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作業療法士がスポーツ分野で活躍するには?仕事内容やおすすめの資格を紹介

スポーツ分野で活躍する国家資格としては、運動選手のリハビリや怪我の対応などにあたる理学療法士を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、作業療法士もスポーツという作業を通じて、対象者を心身ともにサポートできる職種であり、スポーツに関わる分野でもさまざまな形で活躍することが可能です。
特に障がい者スポーツ分野では、作業療法士のさらなる活躍が期待されています。

今回の記事では、作業療法士としてスポーツ分野で活躍したいと考えている方のために、スポーツ分野での作業療法士の仕事内容や、活躍につながるおすすめのダブル資格などを紹介していきます。

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スポーツ分野での作業療法士の仕事内容

スポーツ分野での作業療法士の仕事内容

作業療法士のスポーツ分野に関わる仕事内容は、大きく分けて以下の3つのパターンがあります。

  • 精神科作業療法としてスポーツを取り入れる
  • スポーツトレーナーとして活躍する
  • スポーツ用品の企画や販売に関わる

それぞれの仕事内容の特徴を説明していきます。

精神科作業療法としてスポーツを取り入れる

精神科作業療法とは、精神障害により日常生活を送ることが困難な方に対して、作業を通して社会適応能力や精神状態の安定などの能力の獲得をめざし、自分らしい生活が送れるように導くリハビリのことです。
精神作業療法で行う作業は、「お風呂に入る」「食事を食べる」など日常生活のなかで必要な行動から、「カラオケをする」「編み物をする」などの余暇活動、「ボーリング」や「体操」といったスポーツ活動など内容は多岐にわたります。

作業療法士として精神科作業療法の一環としてスポーツを取り入れることで、治療のなかでスポーツに関わることができるでしょう。

スポーツトレーナーとして活躍する

スポーツトレーナーになるために必要な資格は定められていないことから、作業療法士でもスポーツトレーナーとして活躍することが可能です。
病院などの医療機関、介護施設、ジムなどに勤務し、メディカルトレーナーとして活躍するケースや、独立してスポーツトレーナーとして活躍するケースがあります。

メディカルトレーナーとは、一般的なリハビリを終了したあとに、無理なくスポーツができる状態への復帰や運動機能の回復を、身体・精神の両面からサポートする立場です。
スポーツトレーナーとして独立する場合は、整骨院などを経営しながらスポーツトレーナーとして活躍したり、なかにはプロのスポーツ選手と専属契約を結んだりする人もいます。

作業療法士の特徴を活かしながら、スポーツトレーナーとして活躍できる強みは以下になります。

障がい者スポーツの指導が可能

作業療法士として、障がいに合わせた身体的なケアや環境調整、リハビリの提供など、障がい者スポーツのサポートを行うことができます。
障がい者スポーツとは、水泳や卓球などの既存のスポーツを、障がいに合わせてルールを変更したり、装具の使用を許可したりすることで、障がいがあっても行えるような形にしたスポーツのことです。

作業療法士が、障がい者スポーツの指導に関わることで、スポーツを利用したリハビリや運動機能の回復、社会的適応能力など、その人に合わせた細かい支援やサポートを行うことができるでしょう。

スポーツ選手のメンタルケアができる

作業療法士は、身体面のサポートだけではなく、精神面のサポートも提供できることが強みです。
スポーツ選手のなかには、身体の不調によりいつもどおりのパフォーマンスや練習ができないことから、不安や焦りを感じてしまったり極度のプレッシャーを感じたりして、精神的に追い込まれてしまうこともあるでしょう。

このような場面において、スポーツ選手との信頼関係を築いて安心感を与え、現状に合ったトレーニングを提案し、環境づくりを行うことによって、スポーツ選手のメンタル面のケアを行うことができます。

スポーツ用品の企画や販売に関わる

作業療法士が持つ身体のメカニズムや動作の知識などの専門的な医学知識を生かして、スポーツメーカーに勤務し、スポーツ用品の開発や販売、企画などに携わることもできます。
スポーツメーカーに勤務するためには、入りたい企業の採用試験を受ける必要があります。

近年では、業界全体として海外進出を行う企業が多い傾向となっているため、TOEICの点数や留学経験などを踏まえグローバルに活躍できる、または貢献したい強い思いがあることをアピールできるようにすると良いかもしれません。
学生の方は、企業研究を行うためにもインターンシップなどの機会を利用すると良いでしょう。

