
介護の仕事に就きたい方は、就職活動をいつから始めるべきなのでしょうか。
新卒者と転職者では、就活を始める時期が異なります。
また、面接で聞かれる質問や回答例、面接時の注意点を知っておくことも大切です。
本記事では、介護職の就活について詳しく解説します。
目次
介護職の就活はいつから始まる?
介護職の就活は、新卒者と転職者で始める時期が異なります。
それぞれの具体的な時期について紹介します。
新卒者が就活を始めるのは前年度の3月から
介護施設が新卒者向けに説明会や採用エントリーの受付を始めるのは、卒業前年度の3月頃からです。
3月以降の説明会参加やエントリーを経て、選考が開始されるのは6月〜7月が一般的です。
転職者はいつから就活を始めても良い
介護業界では慢性的な人材不足により通年求人が出ていることも多いため、いつから就活を始めても求人に困ることは少ないでしょう。
なかでも、特に求人が多いのは1月〜3月で、この時期は転職がしやすくなっています。
ただし、転職に良い時期は、あくまで自分が希望する条件の求人が出るタイミングです。
いつ希望の求人が出ても対応できるよう、早くから準備しておくと安心でしょう。
介護職の就活面接でよく聞かれる質問と回答例
介護職の面接でよく聞かれる質問を9個紹介します。
質問に対する具体的な回答例も紹介するので、面接対策に役立ててください。
なお、よく聞かれる質問の一つである逆質問については、次の見出しで別途解説します。
自己紹介をお願いします
自己紹介では、氏名や経歴、所有資格などを簡潔に答えるようにしましょう。
自己PRにならないように気を付けることも大切です。
△△大学を卒業後、××社で3年間営業職として勤務しておりました。
介護職員初任者研修を修了しており、今後は介護の仕事に就きたいと考えています。
よろしくお願いいたします。
これまでの経歴を教えてください
介護未経験の方は、今までの仕事で介護職として生かせる経験について述べるようにしてください。
介護経験がある方は、どのような種類の事業所で、どのようなスキルを培ってきたかを具体的に伝えましょう。
介護経験があっても、働く事業形態によって必要なスキルが異なります。
そのため、具体的に伝えることが重要です。
お客様の要望を汲み取り、問題解決に努める経験を積んできたので、その経験を介護の仕事でも生かしていきたいと考えています。
認知症の方への対応やターミナルケアの経験もあります。
一人ひとりの利用者様に寄り添い、その人らしい生活を送っていただけるようサポートしてきました。
なぜ介護業界を希望したのですか?
この質問によって施設側は、応募者が安易な気持ちで介護の仕事を選んでいないかをチェックします。
介護に興味を持ったきっかけを、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。
ただし、他業界のマイナスのイメージにつながる内容は避けてください。
特に祖母の介護をしていた際、ケアマネジャーの方に相談に乗っていただいたことがきっかけです。
専門的な知識を持ちながら、優しく寄り添ってくださる姿に感銘を受け、自分も介護の仕事に就きたいと思うようになりました。
長所と短所を教えてください
この質問によって、面接官は応募者が自身を客観的に見ることができているかどうかを判断します。
長所をアピールしつつ、短所を自覚して、どのように気を付けているかも述べるようにしてください。
前職でも、お客様の話に耳を傾け、要望を引き出すことを大切にしてきました。
短所は、完璧主義なところです。
時間がかかってしまうこともあるので、優先順位を意識しながら業務に取り組むよう心がけています。
介護のニュースで気になったことはありますか?
施設側のこの質問は、応募者が日頃から介護に対して関心をもっているのかを確認します。
回答に正解はありませんが、介護の問題に関して自分自身の意見を述べられるようにしておきましょう。
やりがいのある楽しい仕事なので、介護職の魅力が広く伝わることを願っています。
外国人材の受け入れや、ICTの活用など、問題解決に向けた取り組みも進んでいると感じています。
介護の質を維持しながら、いかに働きやすい環境を整えていくかが重要だと考えます。
残業や夜勤はできますか?
夜勤がある施設では、基本的に夜勤ができる人材が求められます。
もし夜勤が難しい場合は、理由を添えたうえできちんとその旨を伝えましょう。
面接時は難しくても、将来的に夜勤や残業が可能になる可能性があるならば、その時期を伝えておくと、前向きな気持ちが伝わりやすいです。
ただし、子どもの手が離れれば夜勤も可能になると思いますので、将来的には夜勤のシフトに入れるよう調整したいと考えています。
当施設を選んだ理由は何ですか?
なぜその施設を選んだのか、具体的な理由を述べてください。
応募した施設について、理念や方針、仕事内容などを事前にしっかりと調査しておくことで、自信をもって面接に臨むことができるでしょう。
また施設の情報を事前に調べることで、応募者自身の長所や将来の展望などと結びつけやすく、応募理由に説得力が出ます。
ただし、どの施設でも当てはまるような内容では印象が良くないため、注意が必要です。
また、スタッフ教育に力を入れておられ、研修制度も充実していると伺っています。
私自身、利用者様に質の高いケアを提供したいと考えているので、御施設で働かせていただきたいと思いました。
いつから勤務できますか?
