
医療事務の目標管理シートは、業務効率化やスキルアップを追求するうえで欠かせないツールです。
しかし、目標の設定方法に悩んだり、毎回同じような内容になってしまったりする方もいるでしょう。
本記事では、医療事務の目標管理シートにおける目標設定や自己評価の記入例、作成時のポイントを紹介します。
効果的な目標管理シートを作り上げ、医療事務としてのスキル向上やモチベーションアップに役立てましょう。
目次
医療事務の目標管理シートの記入例
人事考課における医療事務の目標管理シートとは、個人やチームの具体的な目標を定め、達成に向けて計画的に取り組むためのツールです。
目標管理シートには、主に以下の要素が含まれます。
- 目標設定
- 目標達成の期日
- 行動計画
- 評価基準
- 結果
- 自己評価
目標管理シートの活用によって、目標達成に向けた改善点が明確になり、成果を上げやすくなるでしょう。
医療事務における目標管理シートの目標設定・自己評価の記入例を紹介します。
目標設定の例文
目標管理シートの目標設定は、漠然とした内容ではなく、具体的な目標を数値とともに記載しましょう。
達成期日も設定しておくと、目標に向けて計画的に動きやすくなります。
目標の内容別の記入例は、以下のとおりです。
● 〇〇の資格を取得し、〇年〇月までに担当できる業務を〇件まで増やす。
● 〇年〇月までに、管理職として必要なスキルや知識を身につける。
● 算定ミスや病名漏れなどのミスを減らし、レセプトの査定率を〇%以下にする。
● レセプト業務の作業工程を見直し、残業時間を〇時間削減する。
● 患者さんにアンケートを実施し、〇年〇月までにクレーム件数を〇件以内に減らす。
● 〇年〇月までに、受付業務の待ち時間を平均10分短縮する。
自己評価の例文
自己評価は、わかりやすく評価を述べつつ具体的な改善点も挙げるようにしましょう。
自分を必要以上に良く見せようとするのではなく、振り返りと反省に活かせるよう、ありのままの評価を記録しておく必要があります。
医療事務の自己評価の例文は、以下のとおりです。
今後は、会計業務の待ち時間の短縮もめざしたい。
一方で、返戻件数は平均〇件から〇件に減少したものの、目標の〇件には届かなかった。チェック項目の改訂を行い、次期は目標に届くよう努力したい。
医療事務の目標管理シートの重要性
目標管理シート作成には、次のようなメリットが期待できます。
- 現状の把握
- モチベーションと生産性の向上
- スキルアップ
- 公平で客観的な評価が可能
目標を設定するためには、まず自分自身やチームの課題を把握しなければなりません。
現状を把握できると、適切な目標が見つかりやすくなるためです。
具体的な目標が見つかると、達成のために必要な工夫や行動を発見できます。
その結果、意欲が高まり、生産性の向上やスキルアップにつながるでしょう。
また、ゴールにたどり着くために新しいスキルを身につけたり、知識を習得したりする機会も増加します。
ゴールや期日を定めておけば、期日が到来した際に達成できたかどうかが一目でわかり、客観的な評価が可能です。
このように、上記で紹介した記入例を参考に目標管理シートを作成することで、医療事務の業務効率向上がめざせます。
医療事務における目標管理シート作成のポイント
医療事務が目標管理シートを作成する際は、上述の記入例でも触れたとおり、具体性を意識しましょう。
「SMARTの法則」に基づき、詳細な計画を立てる方法がおすすめです。
SMARTの法則は目標設定の手法であり、5つの要素の頭文字から構成されています。
- Specific(具体的)
- Measurable(測定可能)
- Achievable(達成可能)
- Relevant(関連性)
- Time-bound(明確な期限)
これらの要素を考慮したうえで、目標設定を行う際のポイントを詳しく見てみましょう。
目標は具体的で現実的なものにする
目標は、具体的かつ現実的な内容を設定することが重要です。
簡単に達成できてしまう内容であったり、逆に難しすぎる目標であったりすると、モチベーションの低下につながる可能性があります。
例えば「前年より良い成果を上げる」という内容では、年間目標として漠然としており、完遂できたかどうかが判断しにくいでしょう。
「レセプト業務の際のエラーレポートの出現率を前年より10%減少させる」のように、達成できたか否かが容易に判断できる具体的な目標の設定を心がけてみてください。
測定可能な数値や期限を設定する
目標設定の際は、基準となる数値や期限を設けましょう。
具体的な数値があると、進捗や達成度が可視化され、作業の進め方が明確になるためです。
達成までの期限が見えることで、スケジュール管理もしやすくなります。
数値や期限を可視化した目標設定の例は、次のとおりです。
- 返戻件数を〇ヵ月後までに〇%減少させる
- 1ヵ月あたりの会計業務のミスを〇件に減らす(期限:〇年〇月)
医療事務の業務内容にフォーカスする
医療事務の具体的な業務に焦点を当て、組織・顧客・自己に利益をもたらす目標を設定しましょう。
このとき、自身の目標が組織の方針と合致していることもポイントの一つです。
例えば「カルテの保管場所の見直しにより、検索時間を半減させる」という目標を掲げたとします。
この目標が遂行できれば、患者さんの満足度向上や病院の収益アップにつながる可能性があるでしょう。
また、医療事務の資格取得をめざす個人目標を掲げると、臨時ボーナスの支給や昇格など、キャリアアップにも寄与します。
医療事務の目標管理シートに関するよくある質問・回答
医療事務のなかでも管理職の立場になると、目標設定になおのこと悩むかもしれません。
管理職の医療事務員の方に向けた目標管理シートの記入例と、目標が浮かばないときの対処法を紹介します。
管理職の医療事務員が目標設定を書く際の例文は?
管理職の医療事務員が目標を掲げる際は、病院全体の方針や目標を理解し、それらに沿った内容にしましょう。
目標設定の記入例は以下のとおりです。
具体的には、職員の福利厚生の充実やキャリアアップの支援などを行う。
● 院内の事務スタッフとのチームワークを強化するため、週に一度ミーティングを実施し、業務コスト10%削減をめざす。
業務改善のための研修やメンバーの要望・不満の聞き取りを行う。
● 患者さんのアンケートBOXを設置し、サービス向上のポイントを分析する。
それに基づき、月に一度顧客対応の研修を実施し、満足度向上をめざす。
医療事務の目標が思いつかないときの対処法は?
医療事務の目標が思いつかない場合は、以下の方法を試してみてください。
- 将来の自分をイメージする
- 仕事内容をすべて書き出す
- 自分の役割を再度把握する
- 周りに相談する
将来の自分をイメージすると、目標達成のためにすべきことや必要なスキルが見えてくるでしょう。
また、自分の仕事内容を書き出したり、自分の役割を客観視したりすると、目標設定の方向性を把握しやすくなります。
困ったときには上司や同僚など周りの人に相談してみることで、新たなアイデアを得られるかもしれません。
効果的な目標管理シートを作成し医療事務としてスキルアップを
医療事務の目標管理シートは、現状と問題点を把握し、仕事への意欲や生産性の向上に貢献するツールです。
目標設定の項目では、具体的な課題を特定したうえで測定可能な数値・期限を設けると、行動計画が立てやすくなります。
目標管理シートを作成したあとは、定期的に目標を振り返り、進捗状況を確認するのがベターです。
進捗が思わしくない場合は、目標の修正や行動計画の再検討を行うと、達成率を高めやすくなるでしょう。
本記事で紹介した記入例を参考に、目標管理シートを効果的に活用し、医療事務としてのスキルアップをめざしてみてください。