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薬剤師は残業が多い?職場別の原因と職場選びのポイントを解説

薬剤師の残業について、どのようなイメージをお持ちですか。
現在薬剤師の人は、勤務先の残業時間が一般的に見て多いのか少ないのか、気になるのではないでしょうか。

また、薬剤師をめざしている人も、就職後にギャップを感じないために残業の実態を知っておきたいと考えているでしょう。
今回は、薬剤師の残業時間や残業代の平均、職場別の原因、転職時の見極めポイントなどを詳しく解説します。

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薬剤師の残業時間は1ヵ月あたり平均9時間

薬剤師の残業時間は1ヵ月あたり平均9時間

薬剤師の平均残業時間は、1ヵ月あたりおよそ9時間といわれています。
この残業時間は医療業界で見ると多いのでしょうか。
他職種と比較しつつ、残業が発生しやすい職場の特徴について解説します。

薬剤師は医師、獣医師、臨床検査技師、歯科技工士に次いで残業が多い

令和4年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の1ヵ月あたりの平均残業時間は9時間です。
ひと月に20日間勤務する場合、1日あたり30分前後の残業が発生する計算です。
勤務先の従業員数により残業時間は変動し、従業員数1,000人以上の組織で働く薬剤師の平均残業時間は12時間程度となります。
薬剤師の医療業界における残業時間の長さは、以下の表のとおりトップ5に入ります。

区分 超過実労働時間数
(単位:時間)
医師 18
獣医師 14
臨床検査技師 11
歯科技工士 11
薬剤師 9
診療放射線技師 9
助産師 8
その他の保健医療従事者 8
看護師 6
保健師 6
歯科衛生士 6
栄養士 6
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士 5
准看護師 3
歯科医師 2

参照:賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

残業が発生しやすい職場の特徴

残業が発生しやすい職場の特徴は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 人手が足りない
  • 業務量が多い
  • 人間関係が良好でなく、スタッフ同士の連携がとりづらい

人手が足りない職場では、一人あたりの業務負担が増えてしまい、残業が発生しやすくなるでしょう。
人手が足りている職場であっても、1日にやるべきタスクが多い場合には残業の可能性が生じます。
また、人間関係が複雑でコミュニケーションが取れないといった問題がある場合、仕事がスムーズに進まず、結果として残業につながってしまうこともあるでしょう。

薬剤師の残業事情【調剤薬局・病院・ドラッグストア】

薬剤師が勤務する場所として主に挙げられるのは、調剤薬局、病院、ドラッグストアです。
同じ薬剤師でも、職場によって業務量や業務内容に違いがあり、残業の原因も異なります。
本章では、職場別の残業事情について解説します。

調剤薬局|門前病院の診療時間に左右される

調剤薬局は、門前病院やクリニックの診療時間によって残業の有無が左右されます。
調剤薬局は基本的に営業時間が定められています。
しかし、門前病院やクリニックの診療時間が延びる場合は、調剤薬局の閉店時間を過ぎていても患者さんの対応をしなければなりません。
結果として、営業時間外の仕事が発生することがあります。

また、薬歴の記録や翌日の予製、在宅患者への薬の宅配などの業務もあります。
こうした調剤以外の業務が時間内に終わらない場合も残業となるでしょう。

病院|調剤以外の業務が多い

病院に勤める薬剤師の残業の原因は、調剤以外の業務が多いことです。
例えば、急性期病棟などの病棟業務を担当している薬剤師は、急患により突発的な残業が発生します。
また、カンファレンスや勉強会への参加など多岐にわたる業務や、医師の処方箋発行待ちなどが残業の原因になることもあるでしょう。

逆に、ベッド数が少ない小規模な病院や、院外処方がほとんどの病院では、残業が少ない傾向にあります。

ドラッグストア|営業時間が長い

ドラッグストアは、営業時間が長いことが原因で残業が発生します。
ドラッグストアは調剤薬局と異なり、24時間365日営業の店舗もあります。
人手の足りない日や時間帯によっては、一人あたりの業務量が増えてしまい、結果として残業につながってしまうでしょう。

また、パート・アルバイトが休んだときなどには正社員の負担が大きくなり、残業になることもあります。

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薬剤師がもらえる残業代の平均額

残業代は「1時間あたりの賃金(時給)×1.25(割増率)×残業時間」によって算出されます。
上記計算式をもとに、薬剤師がもらえる1ヵ月あたりの残業代を年収別に見ると、下表のようになります。

計算条件

  • 1ヵ月あたりの労働日数を20日間、残業時間を9時間とする
  • 小数点以下は四捨五入
  • 休日労働、深夜労働は考慮しない
年収 時給 残業代
450万円 2,344円 26,370円
600万円 3,125円 35,156円
700万円 3,646円 41,018円

残業が多いと感じた薬剤師はどうすれば良い?

