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登録販売者の実務経験は1年以上?管理者要件緩和の制度改正について

登録販売者をめざすにあたり、管理者を目標の一つに挙げる人もいるでしょう。
セルフメディケーションが推奨される現代、一般医薬品の正しい使い方を伝えることや、安心して利用してもらえる店舗作りをする管理者は、キャリアアップ・収入アップの点でも魅力的です。

2023年4月からは、管理者になるための条件が緩和され、より目標をめざしやすくなりました。
今回は、管理者要件が緩和された経緯、改正で知っておくべきポイント、条件確認のための計算方法を、詳しく解説します。

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登録販売者の実務経験が1年以上に変更された

登録販売者の実務経験が1年以上に変更された

登録販売者の管理者要件が2023年4月より改正され、1年以上の実務経験で店舗管理者等になれるようになりました。

それ以前は「過去5年以内で2年以上、および1,920時間以上の実務経験」という管理者要件でした。
経験年数と勤務時間、両方のクリアが管理者要件のため、なかなか次のステップへ進めない方もいたでしょう。

2023年の改正では、必要経験年数が短縮されたため、管理者要件を満たしやすくなりました。
制度改正の背景と変遷を、以下で詳しく解説します。

実務経験が1年以上に変更になった背景

一般医薬品の販売を行う場合、店舗に1名以上の管理者が必要です。
登録販売者のうち、一定の要件を満たした人が管理者になれますが、改正前は実務経験の年数と時間それぞれをクリアしなければならず、管理者になるまで時間がかかりました。

2023年4月以降の改正で要件が緩和された結果、管理者になるためのハードルも低くなるため、より多くの登録販売者が管理者になれる可能性が生まれます。
管理者が増えれば、医薬品を取り扱う店舗の増加も期待できるため、登録販売者と利用者双方にとって、選択肢の幅を広げられる改正といえるでしょう。

以下のページでも詳しく解説しています。
ぜひご参照ください。

管理者要件の制度改正の変遷

管理者要件は、2008年に初めて登録販売者試験を実施して以降、より取得しやすい方向へ変化してきました。
2008年〜2023年までの流れを、以下の表でご紹介します。

2008年 薬事法改正によって登録販売者制度が施行され、初めて登録販売者試験が実施された。
受験資格は「1年以上の実務経験」「高校卒業程度または3年間の医薬品販売に関する実務経験を有する者」で、合格すれば自動的に管理者要件を満たしていた。
2015年 登録販売者試験の受験資格から学歴を廃止。
管理者・管理代行者になるための実務経験の条件が、「過去5年間のうち2年間分の勤務実績があること」へ変更。
2020年 旧試験(2014年以前)の合格者に対する経過措置期間が2021年8月1日まで伸びる。
2021年 経過措置期間が終了。
管理者要件が改正され、過去5年間のうち2年間分に該当する1,920時間の実務経験(従事期間)が追加される。
また、経過措置として平成21年6月1日以降に5年以上の実務経験(従事期間)があり、「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(昭和39年厚生省令第3号)」が定める研修と同等以上の研修を通算5年以上受講した人も、管理者要件を満たしたとみなされる。
2023年 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和5年厚生労働省令第61号)」が交付され、実務経験(従事期間)が1年に短縮される。

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1年以上の条件を満たす実務経験年数の計算方法

2024年2月の時点で、管理者要件の実務経験年数を満たす方法には、以下の3つのパターンがあります。

  1. 過去5年間に実務経験が2年以上ある
  2. 過去5年間の実務経験が1年以上で、施行規則の定める継続的研修と追加的研修を修了している
  3. 過去5年間の実務経験が1年以上あり、店舗管理者等の業務も担っていた経験がある

上記の例のいずれでも気をつけなければならないのが、実務年数(従事期間)と1,920時間以上の勤務時間、それぞれを満たす点です。
具体的な例を挙げて、詳しい計算方法を以下で解説します。

