鍼灸師資格を取得するには、必要な教育・養成課程を経たうえで、国家試験に合格する必要があります。
鍼灸師をめざせる教育機関は、4年制の大学もしくは3年制の短大か専門学校、国が設置する養成施設です。
いずれのルートでも卒業までにある程度の時間を要しますし、仕事や家庭の事情から、日中の通学が難しい方もいるでしょう。
その場合、これまでのライフスタイルを無理に変えず、夜間部のある学校に通うというのも一つの選択肢です。
本記事では、鍼灸師の資格取得をめざす方に向けて、夜間部のある学校の学費や学生層、授業時間などを解説します。
目次
鍼灸師資格は夜間部のある学校で取得をめざせる
鍼灸師になるには、はり師ときゅう師の国家試験に合格する必要がありますが、受験資格を得るため、まずは大学や専門学校に通わなければなりません。
一方で、仕事・家庭の事情から、昼間に通学し続けるのが難しい方もいるでしょう。
この場合、鍼灸師をめざせる夜間部のある専門学校を選択肢に加えてみてください。
大学や専門学校の教育課程を修了するまでには、3年以上かかります。
働きながら鍼灸師の資格取得をめざしたい方などは、夜間部のある専門学校を選ぶと、ライフスタイルを無理に変えることなく学習を進められるでしょう。
鍼灸師資格の取得をめざせる夜間部に通うには
鍼灸師の資格取得をめざして夜間部に通うには、専門学校の入学試験に合格する必要があります。
試験内容や受験要件は学校によって異なりますが、一般入試や推薦入試のほか、社会人入試を用意しているところも少なくありません。
高校を卒業(卒業見込み)する方を含め、一般入試を受ける方の場合には、学力を測るための適性試験や小論文、面接、書類選考などが実施されます。
これに対し、社会人入試は経歴が評価されたり、適性試験より小論文や面接が重視されるケースがあったりと、社会人経験のある高校既卒者を主な対象としているのが特徴です。
なかには、医療系の資格保持を要件とした社会人入試を設けている学校もあるため、自分に適した入学方法を探してみると良いでしょう。
鍼灸師資格の取得をめざせる夜間部の学費
鍼灸師をめざせる専門学校の夜間部の学費は350~450万円程度が目安となります。
これは入学金や授業料、施設管理費などを含む3年間の総額です。
学校によっては、夜間部の学費を昼間部より安く設定している場合があります。
東京都内なら、日本鍼灸理療専門学校の昼間部は入学金60万円であるのに対し夜間部は40万円、首都医校の昼間部は1年次の学費が130万円、夜間部は100万円です。
条件を満たすことで学費減免制度を利用できるケースもあるため、興味のある学校をいくつか選定して、情報をリサーチしてみてください。
鍼灸師資格の取得をめざせる夜間部の授業時間
鍼灸師をめざせる学科の夜間部は、平日の夕方から夜にかけて授業が行われるのが一般的です。
夜間部がある専門学校の授業時間の例をいくつか見てみましょう。
- お茶の水はりきゅう専門学校(東京都)
授業は基本的に平日5日間のみで、1限目は18:00〜19:30、2限目が19:40〜21:10となっています。 - 東洋鍼灸専門学校(東京都)
月曜日から金曜日の18:00~21:20に授業が行われ、土・日・祝日はお休みです。 - 日本医学柔整鍼灸専門学校(東京都)
月曜日から金曜日の週5日、18:20~21:30に開講するほか、この曜日以外に授業や課外活動が実施されることもあります。
上記のとおり、夜間部は18:00以降に授業を開始するケースが多く、平日昼間に働いている方でも通学しやすいといえます。
鍼灸師資格の取得をめざせる夜間部の学生層
鍼灸師資格のための夜間部には、多様なバックグラウンドを持つ学生が集まっています。
社会人経験をある程度積んだ生徒も多く、医療や介護・福祉、スポーツ、美容業界など、さまざまな分野で活躍している方と交流できるでしょう。
また、柔道整復師や看護師、理学療法士、作業療法士などの有資格者が、鍼灸師とのダブルライセンスをめざして夜間部に通っている場合もあります。
20~50代以降まで幅広い学生が在籍し、昼間部と比べると年齢層が高い傾向にある点も夜間部の特徴です。
社会人学生は目的意識も高く、自身のスキルアップのため卒業後は医療系大学へ進学したり、独立開業をめざしたりと、さまざまな目標を持つ方が学業に励んでいます。
鍼灸師資格のために夜間部に通うメリット
夜間部のある学校で鍼灸師資格を取得するメリットは、大きく以下の5つです。
- 働きながら受験資格が得られる
- 昼間部よりも学費を抑えられる場合が多い
