介護福祉士は介護の専門家としての国家資格です。
しかし、国家試験の合格だけでは介護福祉士を名乗ることはできず、登録証の手続きが必要です。
この記事では、介護福祉士の登録手続きから登録証の交付、変更手続きの方法をまとめています。
介護福祉士として働くうえで必要な登録証について、この記事を読んで手続き方法を確認してみてください。
目次
介護福祉士には登録証が必要
介護福祉士は、国家試験に合格した人が、公益財団法人社会福祉振興・試験センターに登録されることにより、使用できる資格です。
試験センターに登録されると登録証が交付され、登録証は免許のように介護福祉士の資格を有する証明となります。
したがって国家試験に合格しても、登録手続きをしなければ介護福祉士を名乗れません。
資格を実務に活かすためにも、忘れずに登録手続きをしましょう。
国家試験の受験資格や受験までの流れは、次の記事をご参照ください。
また、介護福祉士になるには、原則として介護福祉士国家試験の合格が必須です。
しかし例外として、国家試験を受験せずに登録証を交付される「介護福祉士経過措置」が適応になるケースがあります。
介護福祉士経過措置は、介護福祉士養成施設の卒業者が対象ですが、細かな条件があるため、詳しくは下記にてご確認ください。
「経過措置登録の手続きについて」公益財団法人社会福祉振興・試験センター
介護福祉士登録証取得の流れ
介護福祉士の国家試験は、例年8月頃から受験申し込みの受け付けが始まり、1月下旬に筆記試験、3月上旬に実技試験が行われています。
3月下旬に合格発表されたあと、4月頃に登録の手続きをし、不備がなければおおよそ1ヵ月程度、5月頃には登録証が交付されるでしょう。
次に、具体的な介護福祉士登録証の手続きを解説します。
登録資格要件を確認する
介護福祉士の登録資格要件は、以下をご確認ください。
- 介護福祉士国家試験に合格した人
- 平成29年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業した人
- 平成29年4月1日~令和9年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業し、経過措置による登録を受ける人
参考:[資格登録]新規登録の申請手続き:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
また、登録要件を満たしていても、法令に規定された欠格事由に該当する場合は登録ができません。
登録欠格事由については、下記にてご確認ください。
「介護福祉士の登録資格要件」公益財団法人社会福祉振興・試験センター
提出書類をそろえる
国家試験の合格者には、試験センターから合格証書と登録申請書、登録の手引が同封で送られます。
登録の手引に目を通し、必要書類を確認しておきましょう。
1. 登録申請書
2. 登録免許税「収入印紙」の原本
※ 1の登録申請書に貼り付ける
3. 貼付用紙
4. 登録手数料「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本
※ 3の登録申請書に貼り付ける
5. 下記いずれかの本人確認書類1通
a. 戸籍抄本の原本
b. 戸籍の個人事項証明書の原本
c. 本籍を記載した住民票の原本
参考:[資格登録]新規登録の申請手続き:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
なお、外国籍の場合や経過措置を受ける場合、上記の必要書類に加えて、以下の書類も用意しましょう。
- 外国籍の人:国籍等を記載した住民票の原本(中長期在留者・特別永住者)、パスポートやその他の身分を証する書類のコピー(短期在留者)
- 介護福祉士経過措置による登録申請をする人:介護福祉士養成施設の卒業証明書の原本
また、実務経験見込みで国家試験の申し込みをした人は、期限までに実務経験を満たしたうえで、実務経験証明書の提出が求められます。
実務経験証明書の詳しい内容や、入手方法は次の記事をご参照ください。
必要な書類を簡易書留で送る
提出書類がすべて揃ったら、試験センターに送付します。
書類に不備があると登録証の交付が遅れてしまうので、送付前に間違いがないか確認しましょう。
送付は配達記録が残る簡易書留を利用し、社会福祉振興・試験センター登録部宛に送付します。
簡易書留はポストに投函できず、郵便局窓口でしか利用できませんので注意してください。
試験センターで受理・登録
提出書類は試験センターで受理されたのち、内容に不備がないか、登録資格要件を満たしているか審査が行われ、審査に通過すれば、登録簿に氏名、生年月日、本籍の都道府県(外国籍の場合は国籍)、登録番号、登録年月日、合格年月が登録されます。
