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ケアプランとは?作成手順やポイントを解説

この記事の監修者
さとひろ
【​資格​】
社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員・介護福祉士・第二種衛生管理者など​

​​【プロフィール】​
​​特別養護老人ホームの生活相談員。介護職員やケアマネジャーも含めて約20年の経験あり。施設に勤めながら、ライターとして介護・福祉系の記事を執筆。​

ケアプランは、介護サービスを利用する際の道しるべとなる重要な計画書です。
介護が必要な方やそのご家族にとって、適切な支援を受けるためには「ケアプラン」が欠かせません。
しかし、初めて介護に直面する方にとっては、ケアプランの内容や作成方法がわかりにくいかもしれません。

本記事では、ケアプランの基本的な概要から作成手順、そして作成時のポイントまでを詳しく解説します。
利用者やご家族が介護サービスを受ける際の不安を少しでも解消し、より良い支援を受けるための参考にしてください。

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ケアプランとは

ケアプランとは

ケアプランとは、介護を必要とする利用者やそのご家族の状況を踏まえて作成される支援計画書のことです。
この計画書には、支援方針や解決すべき課題、介護サービスの目標などが詳細にまとめられています。
要介護者が介護保険サービスを利用する際には必須となる書類であり、具体的な支援もケアプランに基づいて実施されるのが基本です。

ケアプランは主に3種類あり、それぞれ対象者や利用するサービスによって使い分けられます。

ケアプランの種類 対象者 内容
居宅サービス計画書 要介護1~5の認定を受けた人 訪問介護や通所介護、短期入所サービスなど、自宅で過ごしながら介護サービスを受ける場合に作成
施設サービス計画書 要介護1~5の認定を受けた人 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などの施設に入所する際に作成
介護予防サービス計画書 要支援1~2の認定を受けた人 介護予防サービス、介護予防・生活支援サービスを利用する際に作成
要支援から要介護状態になるのを防ぐ

ケアプランは誰が作るのかというと、通常はケアマネジャーが利用者とご家族の状況をヒアリングしたうえで作成します。
ご家族や支援者が作成することも可能ですが、情報収集や事業所とのやりとり、給付の手続きなどと負担が大きく、専門知識も必要になることから、ケアマネジャーが作成することがほとんどです。
ケアマネジャーが適切なケアプランを作成することで、利用者の状況に合わせた効果的な介護サービスを受けることができるのです。
なお、ケアプラン作成の費用やケアマネジャーの報酬は、すべて介護保険で賄うことになっているため、利用者の自己負担はありません。

ケアプランの必要書類

ケアプランを作成する際は、以下のような書類が必要になります。

様式 居宅サービス計画書 施設サービス計画書
1表 居宅サービス計画書(1) 施設サービス計画書(1)
2表 居宅サービス計画書(2) 施設サービス計画書(2)
3表 週間サービス計画表 週間サービス計画表
4表 サービス担当者会議の要点 日課計画表
5表 居宅介護支援経過 サービス担当者会議の要点
6表 サービス利用票(兼居宅サービス計画) 施設介護支援経過
7表 サービス利用票別表

これらの書類は、介護保険サービスを利用するうえで必要なだけでなく、事業書が介護報酬を得るためにケアマネジャーが揃えなければならない書類です。

ケアプランの作成手順

ケアプランの作成は、以下の6つの手順で進められます。
各段階で丁寧に情報を収集し、利用者のニーズに合わせた計画を立てていきます。

手順 内容
①インテーク 利用者の現状や希望などを把握するための最初のステップ。
対面や電話などの方法で行う。
②アセスメント 利用者の自宅に訪問し、本人とご家族から健康状態や介護状況、住居環境などを具体的にヒアリングする。
③原案作成 アセスメントをもとにケアプランの原案を作成。
サービス内容やプランを組み立てる。
④担当者会議・修正 ケアマネジャー、利用者本人とご家族、サービス提供事業者の担当、主治医などでケアプランを協議。
修正点があれば修正し、再度提案する。
⑤ケアプランの交付 完成したケアプランを利用者本人とそのご家族、介護サービス事業者に交付。
⑥モニタリング ケアプランに基づいたサービスが適切に実施されているかを少なくとも月1回以上は利用者の自宅を訪れて確認する。
ケアプランの見直しが必要な場合は再度アセスメントを実行する。

この一連の流れを通じて、利用者の状況に合わせた最適なケアプランが作成されていきます。
各段階で利用者やご家族の意見を十分に取り入れることが重要です。
また、モニタリングを通じて定期的に計画を見直すことで、常に適切なサービスを受けられるようにします。

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ケアプランを作成する際のポイント

ケアプランを作成する際は、いくつかの重要なポイントがあります。
これらを意識することで、より効果的なケアプランを作成できます。

ケアプランは、要介護者やご家族とともに作成することが大切です。
まずは、個々の希望や生活習慣を尊重しつつ、詳細なアセスメントを通じて身体的・精神的・社会的状況を把握しましょう。

ケアプランでは、具体的で測定可能な短期・長期目標を設定し、多職種連携を図りながら総合的な援助の方針を考えます。
そして、定期的な評価と見直しを行い、必要に応じてプランを柔軟に修正しましょう。
ケアの内容と結果を詳細に記録することで、次のプラン立案に活かすこともできます。

利用者とご家族への丁寧な説明と同意取得、介護保険制度の規定遵守や個人情報の適切な取り扱いも忘れてはいけません。
これらのポイントを意識しながら、実践を通じて経験を積むことで、利用者の状況に応じたケアプランの作成ができるようになりましょう。

ケアプランの作成後に行うこと

ケアプランを作成したあとも、定期的な見直しが欠かせません。
実際にサービスが開始されてから、新たな課題が見えてくることもあるでしょう。
目的達成が順調に進んでいるか、サービス内容が適切かなどを注意深く判断する必要があります。

また、家庭の事情や本人の意向によって、サービスの内容や頻度を変更する必要が生じる場合もあります。
例えば、在宅介護が難しくなり、施設入所を検討するケースなどです。
このような状況の変化に合わせて、柔軟にケアプランを作り直すことも大切です。

ケアプランを変更する際は、ケアプランの作成手順の流れに沿って行います。
しかし、サービス提供の曜日の変更や、担当者の交代など軽微な変更に当たる場合は、この限りではありません。
変更箇所がわかるように修正し、1表のサービス計画書(1)や、5表の支援経過に記録しておきましょう。
軽微な変更に関しては、運用を間違えると、報酬変換につながる可能性もあるため、厚生労働省の通知をよく確認し、必要な場合は行政に確認するのが安全です。

参考:介護保険最新情報vol.155

ケアマネジャーは定期的なモニタリングを通じて、サービスの適切性を確認します。

こうした継続的な見直しと調整を行うことで、常に最適な介護サービスを提供することができます。
ケアプランは固定的なものではなく、利用者の状況に合わせて進化し続ける「生きた計画書」なのです。

ケアプランの質は介護サービスの質に直結するため重要

ケアプランは、介護を必要とする方々の生活の質を大きく左右する重要な計画書です。
適切なケアプランを作成することで、利用者の状況に合わせた効果的な介護サービスを提供できます。

ケアプランの作成には、利用者本人やご家族の積極的な関与が不可欠です。
利用者の要望や不安を具体的にヒアリングし、最適な計画を立てていくことが重要です。
また、作成後も定期的な見直しと調整を行うことで、常に変化する状況に対応できます。

質の高いケアプランは、利用者の自立支援や生活の質の向上につながります。
利用者をよく理解し、一人ひとりに合ったケアプランを考えられるようになりましょう。

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