
医療機関での身だしなみは衛生面が重要とわかっていても、どのような服装をすれば良いのかわからないこともあるでしょう。
患者さんやご家族からの信頼を得られる清潔な服装には、どのようなものがあるのでしょうか。
ケーシーやスクラブなどの服装タイプや、通勤服についても徹底解説します。医療従事者として働く方や、これから働きたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
医療従事者の服装3タイプを紹介
業務中の医療従事者は、どのような服装をするのでしょうか。
医療従事者の服装には、白衣やナース服の他にも、スクラブやケーシーといった機能性に優れたユニフォームがあります。
最近では、通販で簡単に手に入りますので、参考にしてみてください。
スクラブ
スクラブとは、Vネックと半袖のカジュアルな医療ウェアです。
上から被って着用するデザインが主流ですが、ボタンなどで前開きのタイプもあります。
スクラブは、動きやすく機能性に優れていて着心地の良いのが特徴です。
もともと、スクラブの語源には「ゴシゴシ洗う」という意味があるため、何度洗っても傷みにくく、耐久性にも優れています。
医療ウェアは白色のイメージが強いですが、スクラブはカラーバリエーションも豊富です。
気分によって色を変えたり、チームでお揃いにしたりするなど、さまざまな着方を楽しめるでしょう。
ケーシー
ケーシーはタートルネックのような首元と半袖が特徴の医療ウェアです。
1960年代のアメリカのテレビドラマ「ベン・ケーシー」の主人公が着用していたことから、この名前で呼ばれるようになりました。
丈が短く、伸縮性に優れており、白衣よりも動きやすいといわれています。
ケーシーは動きやすいだけでなく、スクラブほどカジュアルにならずにフォーマルで知的な印象を与えてくれます。
身体を動かすことが多いリハビリ科や外科医、作業療法士などに人気です。
ナース服
一般的にナース服とは、ワンピーススタイルの医療ウェアのことを指します。
日本では1940年頃から、欧州の看護婦を参考にした折り衿と、ヒダが少なく短いスカートのスタイルが導入されました。
現在では、白のワンピースタイプだけでなく、パンツスタイルやパステルカラーなど、デザインや色も多種多様になっています。
ワンピースタイプのナース服は、やわらかく優しい印象を与えてくれるでしょう。
看護師のほかに、エステティシャンなどの職種でも着用されています。
気になる!医療従事者の通勤服は?
医療従事者は、業務中はユニフォームを着用するため、私服を着るのは通勤中だけです。
とはいえ、通勤中や職場の近くで患者さんやそのご家族の目につくことも多いため、何を着れば良いのか、悩む人も多いでしょう。
医療従事者の通勤服のパターンについてご紹介します。
タイプ①好きな服で通勤
あくまでも通勤服は、業務時間外の服装です。
自分の好みの服をコーディネートしたり、普段着を着まわす人も多いでしょう。
わざわざ通勤のために新しい服を買うのは手間やお金がかかります。
自分の好きな服を着ることで、モチベーションも高まることでしょう。
タイプ②着替えやすいシンプルなスタイル
通勤服には、シンプルで無難なスタイルを選ぶのも良いでしょう。
ここで大事なのは、着替えやすいことです。
短時間で着替えられる服を選ぶと、通勤前後の着替えの時間を減らせて便利でしょう。
着替えの手間を考えると、ボタンが多い服装などは避けたほうが良いかもしれません。
Tシャツにきれいめのパンツなど、着替えやすく、清潔感のあるスタイルを心がけましょう。
病院によっては規定を設けている場合もある
病院の品位を落とさないために、医療従事者の通勤服に規定を設けているケースもあります。
特に大学病院などでは、スーツに限定されていたり、スニーカーが禁止だったりと、規定が厳しい病院もあります。
勤務先の病院の規定を確認し、決まりを守った通勤スタイルで出勤しましょう。
医療従事者に「身だしなみ」を求める理由
医療従事者の身だしなみは、安全性や衛生面の観点から、いつでも整えておきたいもの。
医療現場で、身だしなみが重要な理由を詳しくみていきましょう。
感染源を持ち込まないため
医療従事者がウイルスの感染源とならないためにも、身だしなみは非常に大切です。
患者さんの多くは、疾患などにより免疫力が低下しています。
そのため、少しの油断でウイルスや菌が広がることもあるでしょう。
医療従事者は常日頃から、爪を短く切る、髪の毛をまとめる、アクセサリーを付けないなど、清潔であることを重視した身だしなみと感染対策が必要です。
信頼感・安心感につながる
清潔な身だしなみは、医療従事者と患者さんの間でコミュニケーションをとるうえで大切なポイントの一つです。
厚労省の医師臨床研修ガイドラインにも「医療従事者は適切な身だしなみで、患者さんやご家族に接し、良好な関係性を築くこと」と記載されています。
患者さんの多くは、病気や治療に不安を感じていることでしょう。
清潔感や安心感のある医療従事者に対応してもらえることで、少しでも不安の解消につながるはずです。
身だしなみは、病院の第一印象にもつながりますので、チームでチェックするなどし、清潔さを保ちましょう。
パフォーマンス能力の向上
医療従事者のユニフォームは清潔さを保つだけでなく、パフォーマンス能力を向上させるメリットもあります。
動きやすさや手入れに手間がかからないユニフォームを着ることで、業務に集中することができるでしょう。
また、お気に入りのデザインやカラーのユニフォームは、自分自身のモチベーションを高めてくれるので、パフォーマンスも高まるはずです。
医療従事者は清潔感を意識した服装で
医療従事者は安全性と衛生面を重視するため、清潔感を忘れてはいけません。
業務をおこなうときは動きやすく、洗濯などの手間の少ないユニフォームを選ぶことも大切です。
また、身だしなみを整えることは、患者さんからの信頼を得ることにもつながります。
相手からどう見られているかを意識し、清潔で親しみやすい身だしなみを心がけましょう。