
歯科衛生士として働いていて、患者さんからクレームが入ったらショックを受けるでしょう。
しかし、クレームをそのまま放置していても何も変わりません。
なぜクレームが入ったのか、今後どうしたら良いかを考えることが大切です。
この記事では、歯科衛生士が下手だとクレームが入る理由や対応方法、防ぐ方法を紹介します。
ぜひ参考にしてください。
目次
歯科衛生士が下手とクレームが入る理由
ここではまず、歯科衛生士が下手だとクレームが入る理由として、以下の3つを紹介します。
- 技術力に問題がある
- 対応に問題がある
- 余裕がない
では、それぞれを見ていきましょう。
技術力に問題がある
歯科医院にやってくる患者さんは、歯や歯茎の不調を治してもらいたいという切実な気持ちを持っている人が多いものです。
技術が未熟な歯科衛生士に当たると不安に思い、クレームを入れる可能性が高まります。
例えば、経験の少ない新人歯科衛生士や技術の低い歯科衛生士が担当になり、何度も失敗をしてしまえば、患者さんの不満が募るのも当然です。
必要以上に時間がかかったり、痛かったりする場合はもちろん、歯科衛生士の自信のなさが患者さんに伝わることでもクレームが生じるケースがあります。
対応に問題がある
歯科衛生士の技術力に問題がなくても、患者さんへの対応が悪いとクレームが生じることがあります。
歯科医院に限らず、病院やお店のサービスを利用した際に、ぞんさいな扱いを受けたら良い気分はしないでしょう。
歯科医院も同じです。
歯科医院の場合、気分良く訪れているわけではない人も多いため、ちょっとしたことが気に障る人もいるかもしれません。
歯科医院では受付の応対以外にも、エプロンのかけ方が雑、話し方が不愉快などという小さな理由で、クレームを受けることもあります。
余裕がない
対応が雑になる理由の一つに、忙しすぎて時間がなく、余裕を持って応対できないことが考えられるでしょう。
時間がないと、患者さんの話を最後まで聞けなくなることもあり、患者さんに不満が生まれやすくなります。
また、技術的にいっぱいいっぱいで余裕がない場合も、対応が雑になってしまう可能性があります。
クレームの内容は一人ひとり異なるとしても、心に余裕が持てないことが原因で生じることも多いといえるでしょう。
歯科衛生士が下手だとクレームを受けた際の対応法
ここからは、歯科衛生士が下手だとクレームを受けた際の対応方法として、以下の3つを紹介します。
- 話をしっかりと聞く
- 謝罪する
- 上司に報告する
話をしっかりと聞く
まずは、しっかりと患者さんの話に耳を傾けましょう。
忙しいからといって話を遮ったり、自分で勝手に解釈したりしてはいけません。
たとえ患者さんの意見に納得がいかなかったとしても、とにかく最後まで聞くことが大切です。
相手の話を聞かないことで、余計に怒らせてしまうこともあります。
しっかりと話を聞くだけで相手の気持ちが落ち着くケースもあるので、焦らずにじっくりと対応しましょう。
謝罪する
たとえ納得のいかない内容であったとしても、しっかりと謝罪することが必要です。
患者さんに不快感を与えてしまったことは事実なので、クレームを受けたこと自体を謝罪しましょう。
歯科衛生士に不備があった場合は、そのことについても謝罪します。
非がないと感じる場合は、上司などに対応を依頼するのも良いでしょう。
上司に報告する
自分でクレーム対応ができない場合は上司に対応してもらいますが、自分で対応した場合もクレームを受けて対応した事実を報告することが大切です。
歯科衛生士に非がある場合は、それを改善しなければならないためです。
また、悪質なクレーマーだった場合は、その存在をスタッフ全員で共有することで、今後のクレームを未然に防ぎやすくなるでしょう。
クレームを隠すと、あとから一人で責任を取らなければならなくなるなど、問題がより大きくなる可能性があるため注意しましょう。
歯科助手がクレーム・トラブルを防ぐためにすべきこと
クレームを受けた際にしっかりと対応することは大切ですが、できればクレームやトラブルを事前に防ぎたいものです。
そのためには、一人ひとりが次のことを意識することが重要です。
- 担当が変わるときに技術力の差がないようにする
- 痛みが出そうな場合はあらかじめ伝えておく
- コミュニケーションをとる
- 気配りを大切にする
- 不安をあおらない
- 余裕を持つ
- 相性の悪い人を担当者にしない
患者さんは歯のトラブルを改善させ、安心を得ることを求めて歯科医院を訪れます。
担当者が変わって下手だと感じたり、痛みが出たりすると不安になるため、それらの不安の芽を取り除くことが大切です。
また、歯科衛生士が相手の気持ちをしっかり聞き、気配りをすれば、不安な気持ちも軽減されるでしょう。
歯科衛生士の技術力を上げる方法
患者さんへの対応を良くしたとしても、歯科衛生士の技術力に問題があれば、クレームはなくなりません。
ここでは、歯科衛生士の技術力を上げる方法として、以下の3つを紹介します。
- 自主練習で技術力を磨く
- 研修やワークショップに参加する
- 資格を取得する
自主練習で技術力を磨く
歯科衛生士としての技術力が足りない場合は、まず基本的な技術を習得する必要があるでしょう。
そして、スキルを磨き、高い水準を維持することが大切です。
歯科衛生士の資格を取得した際に基本的なことは習っているはずなので、さらなる高みをめざし、技術力を磨くために自主練習を行うのがおすすめです。
忙しい場合は、一日15分でも良いので行いましょう。
また、やり方がわからない場合は、先輩に頼り、真似してみるのも一つの方法です。
研修やワークショップに参加する
歯科医院内に教育制度がある場合は積極的に活用し、技術力向上をめざしましょう。
院内にない場合は、外部の勉強会やセミナーへの参加もおすすめです。
例えば、日本歯科衛生士会では、スキルアップのためにさまざまな研修や学習の場を提供しています。
また、都道府県歯科衛生士会でも独自の研修会を開催しています。
資格を取得する
歯科衛生士国家資格以外の資格を取得することで、幅広い知識を得るのも良いでしょう。
何より自分には知識があるという自信につながり、余裕を持って患者さんに対応できるようになります。
専門分野の知識を深められる資格には、以下のようなものがあります。
- 日本歯科衛生学会 認定歯科衛生士
- 日本小児歯科学会 認定歯科衛生士
- 日本臨床歯周病学会 認定歯科衛生士
- 臨床歯科麻酔認定歯科衛生士
- 日本歯科審美学会 歯科衛生認定士
- 日本口腔インプラント学会 インプラント専門歯科衛生士
- 日本成人矯正歯科学会 認定矯正歯科衛生士2級
- 日本ヘルスケア歯科学会 認定歯科衛生士
- 日本口腔衛生学会 認定歯科衛生士
- 日本歯周病学会 認定歯科衛生士
- 日本顎咬合学会 認定歯科衛生士
これらは、あくまで一例であり、他にもたくさんの資格が存在しています。
歯科衛生士へのクレームは未然に防ぎ上手に対応しよう
どのような仕事にもクレームはつきものであり、完全に避けて通れるものではありません。
しかし、クレームが生じたときにしっかりとした対応をすれば、患者さんとの今後の付き合い方は大きく変わります。
また、事前に対策をすることで、クレームを未然に防げることも増えるでしょう。
今回は、歯科衛生士へのクレームの理由、対応方法、防ぎ方を紹介しました。
ぜひ参考にして、クレームを未然に防ぎましょう。