薬剤師で残業が多いと感じた場合、解決のための行動をとることが大切です。
本章では、残業時間の長さに疑念をもった際にとると良い行動を3つ紹介します。

  • 自分の仕事の取り組み方を見直す
  • 上司に相談する
  • 転職をする

自分の仕事の取り組み方を見直す

まずは、自分の仕事の取り組み方に無駄や非効率な部分はないか、見直すことをおすすめします。
タスクに優先順位をつけたり、習慣を変えて効率化できないかを検討したりすることで、業務時間内に仕事を終えられるかもしれません。
日々の業務のなかで、何にどれくらい時間がかかっているかを把握し、改善を試みてみましょう。

上司に相談する

効率的に業務をこなしても勤務時間内に仕事が終わらない場合、上司に相談して改善を促しましょう。
自分の仕事の取り組み方を改善しても残業をしなければならない場合、そもそもの業務量が多かったり、人員が確保できていなかったりする可能性があります。
自ら声を上げ、就業体制の見直しや適正化を求めると良いでしょう。

転職をする

仕事の効率化を図り、職場とかけ合っても改善が見られない場合は、転職も検討しましょう。
長時間労働により心身に不調をきたしては元も子もありません。
転職は勇気のいることですが自分を守るためにも、職場を変えることが有効な選択肢となる場合もあります。

転職時のポイント|薬剤師が残業の少ない職場を選ぶには

転職をする際に、薬剤師が残業の少ない職場を選ぶためのポイントを5つ紹介します。

  • 極端に高待遇な職場は避ける
  • 常時募集をかけている職場も避ける
  • 医薬品卸や企業内診療所へ転職する
  • 派遣薬剤師として働く
  • 転職エージェントを活用する

極端に高待遇な職場は避ける

給与や待遇面において、あまりにも条件が良すぎる職場は避けたほうが良いでしょう。
ほかの求人と比べて明らかに高待遇である場合、慢性的な人員不足に悩まされている職場である可能性があります。
また、給与が高い場合、みなし残業代が含まれた金額が提示されているかもしれません。
一つの求人情報だけを見て判断せず、複数の求人を見比べたり、企業のホームページや口コミをチェックしたりと、あらゆるところから情報収集をして職場を選びましょう。

常時募集をかけている職場も避ける

常時募集をかけている職場も選ばないほうが無難といえます。
理由としては、長期間募集が出ている求人は、人が集まらない実態があるか、すぐに辞められてしまい人手が足りない状態が続いている可能性があるからです。
転職を考えている人は、こまめに求人情報に目を通しておくことが大切です。

比較的残業が少ない医薬品卸や企業内診療所へ転職する

薬剤師が働く職場のなかでも、比較的残業が少ないと言われる医薬品卸や企業内診療所への転職を検討しましょう。
医薬品卸での薬剤師の主要業務は医薬品の管理です。
そのため、基本的には定時で退勤できます。

企業内診療所は企業の就業時間内での勤務となり、残業が発生しにくいです。
医薬品卸も企業内診療所も土日や祝日に休めるため、プライベートを優先したい人には特におすすめです。

派遣薬剤師として働く

雇用形態にこだわらない場合は、派遣薬剤師を視野に入れるのも良いでしょう。
派遣薬剤師は派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方であり、基本的に派遣先に残業を命じられることはありません。
時間外労働が契約内容にない場合は、残業を断ることもできます。

ただし、契約締結時に時間外労働を了承している場合は、よほどの理由がない限り残業を断ることが難しくなります。
契約内容をあらかじめ確認しておきましょう。

転職エージェントを利用する

転職活動の際には、自分一人で調べるだけではなく、積極的に転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントに登録することで、無料で就職支援を受けられます。
非公開求人の紹介や面接の日程調整、労働条件の交渉など、幅広く転職活動のサポートをしてくれる心強い存在です。
転職エージェントをうまく活用することで、希望にあった職場へ転職しやすくなるでしょう。

残業による負担を考慮して薬剤師として快適に働こう

薬剤師は職場によって残業の有無に差があります。
特に、調剤薬局や病院、ドラッグストアに勤務する薬剤師は、職場の特性上残業が発生しやすい状況です。

残業を減らしたい場合は、仕事の効率を上げることや上司への相談、場合によっては転職など、自ら行動を起こし改善に努めましょう。
ワークライフバランスを考えながら、薬剤師として快適に働ける体制を整えることが大切です。

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