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看護師のワークライフバランスについて|夜勤・残業への取り組みも併せて解説

この記事の監修者
ゆみさと
ゆみさと
【資格】
看護師

【プロフィール】
岩手県立大学看護学部を卒業後、血液内科・乳腺外科混合病棟にて勤務し、その後、透析クリニックに転職。
現在、看護師として働きながら、医療関係を中心にライターとしても活動中。

看護師は、患者さんの急変や多忙さゆえの残業に加え、夜勤による不規則な生活など、人によってはワークライフバランスを崩してしまったり、心身ともに疲弊してしまう可能性のある仕事の一つです。

また、子育てや介護などライフステージの変化が起こっても、患者さんの命に対する責任感が求められる仕事であることや、人手不足から自分の生活を二の次にしている人もいるでしょう。

ここでは、看護師が理想としている働き方をめざせるようなワークライフバランスに対する取り組みについて、詳しく解説します。

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看護師のワークライフバランスとは

看護師のワークライフバランスとは

厚生労働省の看護師等(看護職員)の確保を巡る状況に関する参考資料によると、看護師の各月の有効求人倍率(パートタイムを含む常用労働者)は新型コロナウイルスの発生以後低下しましたが、直近では不足傾向が強まり、新型コロナの発生以前の水準(不足状況)に近づいているという統計が示されています。

時間外労働や夜勤などの過酷な仕事と自分自身の生活とのバランスが取れず、仕事を継続することに問題を抱えている看護師もいるでしょう。
しかし、社会的な視点では、少子高齢化社会にともなう労働力として必要不可欠な人材です。

看護職と家庭生活のバランスが崩れることで、看護師の離職や退職につながってしまうことが懸念されています。
そのような事態を防ぐために、仕事とプライベートを両立させるなど看護師のワークライフバランスを整えられるような環境づくりが大切です。

以下のリンクになぜ看護師の業務は忙しいのかを明記しているため、一度ご参照ください。

看護師のワークライフバランスの課題

看護師は夜勤などの交代制勤務に加えて、受け持ち患者さんの情報収集を行うために始業時間前に出勤するなど、仕事を中心としたライフスタイルになりがちです。
仕事に対する責任も重く、ワークライフバランスが崩れやすい現状があります。

夜勤など交代制の勤務がある

入院機能を持っている病院は、二交代制や三交代制などの交代制勤務を取り入れています。

  • 二交代制:日勤・夜勤
  • 三交代制:日勤・準夜勤・深夜勤

加えて、早番や遅番のような変則的な勤務形態を採用している病院もあるでしょう。

主に病棟勤務の看護師は日勤・夜勤・早番・遅番など、さまざまな時間に働かなければいけません。
不規則な生活や長時間の労働により、心身ともにかかるストレスは大きくなります。
ワークライフバランスを取り入れることが難しい現実があり、出産や結婚を機に、日勤だけの職場に転職したり、心身ともに疲弊しないよう、退職する看護師もいます。

サービス残業を含めた労働時間の多さ

看護師は業務開始時間から、受け持ち患者さんのラウンド(巡回)や薬剤の投与などの処置に追われます。
そのため、業務時間内に直近のバイタルサインや既往歴などの患者情報を確認する時間の確保が難しい現状があるでしょう。
看護師にとって、情報収集は責任を持って患者さんを受け持つために欠かせない大切な業務です。

これらの背景により、業務開始前から出勤し情報収集をしっかりと行う看護師もいます。

世間的には看護師の始業前残業などはしてはいけないことになっていますが、安全かつ質の良い看護を提供するために、前残業を行っている環境が存在することが実情です。

上記で解説した交代制勤務のほか、サービス残業なども加わり、看護師の労働時間は所定よりも多くなっている現実があります。

ライフステージにともなった働き方が難しい

出産や育児によってライフステージが変化したときに、看護師の交代制のシフトや残業は、ワークライフバランスを崩してしまうきっかけにつながりやすいです。

例えば、正社員は必ず夜勤をしなくてはいけないと決まっている病院の場合、小さな子どもがいるなか夜勤に出勤して夜通し仕事を行い、自宅に帰ったら子どもの世話を行うとなると、体力的にも精神的にも苦しい場面が出てくることが容易にわかります。

一方で、日勤だけのパート・アルバイトに変更するにも、夜勤手当てがなくなり金銭面で苦しくなってしまったりなど、課題は多く残されています。
看護師のワークライフバランスを整えるためには、それぞれの病棟・部署だけではなく、病院全体など大きな規模で取り組みをしていく必要があるでしょう。

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看護師のワークライフバランスの取り組み

看護師のワークライフバランスを整えるために、例えば以下のような取り組みが行われています。

  • 多様な勤務体制
  • 働きやすい職場環境
  • キャリア形成の促進

多様な勤務体制

看護師のワークライフバランスを整えるために、さまざまな状況に合った柔軟な勤務体制の対応に取り組んでいます。

一例として、夜勤業務であれば、負担を軽減するために、夜勤明けの早帰りの推進や夜勤メンバーを増やし仮眠時間を多く設ける、などです。
正社員であっても、育休明けのスタッフには、短時間勤務などを設けるよう勧めている病院・企業もあります。

働きやすい職場環境

看護師が働きやすくするための環境を整えている職場もあります。

例えば、院内保育所の設立です。
院内保育所を設置することで仕事の都合に合わせて子どもを預けやすくなり、育児と仕事の両立がしやすくなるでしょう。
院内に保育園や託児所があれば、子どもの送り迎えの負担も軽減できます。

また、一部の院内保育所では、夜勤の看護師に合わせて夜間預かり保育なども行っている場合もあるため、子育てと仕事を両立したいと考えている方は、病院・企業のホームページを確認してみることをおすすめします。

このような取り組みが進むことで、子育て世代の看護師も、自分の家族や家庭を守りながら働くことができるため、ワークライフバランスを整えやすくなるでしょう。

キャリア形成の促進

看護師のワークライフバランスを整えるためには、キャリア形成を促進できる環境づくりも大切です。

認定看護師や専門看護師の資格を取得している看護師は、そのキャリアを維持するために自分の休日や金銭・労力を使って学会や論文発表を行っている場合があるでしょう。
病院・企業によっては、その費用を一部援助するシステムや、学会の日を出勤日として扱うシステムを導入しているケースがあります。

また、これから認定看護師や専門看護師を取得したい人には、上司などと面接を行い、キャリア形成を相談をする機会を設けるなども、看護師としてのやりがいを見失わせないために必要な取り組みです。

看護師のワークライフバランスを見直し理想の働き方をめざそう

看護師は、夜勤を含めた交代制勤務や始業前残業などにより、ワークライフバランスを整えることが難しい面もあるでしょう。
看護師が働き続けられるようにするために、病院・企業も、看護師自身のライフステージの変化に対して柔軟な対応をすることが求められています。

看護師のワークライフバランスを整えることで、離職や退職防止につながり、社会全体が看護師の人手不足に悩まされず、好循環が生まれます。

病院・企業だけではなく、看護業界全体としてワークライフバランスの見直しを行い、看護師一人ひとりが理想とする働き方をめざしましょう。

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執筆者について

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