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代替医療とは?種類や役割、効果などを解説

がん治療を始めると、代替医療について聞く機会があるでしょう。
投薬や手術などの標準治療以外を代替医療と呼びますが、がん治療に際してはどのような効果が期待できるのでしょうか。

この記事では、代替医療の種類や効果、体験談・活用時の注意点を解説します。
がん治療に代替医療を取り入れることを考えている方はぜひ最後までご覧ください。

代替医療とは?

代替医療とは?

がんの治療法を調べるなかで代替医療の言葉を知った方は多いのではないでしょうか。
まずは、代替医療とは何かということと、どのような効果が期待できるのかを解説します。

現代西洋医学の「代替」を意味するもの

代替医療(だいたいいりょう)は、サプリメントなどの健康食品やヨガなどの運動、漢方薬のような伝統医学まで多岐にわたります。
その理由は、代替医療がそもそも現代西洋医学の代替として位置づけられていることにあります。

現代西洋医学は、多くの科学的・客観的データに基づき、手術や投薬などの方法で体の悪いところに直接働きかける医学です。
現在、世界中のほとんどの先進国では現代西洋医学が主流となっています。

しかし、普段の健康維持のためにサプリメントやカイロプラクティックのような方法を利用している人は少なくないでしょう。
そうした現状から、現代西洋医学以外の療法は代替医療と呼ばれるようになり、研究が進められるようになりました。

どのような効果をもたらすのか

代替医療にどのような効果があるのかに関心がある方は多いでしょう。
上記で説明したように代替医療には非常に多くの種類があるため、良いものもあれば効果がないものもあり、なかには危険なものもあります。

ここでは代替医療に期待できる良い効果として、副作用の改善QOL(生活の質)の向上の2つを紹介します。

副作用の改善

がんの治療で用いられる抗がん剤(細胞傷害性抗がん剤)は、アレルギー反応や吐き気・食欲低下・だるさ・脱毛などの副作用が見られることがあります。
人によって違いはあるものの、副作用は患者さんにとって辛いものです。

代替医療のなかには、副作用の改善効果が期待できるものがあります。
特に漢方には有効なものがあり 、細胞障害性抗がん薬の副作用を和らげる効果が認められ、保険診療の対象になっている代替医療です。

QOL(生活の質)が向上する

がん細胞を攻撃して消失させるのが目的の抗がん剤は、治療の過程でがん細胞の周囲の細胞にも影響を与えてしまい、副作用を引き起こすことがあります。
吐き気や食欲低下、不眠や不安感などの副作用は、いずれも患者さんのQOL(生活の質)を低下させます。

しかし、代替医療を活用して副作用を和らげることで、患者さんのQOLを向上させられる可能性があります。

代表的な代替医療

代表的な代替医療

代替医療には非常に多くの種類がありますが、代表的なものとして天然物・心身療法・その他の補完療法の3種類を解説します。
一度は耳にしたことがあるものや、あまりなじみのないものまでさまざまな種類があることがわかるでしょう。

天然物

代替医療として代表的なものの一つが、ハーブやビタミン・ミネラルなどの特定の天然物を摂取することで健康増進をめざす療法です。
発酵食品などのプロバイオティクスや漢方なども天然物に含まれます。
これらの天然物を簡単に取り入れられるように加工したサプリメントなどもよく見られます。

しかし、天然であることがすなわち体に良いわけではありません。
アレルギーなどのリスクや、がん治療のために飲んでいる医薬品に影響を与える可能性もあることには注意しましょう。

心身療法

心身療法には瞑想やマッサージ・整骨療法・鍼灸・催眠など、体に働きかけるものが含まれます。
ヨガや太極拳・気功のような運動も心身療法の一種です。

心身療法でリラックスすることで、がん治療にともなう不安感が取り除かれることや寝付きが改善する可能性もあります。

一方で、治療の影響で出血しやすくなっていたり、感染への抵抗力が下がっていたりすると、少しの刺激でダメージを受けることもあります。
心身療法の内容によっては、避けたほうが良い場合もあるでしょう 。

その他の補完療法

天然物、心身療法に分類できない代替医療には、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダや伝統的中国医学、自然療法、心霊治療などがあります。

このうち伝統医学は、現在でも世界の各地で人々の健康を守るために利用されている方法で、自然療法は伝統的治療法と19世紀のヨーロッパで広まっていた健康法を組み合わせたものです。

代替医療の体験談を紹介

代替医療の体験談を紹介

代替医療を取り入れるか迷っている方のために、代替医療の体験談や取り入れる際の注意点を解説します。
効果には個人差があります。
体験談の内容はあくまで参考とし、実際に代替医療を活用するときには担当医に相談しましょう。

代替医療が有効だったケース

代替医療が有効なケースに、漢方を使って抗がん剤の副作用を和らげる方法があります。
例えば、婦人科系や大腸がん・肺がん治療で用いられる抗がん剤の副作用に手足のしびれがあります。

そこで利用されることがあるのが、牛車腎気丸という神経に作用する漢方です。
牛車腎気丸 が抗がん剤から神経を守り、しびれを改善すると考えられています。

また、吐き気や食欲低下には六君子湯という食欲増進ホルモンの働きを高める漢方が処方されることがあります。

代替医療の効果がなかったケース

わらにもすがる思いで「がんに効く」と言われたサプリメントを利用したが、効果がなかった 体験談もあります。
代替医療には抗がん剤の副作用を改善したり、QOLを高めたりする効果があるものもあります。

しかし、がんを治療する効果やがんの進行を遅らせる効果が科学的に認められている代替医療はいまのところありません
代替医療を利用する際は、過度な期待を抱かないようにしましょう。

代替医療活用時には必ず担当医へ相談しよう

代替医療を活用したいと考えた場合は、必ず事前に担当医へ相談しましょう
代替医療のなかには、受けている治療の効果を妨げたり、健康に悪影響を及ぼしたりする危険性があるものもあります。

抗がん剤の副作用を和らげるとされている漢方も、薬や食べ物との組み合わせによっては思わぬ影響が出ることも考えられます。
体調悪化を防ぐためにも、代替医療を試す前に担当医からアドバイスを受けましょう。

代替医療をうまく取り入れて生活の質を向上しよう

代替医療でがんそのものが治ることはなくても、代替医療は抗がん剤による副作用を改善し、治療中の生活の質を高めるのに役立つ可能性があります。

医師のアドバイスを受けながら、さまざまな種類がある代替医療から自分に合うものを選びましょう。
代替医療を上手に取り入れて生活の質を向上させるために、この記事が参考になれば幸いです。

執筆者について

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