<例1>週3日出勤 4時間勤務している場合

勤務時間4時間で週3日出勤している場合、1ヵ月を約4週で計算すると出勤日数は12日です。
週の勤務時間は4時間なので、12日に4をかけて、1ヵ月の勤務時間を計算します。

12日×4時間=48時間

次に、満たさなければいけない時間数1,920時間を48時間で割り、管理要件を何ヵ月で満たすのか計算しましょう。

1,920時間÷48時間=40ヵ月

1年は12ヵ月ですから、40ヵ月を12ヵ月で割ると3.3(小数点以下切り捨て)で、実務年数は3年を超え1,920時間の条件もクリアしているため、管理者要件を満たします。

<例2>週2日出勤 3時間勤務している場合

週2日出勤で3時間勤務している人は、1ヵ月の出勤日数は8日で計算します。

8日×3時間=24時間

次に、管理要件の1,920時間を24時間で割り、正しい月数を把握してみましょう。

1,920時間÷24時間=80ヵ月

80ヵ月を12ヵ月で割ると6.7となり、実務経験は5年を超えてしまいます。
管理者要件には「過去5年のうち」と条件があるため、どのパターンにも当てはまらず管理要件から外れます。

<例3>週5日出勤 8時間勤務している場合

週5日出勤で8時間勤務の人は、1ヵ月の出勤日数を20日で計算しましょう。

20日×8時間=160時間
1,920時間÷160時間=12ヵ月

週5日のフルタイム出勤で働く正社員やパート・アルバイト従業員は、1年勤続すれば実務経験年数・勤務時間両方の管理要件を満たせます。

ただし、管理者になるためには追加的研修や継続的研修の受講が条件です。
研修に関する情報の詳細は、次の項目で解説します。

実務経験1年以上への変更にともない追加的研修が必要

前述のとおり、管理者要件が実務経験1年以上に短縮されたため、過去5年のうち実務経験が1年以上2年未満あり、勤務時間1,920時間の要件を満たしている人は、追加的研修が義務付けられています。

実務経験が2年を超える場合は、義務ではないものの資質向上のため研修を受けたほうが望ましいです。
研修内容と研修方法を、以下で解説します。

研修内容

研修では、大きく分けると次の3つの分野を学びます。
具体的な内容は以下のとおりです。

研修内容 概要
ガバナンス・法規・コンプライアンスに関する基礎知識 管理者の仕事遂行にあたり、守るべき法律や規則・管理体制などを学ぶ
店舗や管理する売り場に適した対応術 コミュニケーションの取り方・クレーム対応術・アクシデント対応術など
上記2つの研修を踏まえたケース別対応術 不適切な医薬品使用への対応や、店舗・管理の管理方法など、具体的なマネジメント例を体験学習し、レポート作成したり対応策を検討したりする

研修時間は、各項目で約2時間、すべての研修で約6時間が目安です。

研修方法

研修は、厚生労働省に届出を行った研修実施機関で受講できます。
厚生労働省の「医薬品の販売制度」のページから、研修実施機関の一覧を確認できるので、最寄りの研修機関へ問い合わせてみましょう。

研修方法には対面式とオンライン式の2種類がありますが、どちらもリアルタイムで対話できる方法に限られています。

変更点をしっかり理解して登録販売者をめざそう

管理者要件の改正は、登録販売者の可能性を広げました。
条件を満たしやすくなったため、登録販売者から管理者・エリア統括者と、キャリアプランを考える人もいるでしょう。

ただし、改正により管理者を視野に入れやすくなったぶん、追加的研修や継続的研修を受講する義務はあります。
また、変更点をよく理解しておかないと、いざステップアップを考えたとき、要件を満たせないかもしれません。

現在の状況と変更点を照らし合わせ、事前に実務経験年数と勤務時間を計算して、計画的に登録販売者からさらなる飛躍をめざしましょう。

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執筆者について

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