
歯科助手は、資格がない人や未経験の人でも挑戦できる仕事です。
一方で、辞める人が多い仕事だとも言われています。
そこで本記事では、歯科助手を辞める人が多いとされる理由や、職場選びの注意点などについて解説します。
これから歯科助手として働くことを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
歯科助手を辞める人が多いとされる理由
歯科助手を辞める人が多いとされる主な理由は、以下のとおりです。
- 人手不足で業務が忙しくなりがち
- 人間関係の悩み
- 院長との相性が合わない
- 覚えるべき業務が多い
- 身体的な負担
それぞれ見ていきましょう。
人手不足で業務が忙しくなりがち
歯科医院に限らず、医療業界は全般的に人手不足の傾向にあります。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると令和5年12月の時点で、歯科助手を含む「その他の保健医療従事者」の有効求人倍率は2.23倍で、人手不足といって差し支えない水準です。
人手不足の状況では、スタッフ一人あたりの業務量が多くなってしまいます。
業務量が増えて忙しくなると、多忙さを理由に退職を検討する人も出てきてしまうのです。
人間関係の悩み
これも歯科助手に限った話ではありませんが、人間関係の悩みによって退職を決断する人もいます。
歯科助手は、歯科医師をはじめ他のスタッフと密にコミュニケーションを取り、連携しながら働かなければいけません。
「相性が合わない人がいる」「パワハラを受けている」など人間関係の悩みは、業務に支障をきたし、精神的に辛いと感じてしまいます。
特に、個人経営などの比較的規模の小さいクリニックでは、苦手な人がいても避けることができず、部署異動によって離れることもできません。
そのため、人間関係を理由に退職する人も出てきます。
院長との相性が合わない
院長との相性が合わず、歯科助手を辞める人もいます。
歯科助手は、歯科医師の治療の補助が主な業務です。
そのため歯科医師との相性は、歯科助手の働きやすさを大きく左右します。
特に院長は、歯科助手にとって雇用主でもあるため、相性が悪かったり、過度な上下関係が生まれてしまったりすると、ストレスを感じやすいでしょう。
覚えるべき業務が多い
歯科助手は未経験でも就ける仕事です。
しかし、未経験の場合は覚えるべき業務が多いため、慣れるまでは大変さを感じてしまうでしょう。
加えて、業務中は「ペリオ(歯周病)」「エキスト(抜歯)」といった、歯科業界の専門用語が飛び交います。
これらの専門用語は日常生活で馴染みのない単語ですが、歯科助手として業務を円滑に行うためには、できるだけ早期に覚えなければいけません。
慣れない業務や知らない用語についていけず、辞めてしまう人もいます。
身体的な負担
歯科助手は立ち仕事が多い職種です。
治療器具の準備や片付けをはじめ、治療の補助など、多くの業務を立って行います。
その結果、腰痛やヘルニアに悩まされ、歯科助手の仕事を続けられなくなってしまう人も少なくありません。
また、遅い時間まで診療している歯科医院の場合は、拘束時間が長くなることもあり、さらに体力的な辛さを感じるでしょう。
歯科助手をすぐ辞めないために気をつけること
せっかく歯科助手として就職したのならば、不本意な形で辞めるのはできるだけ避けたいものです。
歯科助手として活躍し続けるために、就職前に気をつけることを紹介していきます。
自分に合った歯科医院を選ぶ
長く働き続けたいのであれば、できるだけ希望条件に合った歯科医院を選びましょう。
歯科医院によって、勤務時間や業務内容、待遇は異なります。
まずは、ご自身の転職目的や、優先度の高い希望条件を明確にしておくことが大切です。
転職する歯科医院を選ぶ際に確認する項目には、以下のような内容が挙げられます。
- 業務内容
- 教育体制
- 歯科医院の雰囲気
- 給与や福利厚生
- 歯科医院の規模
- 勤務時間
- 院長の経営方針
未経験からの転職であれば、教育体制を重視して歯科医院を選ぶなど、転職先選びの軸を持っておきましょう。
歯科助手の仕事内容をよく理解する
未経験から歯科助手へ挑戦する場合は、就職前に歯科助手の仕事内容をよく理解しておきましょう。
一言に歯科助手といっても、仕事内容は幅広いです。
仕事内容を理解しておかなければ、就職してから理想と現実にギャップを感じてしまうかもしれません。
具体的な歯科助手の仕事内容は以下のとおりです。
電話対応
診察の予約管理
診察券・保険証の確認
カルテ作成
診療費の受領
患者さんの案内
レセプト(診療報酬明細書)作成
● 診療補助
治療器具の準備・片付け・洗浄・滅菌処理
歯科医師・歯科衛生士の補助(器具を渡すなど)
患者さんへのサポート
● 院内の清掃
● 歯科歯材などの在庫管理
実際に歯科助手として働いている人が近くにいる場合は、直接話を聞いてみるのもおすすめです。
より具体的に仕事のイメージが湧き、理解を深められるでしょう。
歯科助手を辞める人が多い理由を知り勤務先を選ぼう
歯科助手を辞める人が多いとされる理由として、業務の多忙さや人間関係、院長との相性、覚える業務の多さ、身体的な負担などが挙げられます。
歯科助手は専門的な資格がなくても挑戦でき、需要も高いので一度スキルを身につければ、引越しなどを理由に転職する際や、ブランクを経て復帰する際にも、働き口に困ることがありません。
スキルや転職目的を踏まえて、ご自身に合った歯科医院を探しましょう。