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ワークライフバランスの課題克服術|実現に向けた具体策や日本の現状

社員のワークライフバランスが実現していると、生産性の向上や自社のイメージアップが見込めるため、企業にとってもメリットがあります。

しかし、ワークライフバランスの実現には、時間面、コスト面、制度面など、さまざまな課題をクリアする必要があるため、企業によってはハードルが高いケースがあることも実情です。

本記事では、日本企業が直面するワークライフバランスの課題や、改善策などを解説します。
ワークライフバランスの実現を組織全体で進める際の参考にしてください。

ワークライフバランスの課題|定着が難しい日本の現状

ワークライフバランスの課題|定着が難しい日本の現状

ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスが取れた状態のことです。
ワークライフバランスが実現していると、仕事によって生活が豊かになり、生活が豊かになることで仕事の効率やモチベーションが高まるといった、好ましい循環が期待できます。

しかし、ワークライフバランスを実現するためには、いくつかの課題を解決しなくてはなりません。
ここでは、ワークライフバランスの実現に向けてクリアが必要な課題と、日本におけるワークライフバランスの現状について、それぞれ紹介します。

ワークライフバランスの課題

ワークライフバランスを実現するためには、次の4つの課題を解決する必要があります。

  • 導入方法がわかりにくい
  • 時間やコストがかかる
  • 生産性の低下や給与減少のリスクがある
  • 社員間に不公平感が生じる可能性がある

それぞれ見ていきましょう。

導入方法がわかりにくい

ワークライフバランスの実現に向けた1つ目の課題は、導入方法のわかりにくさです。
「ワークライフバランスの必要性は理解しているが、何から始めれば良いのかわからない」と悩んでいる方は少なくないでしょう。

企業の社風、規模、業種などによって必要な取り組みが異なるため、模範となる企業が見つけにくい点も、導入方法がわかりにくい要因となっています。

特に、これまで長時間労働を前提に成り立ってきた企業では、労働時間だけをいきなり減らしてしまうと事業が成り立たなくなり、さらなる苦境に立たされるリスクも否定できません。

時間やコストがかかる

ワークライフバランスの実現には、時間面、コスト面での課題もクリアしなければなりません。
具体的に変更するべき点は、社内調査、評価制度の整備、テレワークに必要なパソコンや周辺機器の準備、セキュリティ強化、費用対効果の算出など、多岐にわたります。
これらの変更を、日常業務と並行しながら行う必要があるため、取り入れる余裕のない企業も多く存在するのが現状です。

生産性の低下や給与減少のリスクがある

ワークライフバランスを見直すことで、生産性が低下したり、社員の給与が減ったりする可能性も考慮する必要があります。

例えば、ワークライフバランス実現に向けて時間外労働を制限する場合、業務効率が変わらずに時間外労働だけを短縮してしまうと、従来であれば終わっていた仕事が終わらなくなってしまうおそれがあるでしょう。

また、残業代が収入のなかでも大きな割合を占めていた社員は、時間外労働の制限によって残業代が減るため、収入が減ってしまう可能性もあります。

勤務時間が減っても仕事が終わるような業務効率化や、社員の収入を減らさないような評価制度の整備が必要です。

社員間に不公平感が生じる可能性がある

ワークライフバランスの実現に向けて社内の制度を変更した際に、その恩恵を受けられる社員と、受けられない社員との間に、不公平感が生じる可能性もあります。

例えば、子どもを持つ社員が育児休暇を取得しやすくした結果、子どもの居ない社員から不満が出るケースが考えられるでしょう。
また、オフィス勤務が必要な社員と在宅ワークが可能な社員の間に溝が生まれる可能性もあります。

不公平感が積み重なると、人間関係の悪化や生産性の低下にリスクがあるため、ある程度の公平性が保たれるような施策が必要です。

ワークライフバランスが進まない日本の現状

ワークライフバランスが進まない日本の現状

ワークライフバランスが進まない日本の現状

出典:仕事と生活の調和レポート2020(内閣府)