もし提出書類に不備があった場合、試験センターより返送され、訂正後1ヵ月程度で登録証が交付されます。
登録証の交付
提出書類に不備がなければ、書類受理から登録証の交付までの期間は1ヵ月程度です。
登録証は、対面での受け取りが必要なレターパックプラスで送られます。
レターパックプラスは、不在時は不在配達通知書が投函され、土日・祝日も配達可能です。
保管期間を過ぎると試験センターに返送されて再送料がかかるため、期間内に受け取りましょう。
介護福祉士の登録証を登録する際の注意点
登録証が交付されれば、いよいよ介護福祉士として働けます。
しかし、介護福祉士の登録を受けたとしても、別途研修を受けて登録しないとできない業務もあります。
また、登録に必要な書類をなくした場合、所定の手続きをしなければなりません。
以下より、介護福祉士の登録証を登録する際の注意点と、書類を紛失した際の手続きを説明します。
喀痰吸引等行為の登録について
喀痰吸引や経管栄養は、介護福祉士なら誰でもできる行為ではありません。
介護福祉士は、「実地研修を修了した喀痰吸引等行為」の登録申請をすれば、登録証に記載され、一部の施設で喀痰吸引や経管栄養ができるようになります。
喀痰吸引等行為の登録申請は、喀痰吸引等行為の基本研修と実地研修を修了していれば申請できます。
申請手順は、研修修了の有無などにより異なるため、該当する人は下記にてご確認ください。
「実地研修を修了した喀痰吸引等行為の登録申請について」公益財団法人社会福祉振興・試験センター
登録申請書・払込用紙を紛失した場合
合格証書と同封される登録申請書を紛失した場合は、封書により試験センターに再送付の申請ができます。
書面には、個人情報や請求理由、再送付を依頼する書類の記載が必要です。
宛先や封筒の表面の書き方は、試験センターのホームページにある記入例をご参照ください。
「登録申請書・登録の手引 <新規登録用>」公益財団法人社会福祉振興・試験センター
登録料の払込用紙を紛失した場合は、ゆうちょ銀行・その他金融機関に備え付けの振込用紙にて指定口座に払い込み、提出書類の貼付用紙に受領証の原本を貼付します。
その際は、受領証のコピーをとり、登録証受け取りまで保管しておきましょう。
登録料の振込先口座は、下記にて確認してください。
「登録免許税及び登録手数料」公益財団法人社会福祉振興・試験センター
介護福祉士の登録料はいくらかかる?
介護福祉士の新規登録に必要な費用は、12,320円です。(2024年2月現在)
費用の内訳は、以下のとおりです。
登録免許税 | 9,000円 | 郵便局などで収入印紙を購入し登録申請書の所定欄に貼付 |
登録手数料 | 3,320円 | ゆうちょ銀行などで払い込み 振替払込受付証明書の原本を貼付用紙に貼付 |
参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター 資格登録(社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士)
郵便局や銀行の窓口は、平日の営業時間内に行く必要があります。
手続きがスムーズにできるよう、予定を立てて進めましょう。
介護福祉士の登録に期限はある?
介護福祉士の登録申請に期限はなく、登録申請をしなかった場合でも国家試験の合格が無効になることはありません。
しかし、登録証がなければ介護福祉士を名乗ることはできません。
また、登録証が交付されないと登録申請中であることの証明書などはなく、登録番号もわからないままです。
介護福祉士として就業するためには、職場などで登録証や登録番号の提出が求められる場合があります。
スムーズに介護福祉士として仕事に就くためにも、早めに登録申請をしましょう。
介護福祉士の登録内容に変更が生じたときの手続き
介護福祉士の登録は更新制ではありませんが、登録内容に変更がある場合は、所定の手続きが必要です。
転居などで現住所のみが変わったときは、試験センターのホームページまたは郵送で変更手続きが可能です。
現住所の変更には登録証が必要ですが、特に新しい登録証の交付はなく、無料で手続きができます。
氏名や本籍地の都道府県・国籍が変わったときは、登録事項変更届出書の提出が必要です。
登録証の交付時に、「変更登録の手引」が同封されています。
登録内容の変更があったときのためにも、変更登録の手引は保管しておきましょう。
介護福祉士試験に合格し受かったら忘れずに登録証の手続きをしよう
今回は、介護福祉士の登録証と手続き方法を説明しました。
介護福祉士として働くには、登録証は必須なため、介護福祉士試験に合格したら忘れずに登録申請をしなければいけません。
登録証の交付は、申請から1ヵ月程度かかるため、手続きがスムーズにできるよう、手順や必要書類などを確認し、手続きのスケジュールを確保しておきましょう。