施設によっては、人手不足でできるだけ早く働ける人材を探している場合があります。
入社が可能な日程を伝えられるよう、あらかじめ決めておくことがおすすめです。
在職中の場合は、事前に現職の退職可能な時期を調べておき、面接で聞かれた際にスムーズに答えられるようにしましょう。
退職が決まり次第、すぐにでも勤務できる状態にしたいと思います。
「現在は離職中ですので、いつでも勤務可能です。
内定をいただけましたら、すぐにでも働き始められます。
入社後どのような仕事がしたいですか?
入社後にどのような仕事がしたいか聞かれた際は、施設の特徴を知ったうえで、興味のある業務や目標やキャリアプランを見据えた業務を述べましょう。
どの施設でも当てはまるような内容や、学ばせてもらうなどの受身な内容は避けてください。
そのうえで、自分の持つ知識やスキルを存分に発揮し、ご利用者様のQOL向上に貢献していきたいです。
将来的には、認知症ケアや看取りケアなど、専門性の高い分野でスキルアップを図れればと考えています。
介護職の就活面接で逆質問を促された場合の質問例
逆質問を促された場合、「何もない」という回答は消極的な印象を与えてしまうため避けましょう。
思いつかない際には、以下のような質問をしてみましょう。
- 入社までに勉強したほうが良いことはありますか?
- 資格取得を希望してるのですが、支援制度とはどのようなものですか?
- 配属先はどのように決まりますか?
- 研修制度について詳しく教えてください。
ただし、福利厚生や収入など応募者側の権利を主張する質問が多いと、印象を下げてしまう可能性があるので要注意です。
あくまで応募企業で働きたいという意欲や、入社後の前向きな姿勢をアピールできる質問をしましょう。
介護職の就活面接を受ける際の注意点
介護職の就活面接を受ける際は、以下の点に注意しましょう。
- 身だしなみに気を付ける
- 前向きな姿勢を見せる
- 回答に一貫性を持たせる
- 施設の分析を徹底しておく
- 想定外の質問への対処法を考えておく
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
身だしなみに気を付ける
面接で第一印象となる身だしなみは、清潔感のある服装や髪型にすることが大切です。
スーツの指定がなく、私服やいつもどおりの服装で良いと言われた場合でも、カジュアルすぎないように注意しましょう。
また、アクセサリーや髭、爪、香水などのにおいについても気を付けてください。
前向きな姿勢を見せる
面接ではハキハキしゃべる、明るい表情を意識するなど、前向きさが伺えるような姿勢を見せることが重要です。
表情が暗かったり、声が小さかったりすると、ネガティブな印象を与えてしまいます。
介護の仕事は人とのコミュニケーションが必要不可欠です。
前向きな姿勢をアピールできることは、合格するうえで大切な要素といえるでしょう。
回答に一貫性を持たせる
質問に対する回答に一貫性があることは、施設側に嘘のないまっすぐな印象を与えるために重要です。
また、応募書類に書いてある内容についても一貫性が求められます。
面接前には応募書類を確認し、自分が経験してきたことと、応募施設を志望した理由がつながるような内容の準備をしておきましょう。
あらかじめ質問を想定した面接の練習を行い、どのような質問にでも一貫性のある回答ができるようにしておくことも大切です。
施設の分析を徹底しておく
面接を受ける前に、応募施設の公式サイトを確認したり、可能であれば施設を見学に行ったりしておくと良いでしょう。
介護業界全体はもちろん、応募施設で実際に行っている事業内容を理解し、どのような人材が求められているのかを把握しておくことで、面接での差別化につながりやすくなります。
また、施設の分析を徹底することで、自己PRや志望動機でもスムーズな回答が可能です。
想定外の質問への対処法を考えておく
想定外の質問をされた場合、まずは焦って答えようとせず、相槌を打ちながら気持ちを落ち着かせるようにしましょう。
そして、これまでの質問に対する回答と一貫性がある回答をするように心がけてください。
焦って今までの回答と相違がある回答をしてしまうと、マイナスな印象につながってしまいます。
面接官の質問には必ず、意図があります。
自己分析や企業分析をして準備した内容を落ち着いて思い出し、意図を汲み取りながら回答しましょう。
介護職の就活を成功させるために早めの面接対策をしよう
介護職の就活を成功させるためには、面接対策を早めに始めることが重要です。
就活の時期や面接でよく聞かれる質問、逆質問への対処法、面接時の注意点などを押さえておくことで、自信を持って面接に臨むことができるでしょう。
介護業界は慢性的な人材不足により、常に求人が出ています。
自分に合った施設を見つけるためにも、早めの行動を心がけましょう。
そして、介護職としてのやりがいを感じながら、利用者さんに寄り添える介護職をめざしてください。