内閣府が2021年に発表した仕事と生活の調和レポート2020によると、1週間の労働時間が60時間を超える労働者は年々減少しています。
2020年には5.1%となっており、目標値である5%に届く勢いです。

一方、年次有給取得率を見ると、緩やかに上昇傾向にありますが、2019年の取得率は56.3%で、目標値の70%までは大きな隔たりがあります。

メンタルヘルスケアに取り組む企業の割合も2018年で59.2%と、目標値の100%には大きくおよびません。

上記のとおり、日本におけるワークライフバランスの改善は進んでいるものの、まだ目標値に到達できていない項目が多く残ります。
よって、ワークライフバランスの実現は、引き続き企業や社会全体で取り組むべき課題といえるでしょう。

企業がワークライフバランスの課題点を解決するメリット

社員のワークライフバランスが実現すると、企業にとっても以下のようなメリットがあります。

  • 企業イメージの向上
  • 雇用の増加
  • 離職率の低下
  • 社員のモチベーションアップ
  • 生産性の向上

ワークライフバランスが実現し、仕事とプライベートのバランスが良い状態に保たれると、社員の満足度やモチベーションが上がり、生産性の向上や離職率の低下が見込めます。

また、ワークライフバランスの推進する企業は、働きやすく社員を大切にする企業と認知されやすくなり、企業イメージの向上につながります。
企業イメージが向上すれば、就活生や転職希望者にとっても魅力的な選択肢となるため、雇用の増加も期待できるでしょう。

ワークライフバランスにおける課題克服のための具体策

ワークライフバランスにおける課題克服のための具体策

ここでは、ワークライフバランスの実現に向けて企業が取り組むべき施策として、以下の3点を紹介します。

  • ワークライフバランスへの理解を深める
  • 柔軟に働ける環境を提供する
  • 評価制度の見直しを行う

順番に見ていきましょう。

ワークライフバランスへの理解を深める

ワーキングバランスを実現するためには、組織全体での意識改革が必要です。
ワーキングバランスの重要性や、目標、計画などを継続的に発信し、社員一人ひとりに理解を求めましょう。
まずは経営陣が率先して取り組み、積極的な姿勢を示すことが重要です。

実際に企業で取り入れられた具体例としては、外部講師によるセミナーの開催や、管理職を除いた社員のみによる満足度向上のためのミーティングなどが挙げられます。

柔軟に働ける環境を提供する

労働環境や福利厚生の見直しも重要です。
育児休暇・介護休暇・短時間勤務・テレワークなど、フレキシブルな働き方を選択できるようになれば、ワークライフバランスを保ちやすくなるでしょう。

社員の置かれた状況は異なるため、社内の一人ひとりから意見を聞いたうえで、それぞれの状況に応じた対応が求められます。
例えば、男性の育児休業取得の推進や定時帰宅の制度化、産前産後休暇期間の給与の全額支給などが実際に行われた成功事例です。

評価制度の見直しを行う

評価制度の改革も、ワークライフバランスの実現に向けた重要な取り組みの一つです。
旧来の評価制度は、オフィス勤務や長時間労働をする社員が、そうでない社員よりも高く評価される傾向にありました。
このような評価制度のままでは、新しい働き方を用意しても、実際に選ぶことが難しくなってしまうでしょう。

したがって、人事評価制度を見直し、あらゆる働き方や時間の使い方が平等に評価されるように改革する必要があります。

ワークライフバランスの課題克服には会社全体で意識改革を

ワークライフバランスの重要性は、現在では広く知られており、推進する企業も多くなっています。
しかしいまだに十分とはいえず、残っている課題は少なくありません。
日本でワークライフバランスが進まない理由としては、導入方法の不透明さやかかる時間とコスト、生産性低下のリスクがある点などが挙げられます。

依然として、企業や組織全体で取り組むべきであるといえるでしょう。

執筆者について

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