- ダブルライセンスをめざせる
- 昼間部よりも入学しやすい
- 幅広い年齢層の人に出会える
特に、日中働いている社会人や複数の目標を同時に追求したい方にとって、夜間部を選ぶメリットは大きいといえるでしょう。
働きながら受験資格が得られる
夜間部に通学する場合、日中働いている方でも、生活サイクルを大きく変えることなく鍼灸師の資格取得をめざせます。
昼間部に通学するには一度仕事を辞めなければならないという場合も、夕方から授業がスタートする夜間部であれば、学業と仕事を両立しやすいためです。
現在の仕事を続けてキャリアを積みつつ、鍼灸師の国家資格を取得できれば、転職を含めたキャリアチェンジ・キャリアアップも計画しやすくなります。
また、卒業までには3年以上かかるため、その間の経済的な安定を保てることも利点の一つです。
昼間部よりも学費を抑えられる場合が多い
上述したとおり、鍼灸師の資格取得をめざせる学校のなかには、昼間部より夜間部の学費を安く設定しているところがあります。
4年制の大学に通う場合と比べても、3年制の専門学校のほうが修学期間が短く、学費を抑えやすくなるため、経済的な負担を少なくしたい方には魅力的な選択肢です。
奨学金や学費サポート制度を利用できる場合、さらに費用を抑えられます。
夜間部でも昼間部と変わらない授業内容を学べるため、できるだけ少ない出費で鍼灸師をめざしたい方は、夜間部のある学校を検討してみましょう。
ダブルライセンスをめざせる
鍼灸が学べる夜間部に通うことで、効率的にダブルライセンスを取得できる可能性があります。
日中は別の学科で学び、夜間に鍼灸師の授業を受けるといったライフスタイルを確立できる場合、複数の資格取得を同時にめざせるためです。
学校によっては、夜間部の鍼灸学科と昼間部の別学科を同時に受講したい方に向けて、ダブルスクール制度などを設けています。
例えば、昼間は柔道整復師の学科、夜間は鍼灸学科といった学び方が考えられるでしょう。
二つの専門資格を取得できると同時に、卒業後の働き方の幅も広がります。
さらに、ダブルスクールが可能な学校は、学費の減免制度を設けているケースも少なくありません。
幅広い専門性を身につけたい方、独立開業を目標としている方などは、夜間部の鍼灸師と昼間部でダブルライセンスがめざせる学校を探してみましょう。
昼間部よりも入学しやすい
昼間部と比べると、夜間部は受験者数の母数が少ない傾向にあり、入学試験の倍率がそこまで高くならない可能性があります。
昼間部は、高校卒業を控えた学生から社会人まで幅広い方が受験するのに対し、夜間部の場合は主に日中働いている方、主婦の方が対象となるためです。
受験者数が多くならないぶん、昼間部よりも人数が少なくなる傾向にあり、集中して学べる環境ともいえるでしょう。
社会人入試がある夜間部なら、書類選考のみで受験できたり、一般入試よりも試験科目が少なかったりと、挑戦のハードルをさらに下げやすくなります。
ただし、入学後の学習内容や卒業要件は昼間部と変わらないため、高い学習意欲が求められることを忘れてはいけません。
幅広い年齢層の人と出会える
夜間部には、さまざまな経歴を持った幅広い年齢層の学生が集まるため、交流を通じて自分自身の視野を広げられる点も魅力です。
高校を卒業したばかりの10代の方から50代以降の方まで、年齢は違っていても、それぞれ目標を持って学習に取り組んでいます。
一人ひとり異なる人生経験を持つことから、クラス内でのディスカッションや情報交換も刺激的で有意義なものになるでしょう。
また、仕事と学業の両立やダブルスクールなど、ハードな道を選んでいる方も多いぶん、学習意欲も高く、学生同士で切磋琢磨できるのも夜間部の特徴です。
モチベーションを保ちながら鍼灸の知識・技術を学べるとともに、人間的な成長や人脈形成にもつながります。
鍼灸師資格取得のための夜間部やメリットを知って参考にしよう
鍼灸師資格の取得をめざす際、必ずしも4年制の大学や昼間部の専門学校に入学する必要はなく、ライフスタイルに合わせて夜間部を選ぶのも一つの選択肢です。
夜間部であれば、日中働いている方でも、仕事を続けながら鍼灸師になるために必要な教育を受けられます。
昼間部を選ぶより学費を抑えられる場合も多いため、経済的な負担を軽くしたい方にとってもメリットのある学習方法です。
また、鍼灸師と同時に他のライセンスを取得できたり、幅広い年齢層の学生と交流できたりと、夜間部にはさまざまな魅力があります。
自分のライフスタイルやキャリアプランに合った学び方を選び、鍼灸師の国家試験合格をめざしてみてはいかがでしょうか。