リハビリを行うことです。
作業療法士をめざすにあたっては、この作業療法の知識や技術を学びながら、臨床実習も経験し、実際のリハビリ現場で活躍できるスキルを磨きます。
作業療法士になるためには幅広く勉強をする必要がある
本記事では、作業療法士をめざす人が学ぶべき科目について解説しました。
今回紹介した科目は、資格取得後に作業療法士として活躍する際にも必要となるものばかりです。
国家試験の対策としてだけではなく、実際のリハビリに役立てることを意識しながら学びを進めましょう。