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作業療法士の臨床実習の内容とは?実習前の準備事項も紹介

「作業療法士の養成校に入学したけど、臨床実習って何?」
「臨床実習って、どこでどのようなことをするの?」

作業療法士になるためには、臨床実習を受ける必要があります。
しかし養成校に入学したばかりだと、臨床実習の内容や実習を受ける場所について、わからない方も多いでしょう。

この記事では、臨床実習の種類や、実習を受ける場所、実習を充実させるおすすめの前準備などを紹介しています。
これから臨床実習に行く学生は、参考にしてください。

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作業療法士の臨床実習の内容

作業療法士の臨床実習の内容25

作業療法士の臨床実習には、作業療法教育ガイドラインで定められた臨床実習があります。
作業療法教育ガイドラインは、日本作業療法士協会教育部が作成したもので、臨床実習は4種類あり、内容は以下のとおりです。

  • 臨床実習Ⅰ:見学・体験実習
  • 臨床実習Ⅱ:評価実習
  • 臨床実習Ⅲ:総合実習
  • 臨床実習Ⅳ:地域作業療法実習

それぞれ順番に説明します。

臨床実習Ⅰ:見学・体験実習

臨床実習Ⅰは、作業療法士が働いている現場を見学する研修です。
3年制の養成校であれば1年目に、4年制の養成校であれば1年目もしくは2年目に行います。

作業療法士が働いている姿を実際に目にすることで、自分たちがめざしている職業がどのようなものかを理解でき、具体的な将来像をイメージしやすくなるでしょう。

臨床実習Ⅱ:評価実習

評価実習では、患者さんに対する評価をどのように行うのかを学びます。
具体的な実習内容は以下の3つです。

  1. 臨床の場で働く作業療法士の役割や振る舞い、他の医療従事者の役割を学ぶ
  2. 学生として臨床実習に取り組む態度を身につける
  3. 担当する患者さんの課題を見つけ、課題解決に向けたプログラムの立案ができるように評価能力を身につける

臨床実習Ⅲ:総合実習

総合実習の内容は、評価実習の内容に加え、立案したプログラムの実施と効果の判定です。
患者さんの現状の把握から、リハビリプランの立案・実施、効果の判定まで、臨床における作業療法士の実務をひととおり体験します。

総合実習は、自分が学んできた内容を実務にどう活かすべきかを、体験を通して考えることのできる機会です。
自分に足りていない部分を知るきっかけにもなるでしょう。

臨床実習Ⅳ:地域作業療法実習

地域作業療法実習は、病院に入院している患者さんではなく、各家庭やデイサービスの利用者へのリハビリを経験します。

デイサービスや介護保健施設で働く作業療法士は、病院で働く作業療法士とは異なり、自立生活の支援が目的です。
アプローチや評価方法も入院している患者さんに対するものとは違うため、多様な作業療法士の働き方を知ると、進路選択の際に役立つでしょう。

臨床実習が行われる場所

臨床実習は、主に以下の施設で行われます。

  • 病院
  • 介護老人保健施設
  • 療育園
  • 訪問看護ステーション

実習先が実習生の希望どおりになるかは、学校次第です。
希望を募る場合と、学校側が生徒の実習先を決める場合に分かれます。
学校側が決める場合は、臨床実習Ⅰ〜Ⅳに応じた実習場所に振り分けられます。

また、作業療法士の実習の領域は、以下の4種類です。

  • 身体障害
  • 精神障害
  • 老年期障害
  • 発達障害

領域も実習生の希望を優先する養成校が多いですが、精神障害と発達障害領域は実習先が少なく、全員が行けるとは限りません。

実習生を受け入れる一部の施設では、臨床実習指導施設の認定を受けている場合があります。
実習先が作業療法士臨床実習指導施設の認定を受けていれば、養成施設教員等講習会や臨床実習指導者講習会を受けている作業療法士が常勤しているため、質の高い実習が期待できるでしょう。

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作業療法士の実習前に準備しておくこと

実習前に、実習生が準備しておくべきことは以下の3つです。

  • 宿泊準備
  • 実習先に合わせた予習
  • 最低限の社会人マナーを知っておく

順番に説明します。

宿泊準備

臨床実習は、実習先が遠方になり、自宅から通うのが難しいケースもあるでしょう。
その場合は、実習先から近いホテルに滞在することになります。
ホテルの宿泊費は学校側が負担してくれる場合や学費に盛り込まれている場合もありますが、別途自分で用意する場合もあるため、学校側に確認しておきましょう。

自分の実習先がわかった時点で、自宅から通うのか、宿泊する必要があるのかがわかります。
宿泊が必要な場合は、余裕をもって宿泊準備を行いましょう。

実習先に合わせた予習

自分が行く実習先に合わせた予習を行うと、実習中に役に立つ知識を得られます。
特に、実習先が属する領域や、患者さんの特徴などは押さえておくと良いでしょう。
実習先のホームページに、作業療法士の紹介ページが用意されており、活動内容が記載されている場合もあるので、まずはそちらから確認するのがおすすめです。

また、実際に実習先で実習を行った先輩や先生方に聞いてみると、有益な情報が多く得られます。

最低限の社会人マナーの心得

実習先は病院やデイサービス施設、介護老人保健施設ですから、社会人としてのマナーに即した振る舞いが必要です。
患者さんや施設利用者から学生と認識されていたとしても、最低限のマナーは身につけておきましょう。

特に気をつけるべきマナーは、以下の3つです。

  • 挨拶
  • 時間厳守
  • 言葉遣い

養成校卒業後は社会人として働くため、いずれマナーを身につけなければいけません。
臨床実習は、一足先に社会人のマナーを身につけるチャンスでもあります。

作業療法士の臨床実習はしっかりと準備をして臨もう

作業療法士になるために、臨床実習は避けて通れません。
各年次ごとに実習内容は違いますが、いずれも学生のうちから臨床の現場に触れられる貴重な機会です。

臨床実習を実りあるものにするためにも、宿泊準備や実習先の予習、社会人マナーなど、事前の準備をしっかりと行いましょう。

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