スポーツ分野をめざす作業療法士は理学療法士の資格取得も視野に

理学療法士は、怪我や病気などに対して機能の回復を目的としたリハビリを提供する役割を持っています。
近年ではスポーツ分野で活躍できる理学療法士の育成を目的としたカリキュラムを実施している学校もあります。

どうしてもスポーツに関わる仕事がしたい方の場合は、理学療法士の資格取得も検討してみると良いでしょう。
作業療法士の資格を持っている場合、養成校で必要な知識を学び、最短2年間で理学療法士の資格が取得できます。

作業療法士と理学療法士の違いについてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。

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作業療法士がスポーツ分野で活躍しやすいプラス資格

作業療法士がスポーツ分野で活躍しやすいプラス資格

作業療法士がスポーツ分野で活躍するには、作業療法士としての知識だけではなくスポーツでの体の動かし方やトレーニングの仕方など、より深いスポーツについての知識が必要です。
ここからは、スポーツの知識を学びつつ、実際にスポーツ分野で活躍するために役に立つ資格について紹介していきます。

障がい者スポーツ指導員

障がい者スポーツ指導員は、公共財団法人パラスポーツ協会が認定する障がい者スポーツの指導者資格のことで、レベルによって以下のように分かれています。

  • 初級障がい者スポーツ指導員
    障がい者スポーツを安全にできる環境を整え、障がい者スポーツの楽しさを伝える役割を担う
  • 中級障がい者スポーツ指導員
    地域のパラスポーツ大会などの中心的存在になり、地域でのパラスポーツの普及や振興の役割を担う
  • 上級障がい者スポーツ指導員
    パラスポーツの大会やイベントを実施するマネジメント能力を持ち、都道府県におけるパラスポーツのリーダー的存在を担う

障がい者スポーツコーチ

障がい者スポーツコーチとは、パラリンピックなどの国際的な試合に出場する選手に対して専門的な指導を行うことができる資格です。
資格を取得するためには、日本障がい者スポーツ協会が主催している18時間の講習を受講し、試験に合格する必要があります。

講習を受講するためには条件があり、以下の条件を満たす人のみに受講は限定されています。

  • 「中級障がい者スポーツ指導員」または「上級障がい者スポーツ指導員」の資格を取得している方
  • 日本障がい者スポーツ協会登録競技団体に所属し、コーチとしての指導実績を持ち団体の推薦がある方

この資格取得を検討している方は、まずは指導員資格を取得したりコーチ経験を積んだりして、自身の実績をつくっていく必要があるでしょう。

障がい者スポーツトレーナー

障がい者スポーツトレーナーは、障害やスポーツのトレーニングに対して専門的な知識を持ち、障がい者スポーツを行っている方に対してリハビリやトレーニングの提供やコンディションを整える役割をになっている資格です。

作業療法士が障がい者スポーツトレーナーの資格を取得するためには、基準カリキュラムの受講が必要であり、その受講条件は以下のとおりです。

  • 作業療法士としての活動が2年以上あること
  • (公財)日本障がい者スポーツ協会登録競技団体、都道府県・指定都市障がい者スポーツ協会、障がい者スポーツ指導協会のいずれかの団体においてトレーナーとしての活動、推薦があること

ただし、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーである人は、上記条件を満たさなくても受講が可能です。

日本スポーツリハビリテーション学会認定トレーナー

日本スポーツリハビリテーション学会認定トレーナーとは、障害予防や疾病の再発予防に重点を置き、スポーツ選手や指導を必要としている方に対して、科学的に正しい知識や技術の提供や指導などのサポートを行うことができる資格です。
資格を取得するためには、まず日本スポーツリハビリテーション学会に入会し、最低60時間セミナーを受講後、筆記試験を受けて合格する必要があります。

CSCS

CSCSとは、認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(Certified Strength and Conditioning Specialist)の略称であり、アメリカの国際的な教育団体であるNSCAが発行する資格です。

CSCSの資格を取得することでプロのアスリートやスポーツチームに対して、怪我の予防やパフォーマンス向上を目的としたトレーニングの指導を行うことができる証明になります。

作業療法士はスポーツ分野でも幅広く活躍できる

作業療法士は、スポーツ選手のリハビリや指導だけではなく、精神面のサポートや障がい者スポーツ、スポーツメーカーでの勤務など、あらゆる面でスポーツに関わり貢献することができます。
自身がスポーツ分野でどのように貢献したいか明確にするとともに、作業療法士としての知識だけではなく、スポーツの専門的知識や技術を身につけていくことが、スポーツ分野で活躍するために大切になるでしょう。

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